第202話
インベントリ空間に腕突っこんでMP回復用のポーションと望遠鏡を引っ張り出し、MP回復させながら前線の様子を観察
オーガ軍団は正面の門から堂々と入り込もうとしてるのをウチの蟻共で足止めされてるなぁそこに小さいネズミやウサギがオーガ共の足元を通り抜けてどん詰まりになっとる中衛がいきなり爆散
ペロリはんの≪強制自爆≫か密集状態ならこれは強烈やな
そんな事考えてたら蟻共に炎が飛んで来た。今のは≪炸裂火球≫か・・・
望遠鏡で発射地点を探すと・・・おった。
宙に浮いた箒に乗った赤いローブ姿の女魔法使い。他にもプレイヤーらしいのが4人おるな
リアルな熊の被り物に毛皮で出来とる鎧の巨漢、長い髪を紙で束ねとる黒い狩衣着とる細身の男、デカイ巻貝の貝殻で出来た笛を背負って珊瑚っぽいゴツゴツした質感しとる鎧着とる女、最後は茶色いカイゼル髭に豪華な刺繍飾りが付いた軍服っぽい黒い服、腰にサーベル付けた茶髪のジジイ
プレイヤー5人の内、赤ローブの女は空から魔法で爆撃しとるな。
マトモな空中戦出来るのは今の面子やとウチだけやし、ここはウチが赤ローブを相手するか
「≪重蜂機銃≫」
左片手で印を組んで召喚魔法を行使。印を組んだ腕を蜜蝋で出来た砲身が覆って発動完了
空中に浮いてる赤ローブへ砲身を向けて回転開始。砲身は回転しながら蜂を撃ち出す
「これ、マシンガンって言うよりミニガンやろけどなぁ!」
バララララララララ!!!と超スピードで連続発射される蜂共は超スピードで飛びながらウチが狙いを付けた赤ローブに向かって飛んでいく
赤ローブはすぐにこっちに気づいて炎のバリアでガードするつもりか、デカい炎を出して盾にしおった
蜂は空中で焼かれて効果無しか・・・しゃーない。
術の発動を終えて左腕を覆っとる蜜蠟の砲身を溶かして敵の反撃に備える
その直後にデカイ火球が飛んで来た。
距離があるから魔法の詠唱も聞こえへんな。
なんの効果が分からんから雑に壁立ててガードするか
「≪蜜蝋の壁≫」
印を組んで足を踏み鳴らすと目の前にハニカム構造の壁が突き出て火球を受け止める。・・・が、大爆発と共に壁が粉々になった。
ウチは無事やけどコレはあかんな、雑な攻撃なら跳ね返せたけど今の1発で壁が7割削り取られた。貫通効果は無かったのを考えて雑に火力を底上げさせただけの≪炸裂火球≫ってトコやな
威力と射程から逆算して、あの赤ローブは火炎属性特化型の魔法アタッカーってとこやな・・・面倒なヤツや
火炎属性魔法は破壊力に特化した高火力型魔法属性系統。
耐性抜きに考えれば1撃の破壊力でトップクラスで、しかもあの赤ローブは火力特化ビルドってトコやな空を飛びながら高火力の魔法で爆撃。
分かりやすいビルドしとるけどそれゆえに厄介やな。なんも考えんと単純な削り合いしてたらこっちのリソースが削り切られる
「≪上位蟲召喚:大百足≫ッ!」
戦場でくたばっとるオーガ共の死体を生贄に指定して大百足を呼び出して足場にしながら接近する
遠すぎると蟲共の援護もままならんし、何より詠唱が聞こえへんと相手の手札が解りづらい
「≪5倍連続魔法≫≪火炎鳥≫ッ!」
赤ローブから5発の火の鳥がウチ目掛けて飛んできた。
真っ向勝負する気か。あの魔法は確か追尾型の魔法やから避けたところで追っかけてくる。しゃーない雑魚に押し付ける!
「≪下位蟲召喚:群蝶≫≪生贄の儀式≫≪中位蟲召喚:大雀蜂≫ッ!」
蝶の群れを出してチャフ代わりに鳥にぶつけ、数度の爆発。
焼けて落下する蝶は既に召喚クリーチャーから死体へと切り替わり、焼けた蝶の死骸を餌に大雀蜂共を呼び寄せる
「うっざ!≪5倍連続魔法≫≪熱光線≫ッ!」
赤ローブから貫通系の魔法が5連射。コレはガードできへんな。
仕方なく大百足と蜂共を切り捨てて跳躍して回避するも回避先で2発の光線がこっちに飛んでくる
それを目視で確認して服の下に隠しとった蜘蛛に指示を出して糸を吐かせ、糸を引いた反作用で移動
「≪蜘蛛糸絡み≫ッ!」
「≪火炎放射≫ッ!」
片手で印を組んで蜘蛛の巣の投網を投げる、それを火炎放射で焼かれて無効化され、炎が迫る
「ッ≪位置交換≫!」
焼かれる寸前に前線におる蟻の1匹と魔法で位置を交換して回避。
代わりに蟻が焼かれ、ウチはオーガ共の前線に来るハメになったが・・・ちょうど餌が欲しかったとこや
右手で鉄扇を引き抜き、こん棒を振り上げるオーガの脛に一撃を与えて怯ませる。
痛みで吼えるオーガの首に仕込んどる蜘蛛共のワイヤーを絡めて背負い投げ!
「!?!?!?」
3m近いオーガが160cmくらいのウチに投げ飛ばされたのがそんなに不思議か?まぁどうでもええわ
手早く鉄扇で倒れたオーガの首を刎ねて生贄に指定
「≪最上位蟲召喚:土蜘蛛八握脛≫ッ!!」
周りに転がっとる蟲とオーガの死体を纏めて生贄に指定し、大飯喰らいの大物を呼び出す
黒と黄色の縞模様をした体高3m越えの巨大な蜘蛛のような怪物。土蜘蛛八握脛が地面から出現し、戦場に瘴気をぶちまける
「ッ!!ナニコレ・・?!」
「ウチのとっておきの1体や。最上位級の蟲系クリーチャーで病気属性の範囲能力持ちや。ちなみにコレ常時発動型やから、耐性無かったら雑魚はバタバタ死んでくで?」
その証拠にオーガ共は一気に顔色が悪くなってバタバタと死に絶えていく。
ついでに兎も巻き添えになって。すまんなぁペロリはん。ネズミのほうは耐性あるから勘弁してな?
さて、これで生贄の数も揃えられるな。
さぁ、ここから蟲使いの恐ろしさを教えたるわ
≪下位蟲召喚:呼虫≫
種別:召喚魔法、蟲使い専用
制限:Lv1以上
射程:0~5m
呼虫を召喚する魔法。体長20cmほどの鈴虫のような外見を持つ例の黒い「アレ」
戦闘能力は皆無であり、ただ羽を擦らせて音を出すだけの最下級クリーチャー
その真骨頂は「生贄に指定」された時であり、このクリーチャーを生贄にしたモンスターの召喚MPコストは10%軽減される(数に関係なく固定)




