表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オレ様、最強(の二頭身)につき!〜世界一愛されるダンジョンの作り方〜  作者: たい丸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
11/15

第11話:【勇者視点】正義という名のエンターテインメント

王都にある豪華絢爛な聖教会の作戦会議室。 そこには、かつてのエルナの居場所であった「勇者パーティー」の面々が集まっていた。

「……支持率の伸びが悪いな。直近の魔獣討伐動画、再生数の推移はどうなっている?」

中央の席に座り、魔導端末に映し出されたグラフを眺める男——光の勇者シオン。彼は整った顔立ちに、民衆が好む「清潔感」を絵に描いたような黄金の鎧を纏っている。

「は、はい。エルナを『裏切り者』として追放した直後は同情票で跳ねましたが……最近はマンネリだというコメントが目立ちます。視聴者はもっと、新しい『カタルシス』を求めているようです」

部下の言葉に、シオンは不快そうに舌打ちをした。彼にとって正義とは、己の内から湧き出る信念ではない。魔導ネットワークを通じて得られる、民衆からの「賞賛」という名の数字だ。

「……チッ。あの女、大人しく電池(琥珀の触媒)になっていれば、英雄の犠牲として最高の感動巨編が撮れたものを。逃げ出した上に『不純物ノイズ』を撒き散らしおって」

シオンは苛立ち紛れに、今巷で話題になっている「トレンド動画」を再生した。 そこには、泥だらけになりながらも一生懸命に笑う、二頭身のちび魔王・ルルの姿があった。

「なんだ、このゴミのような造形は。演出が甘い。逆光の使い方も素人だ。……だが」

シオンの目が、ルルの背後に映り込む人物を捉えて細められる。

「……見つけたぞ、エルナ。それに、あのお菓子缶の中にあるのは……我々の『聖域の琥珀』か。よほど知恵の回るプロデューサーがついているようだが、使い道が重石とは。宝の持ち腐れにも程があるな」

シオンは立ち上がり、背後の鏡で自分の「正義の味方としての微笑み」に1ミリの狂いもないか確認した。

「予定を変更する。次のロケ地は、この『二頭身のダンジョン』だ。タイトルは【緊急生放送!裏切り者の処刑と、偽魔王の最期】。……エルナという悲劇のヒロインを回収し、この不細工な魔王を圧倒的な力で粉砕する。民衆が求めているのは、こういう分かりやすい『勧善懲悪』だろう?」

「さすがシオン様! 最高のシナリオです!」

取り巻きたちの称賛を受けながら、シオンは腰の聖剣を誇示するように構えた。 彼の中には、ルルが村人を救ったという事実も、エルナが流した涙も、一切のデータとして存在しない。あるのは「いかに自分が輝くか」という計算だけだ。

「出陣だ。不純なバッタもんの魔王に、本物の『スター』の輝きを教えてやる」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ