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第204話

【アキヒト視点】


 拝啓、地球に置いてっちまった母ちゃんへ。

 親不孝にも異世界なんぞへ飛ばされた俺ですが、今


「ギャァァアアアア!!!」


 怪獣大戦争の中で必死に戦ってます


 チクショウ!ジャコウさんが単独で動くって言ってたのは聞いてるけどよォ!周りもお構いなしかよ!

 吹き荒れる瘴気!暴れて砕ける建物!敵の攻撃魔法の爆発!ついでに視界一杯のオーガの群れ!


「オラァ!≪旋風斬り(サイクルスラッシュ)≫ッ!!≪真空斬(シンクウザン)≫ッ!≪風の戦槌(ガストハンマー)≫ッ!」


 とにかく俺は巻き添えにならないように動き回りながら次々とオーガを狩る!

 目の前にいるオーガをとにかく斬って斬って時々吹き飛ばす!

 くっそぉ!ちょっと甘く見てた!つーかこのオーガ共の持ってる武器、よく見たら全部魔法付与(エンチャント)されてんじゃねーか!ふざけんなよ!?

 ガードも受け流しもできるから対処する難易度は大したこと無ぇが、直撃したら俺だと1撃でHPが2割くらい削られるかもしれねぇから油断できねぇ!


「左に2歩移動だ!」

「!?ウス!」

 後ろからの声に従って左にズレると閃光と共にオーガの群れが真っ二つに割れた

 今のはツナマサさんの攻撃、ツナマサさんの武器はタワーシールドと真っ白に光輝く馬上槍・・・つーかあれって・・・!?


「それ、神器(ゴッズ)級武器の「神槍ブリューナグ」っすかぁ!?」

「あ、知ってるんだ。いやぁ最後にセットしてたビルドと装備がコレでさぁっと!」


 会話の途中で生き残ったオーガがツナマサさんに襲い掛かるのをタワーシールドでガードするのを横目で確認しながら戦闘を続行

 神槍ブリューナグ。ケルト神話に登場する神の武器でその性能は最高レア度の神器級に相応しい超有能武器!

 しかもアレ、精霊武器にしてるし!え!?マジ!?アレ未強化状態1本で木っ端ギルドなら最終兵器扱いだぜ!?それに武具精霊が憑いたら・・・え?マジでどうなるん?めっちゃ気になる一方でその効果を見る時が来ない事を祈りたい


「アキヒト君!合わせるから好きに動いてくれ!」

「ウス!≪武具精霊実体化≫!来い暴塵妖婦(ヴェザリア)ァーッ!」

『呼ばれて飛び出てお姉さん頑張っちゃう!』


 暴塵妖婦(ヴェザリア)を実体化させ一気に周囲の物質を風化させて砂を確保するついでに周りの第一元素を砂に変質させて支配下に置かせる


『ん~?ちょっと変な環境だけど、お姉さん頑張っちゃうからね!』


 砂の波がオーガの群れを飲み込み、能力によってその力と装備を瞬く間に「風化」させる

 敵が多ければ多いほど、風化させる対象が増えて逆にこっちは風化させて取り込んだエネルギーでパワーアップだ!


固有魔法(ユニークスペル)ッ!≪砂漠の渇き(サハラ・ドライアー)≫!」


 暴塵妖婦の実体化中にだけ使える固有魔法を行使すると渇きの能力が付与された砂をオーガ達に襲い掛かり、砂を浴びたオーガ達は次々と干からびてミイラへと変じ、最後に風化する


「へぇ!君の精霊の能力は範囲効果で対多数を前提にした魔法効果か!」

「これでも切り込み隊長やってたんで!対多数戦は得意分野っすよ!」


 砂で速度が落ちたオーガの攻撃を盾で受け流してやると簡単にたたらを踏んでくれたので首を切り落とし、左右から突っ込んで来るヤツを加速で踏み込み暴塵妖婦がアシストで足元の砂を固めてくれたのでオーガ共よりも早く確実に踏み込める。

 逆にオーガ共は足元の砂で身動きが鈍ってるから俺からしちゃ良い的だ!


「右お願いします!」

「分かった!」


 反転して左から突っ込んできたオーガに盾を叩きつけ、仰け反った所に顎下から剣を突き込み頭蓋を貫通させ、そのまま振り下ろして両断!


 右から突っ込んできたオーガの方はツナマサさんが槍の振り下ろしの一撃で真っ二つだ


「あとどれくらいっすか!?」

「えーっと。僕は最低でも50は斬ってる。探知系持ってないから把握できてないけど、少なくとも全体で200は倒したんじゃないかな」


 そんな会話を交わしていると後方で大爆発。

 ・・・あそこってペロリさんが居たトコのはず・・・まさかと思ってスクロールで≪通信≫を行使して連絡すると


『あぁ。アキヒト君ですか?さっき聖域と思われるプレイヤーに襲撃されたので返り討ちにしたところです』

 あ。そっすか


『どうやら聖域プレイヤーが5名ほど来てるみたいです。さっき一人倒したので・・・あ。ジャコウさんが一人倒したみたいです。なのであと3人ですね』


 遅れて爆発音が空で響いた。ジャコウさんの≪強制自爆≫かなんかだろうか・・・?

「やぁ~みんな派手にやってるねぇ」

「ぜってぇ敵に回したくねーっすよ」


 オーガを片付けながら進むと、リアルな熊の被り物をした男が両手に手斧二刀流でアヤノと殴り合いしていた


「グルァァアアアアア!!!」

 熊の被り物の男は赤黒いオーラを纏いながら暴れるように両手に持った斧を振り回す・・・アレは狂戦士のスキルか!

 見た目通りの狂戦士の暴風のような斧のラッシュをアヤノは太極拳のような動きで片手ずつ使って攻撃を逸らしていた


「・・・あ。ちょうどよかった。手を貸して」

「あ。うす!」「任せて!」


 めっちゃ余裕そうだが、手を貸せと言われれば加勢する。

 斧を薙ぐ動きに合わせて盾でカチ上げて強引に動きを変えさせる

「ガァッ!?」

「スイッチ!」「了解だよ!」


 俺の合図と共にツナマサさんのタワーシールドによる突撃で面制圧し、狂戦士を壁に押し付けた!


「お膳立てはしたよ!アヤノ君!」

「拳聖スキル ≪雷迅連衝(ライジンレンショウ):改≫!」


 アヤノのスキル宣言と同時に彼女の身体から青白い電流が放たれ、瞬間移動したと錯覚する速度で掌打を狂戦士に打ち込む!

「1つ!」

 電撃が狂戦士を焼き、さらにアヤノが続けて下腹部から突き上げるように掌打を叩き込み

「2つ!」

 放電と共に壁を突き破って宙を舞う狂戦士が叫ぶが更にアヤノは宙を舞う狂戦士に追いつき・・・

「3つ!4つ!5つ!7つ9つ!11!13!15!17!21!」


 連打連打!暴風雨を思わせる雷を伴う掌打とキックと拳の連打!もうカウントが追い付いてないから数が飛んでるじゃねーか!

 つーかこのラッシュどんだけ続くんだ!?


「35!ラストォーーーッ!!」

「ガァァアアアアアア!!?!?!!」


 空を舞い空中コンボの嵐を受けた狂戦士が最後に轟雷を伴う拳で地面に叩きつけられやっと決着


「うーん。今回は少なめのラッシュだったね」

「本当なら50くらい行きたかったけど、急ぐから」

 いや、こんなん食らったらゲームでも心折れるわ

≪雷迅連衝:改≫

種別:アヤノ専用スキル

制限:前提スキル≪雷迅連衝≫の習熟

属性:殴打/雷

射程距離:接触

電を伴う両手足を使ったラッシュのスキル≪雷迅連衝≫を異世界でアヤノが独自に改良した専用スキル

初撃が当てにくい代わりに大本の≪雷迅連衝≫よりも更にコンボヒット数が増え、途中から通常攻撃や別のスキルに派生できるように攻撃パターンもアレンジが加えられている。

電撃のダメージは魔法効果ではなく生命エネルギーである気功による肉体属性の変成による効果であるため、物理的効果に近い

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