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第203話

【ペロリ視点】


 遠くの方でジャコウさんが大型クリーチャーを召喚したのを確認し、私はため息が漏れた

 あんな物騒なクリーチャーを呼び出されたら、病気属性が効かないクリーチャーしか前線に配置できないじゃないですか・・・


 その証拠に擬態で隠していた兎達が次々と死亡し蟲の贄となるのを何処か他人事のように感知していた。

 アレでは連携も何もあったものじゃないな・・・とか考えていたら唐突に上から巨大な剣のような物が私に振り下ろされるのを影を見て認識


「≪位置交換≫」

 手早く安全地帯に隠しておいたネズミの1体と位置を交換して回避し、代わりにネズミが巨大な太刀が叩き切った。

 巨人・・・ではないですね。外見は巨人のような東洋風の甲冑を着た召喚クリーチャー


「・・・『式神使い』ですか」

「ご明察。今のを冷静に避けられるなんて、けっこうやるね」


 建物の影から現れたのは狩衣を着た糸目の男。長い髪を紙で結っているところから古典的な式神使いの様相をしているのは目で見て分かる


「≪4倍連続召喚≫≪小動物召喚:歩兵鼠(ポーンラット)≫」

 私の前後を兜を被り槍を持った鼠の歩兵が挟む。対して式神使いの方は前方に1体式神を置くだけ・・・式神使いも召喚師と同様に近接戦が苦手なクラスのはず。

 なのに背面からの強襲(バックスタブ)を警戒していない・・・?


 式神に対して看破した能力値から逆算して、あの式神使いのビルドは私とは真逆、高いコストは承知の上で強力なクリーチャーを召喚使役する精鋭型ビルド

 強力な召喚クリーチャーは召喚と維持に大きなMP負担が圧し掛かるため数による制圧を苦手とする反面で、個体としての強さは圧倒的にあちらが上。

 レベル換算で推定して80。こちらの歩兵鼠のレベルは30程度でまともにぶつかれば勝負にはならないでしょうね・・・まともな勝負なら


「何か考えているようだけど、意味ないよ」


 式神使いが呪符を投げつけると巨大な虎の式神が出現。

 数体程度出せるのは分かり切っている。あの1体だけで召喚枠一杯なワケがない

 彼がLv100であるなら、あの虎と武者の2体含めてあと3体・・・5体ほどが上限・・・と思わせて、隠しているスキルもあるかもしれないので10体がMAXと考えて戦術を組む必要がありますね

 とりあえず突っ込んできた虎の式神をまず対処する


「≪建築物召喚:石壁≫」


 雑に石の壁を召喚して障壁にし虎の突撃をブロックし、続けて魔導書のページをめくって目当ての召喚対象を選択


「≪暴走召喚≫≪3倍連続召喚≫≪小動物召喚:暗殺鼠(アサシンラット)≫」


 黒装束に短剣を持った6体の鼠クリーチャーが私の魔法で出現。

 壁を回り込んで式神使いに突撃させる・・・が、武者式神の一太刀で3体がまとめて切り払われ、残り3体は虎の式神にブロックされた・・・ので


「≪強制自爆≫」

 2体の暗殺鼠を虎に組み付かせて自爆させて処理、突破した残り1体で式神使いに突撃させる


「≪式神召喚:霊亀≫」

 呪符から暗い灰色の亀が出現し、残りの一体の突撃も亀の甲羅で防がれて反撃の噛みつきで絶命。次


「≪鼠算(マウス・ツー・マウス)≫≪5倍連続召喚≫≪小動物召喚:花火鼠(クラッカーマウス)≫」


 導火線に火が付いた状態のロケット花火を背負ったネズミ達を出現させ、ロケット花火が点火して飛行しながら式神使いへと飛ばす


「ッ!ガードしろ!」

「≪一斉自爆≫」


 向こうのガードの指示が速かったので式神2体で全部のロケットネズミは防がれてしまったがこれで相手の盤面は居なくなった


「≪式神召喚:金夜叉≫!≪式神召喚:銀夜叉≫!」


 式神使いが呪符を投げつけ出てきたのは金と銀の乱獅子髪を持つ鬼が2体

 2体では手が足りないと学ばないのでしょうかね?


「≪5倍連続召喚≫≪小動物召喚:花火鼠≫≪5倍連続召喚≫≪小動物召喚:花火鼠≫」


 更に花火鼠を追加で召喚し、≪鼠算≫の効果で更に倍に増える


「くっ!?底なしか!」

「私の保有魔力(最大MP)量はメンバートップなんですよ。実は」


 召喚士系列はステータスの上昇恩恵がほぼ無い代わりに保有魔力上限量の成長はとても高い。そして召喚士系列のクラスでビルドを組んでいる私の魔力は保有量だけで言えば私がメンバーの中で最も多い


「個人的な感想を言わせてもらうならば、精鋭召喚型ビルドは召喚魔法の強みを活かせてないと思うんですよね」

「なんだと・・・!?」

「召喚魔法はそもそも多の力を活かす魔法であって、切り札を呼ぶ魔法として使うのはナンセンスって思ってるんですよ。

 単純に火力が欲しいなら、召喚魔法では無く高火力な攻撃魔法が使える魔法使い系を選べばいいですし、戦力が欲しいならば普通に友達を作ってパーティーを組めば事足りますし。

 強いクリーチャーを操るその実力は評価しますけど、それは貴方本人が術者として強いのではなく単に「呼び出したクリーチャーが強いだけ」ですから

 それなら、他のプレイヤーと共闘した方がもっとコストが安いですし、苦労して高コストなクリーチャーを維持する必要も無いですから。あ、持論ですよ?もちろん強みは有るんでしょうけど・・・私にとって「強いだけで魅力がない」ってだけなんで」


 強力なクリーチャーを召喚するには生贄や制約となどの条件をクリアする必要がある。

 そんな使い勝手の悪い切り札を都合よくいつでも召喚できるとも考えられない


 召喚士の戦い方は言ってしまえば(トレーディング)(カード)(ゲーム)にかなり近い

 高コストですぐに呼べない、対策されやすいような切り札(ジョーカー)に縋るよりも、戦術の起点に使える主力(エース)にこそ頼るべきなのだ


「いい機会ですし、私の戦い方を見て参考にしてみてください」


________来世で

≪小動物召喚:花火鼠≫

種別:召喚魔法/小動物召喚士専用

制限:Lv4以上

射程:0~5m以内

ロケット花火を背負った爆弾付きネズミを召喚する魔法。

召喚後、ターゲットに向かって一直線に飛翔し、≪強制自爆≫の発動で大爆発する。

素の攻撃力はそこまで高くはないが機動力がとても高いため、ペロリは自爆特攻要員として活用している

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― 新着の感想 ―
更新有難うございます! 同職なら格の違いを見せてくれる、ペロリさんがカッコいいです! 相手が強いのを出してきても、ペロリと食べちゃうごとく倒しちゃうのに、痺れます!
こんばんは。 召喚士の弱み、言われてみればいちいち最もですね。ファイナルファンタジ○シリーズの召喚士みたく、召喚も強いが直接殴っても強い育て方が可能なら、またちょっと話は変わりますがww
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