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シャルロッテは華麗に笑う ~新興貴族令嬢と護衛騎士の冒険~  作者: 朧 李奏
4章 ワイバーン討伐編
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32. 依頼の詳細

 1時間50分後、私はシャルロッテを迎えに彼女の屋敷へ向かった。

 以前遅れて迎えに行って、カフェでランチをおごらされる羽目になって以来必ず10分前には迎えに行くようにしている。


「待たせたわね。それじゃ、行きましょうか」

 待つこと20分シャルロッテがやってきた。

 今日の彼女はチュニックに五分丈パンツの動きやすさを重視した格好だ。


 帝都冒険者ギルドはシャルロッテの邸宅から歩いて10分程度の距離にある。

 三階建ての石造りの建物で、入口には冒険者ギルドの紋章が掲げられている。

 中に入ると、多くの冒険者たちが依頼書を眺めたり、仲間と話し合ったりしている。


 私たちは受付で来意を告げた。

「お待ちしておりましたヴェルザー様。ギルドマスターが待っております」

 受付の係員が私たちを案内してくれる。

 係員について廊下を進むと突き当たりに、大きな扉があり、「ギルドマスター執務室」と書かれたプレートが掲げられている。

「マスター、シャルロッテ・フォン・ヴェルザー様いらっしゃいました」

 係員が扉をノックし声をかける。

「どうぞ」

 中から、低い声が聞こえたので私たちは執務室の中へと入った。


 冒険者ギルドマスターの執務室は広く、部屋の中央には、大きな机がある。

 机の向こうには、眼光の鋭い初老の男性が座っていた。

 帝都冒険者ギルドマスター、グンター・シュミットその人だ。

 ミスリルランク冒険者で、数々の危険な依頼をこなしてきた歴戦の冒険者らしい。


「シャルロッテ嬢、よく来てくれた。まあ座ってくれ」

 グンターが立ち上がって椅子を勧める。

「ギルドマスター、お久しぶり」

 シャルロッテは挨拶しながら椅子にかけたので、私はその後ろに立った。

「さて、本題に入ろう。ワイバーン討伐の依頼についてだ。まず、状況を説明する」

 グンターが書類を見ながら説明を始める。


「一週間前から、大陸公路東部、グリムヴァルト山脈付近にワイバーンが出没するようになった。最初は遠くに見えるだけだったが。三日前に公路を帝都へ向かっていた商隊が襲われ連れていた家畜が被害にあった。幸い、死者はまだ出ていないが、このままでは時間の問題だ」


 餌を求めて山脈から大陸公路まで出てきたのか...... 確かに早く討伐しなければ、次は人間が被害にあう可能性が高い。

「大陸公路は、重要な交通路であり、帝国の通商の要でもある。ワイバーンの出没により、商人たちは大陸公路の通行を避けざるをえない。シャルロッテ嬢の実家でもそろそろ影響が出始めているんじゃないか?」

「ええ、シルバーヴェーク護衛隊からも情報が来てますわ。この件に関しては帝国も討伐に動いていると聞いてますけど」

「さすがに耳が早いな。そう帝国も確かに動いてはいるが騎士団を数個小隊単位で動かすには時間がかかる。ギルドへの依頼は複数の商会からの依頼でとにかく早く討伐して欲しいとさ」

「大陸公路を迂回すれば交易が数日遅れる。積み重なればすぐに金貨数万枚の損失がでますわね」

「その通りだ。ワイバーンの討伐に金貨5,000枚・・・正直安いよな」

 ギルドマスターは顔をしかめながら言った。


「まあ、ギルドも色々なしがらみがあって依頼を誰かに受けてもらわないと困るんだよ。シャルロッテ譲ならランクといい、討伐実績といい申し分ない。おまけに実家にも利益がないわけじゃないから受けてもらえるかと考えたわけだ」

「まあ、お受けしますけど、マスター・・・一つ貸ですよ」

 シャルロッテはニヤリと笑いながら答える。


「ありがたい。それと不確かな情報なんだが、第二騎士団が先行してもワイバーン討伐に動いているという話がある」

「第二騎士団が?」

「ああ。大陸公路は帝国の重要な交通路と富の源だ。帝国としても早々に解決したい問題だよな。うわさでは第二騎士団の遊撃隊が、先行して派遣されたと聞いている。もしかしたら、現地で遭遇するかもしれない」

「とりあえず状況は分かりました。ワイバーンの出没情報や襲撃された時の状況などの情報を頂きたいんですけど」

「分かった。とりあえずギルドの把握している情報は1時間以内にと揃えてシャルロッテ譲の屋敷へ持っていかせるよう手配しよう。可能な限り早く討伐して欲しい」

 グンターの様子を見る限り、どうやらギルドもかなりせっつかれているようだ。


「ギルドマスター、わたしが引き受けた以上、大船に乗ったつもりでいてよろしくてよ。レオンくん、帰って準備よ」

 シャルロッテは自信満々で答えるのだった。

 私はまだ死にたくはないので、万全の準備をするべく帰路についた。


拙い文章、読んでいただきありがとうございます。


多少なりとも楽しんでいただけたのなら幸いです。

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