第197話
まさかまさかのマーシャさんの辞退で私の中でのメンバー構成が狂ってしまった・・・いや、コレは仕方ない。今までマーシャさんに頼りっきりだったが、思い返せばこの人も今までの戦闘では出来る限り消費を抑えてナイフによる接近戦を仕掛けて、弓による遠距離は奇襲や不意打ちしか使わなかった・・・
「じゃー自分の矢を持って行けば」
「ダメよフジタ。アンタの矢はロングボウに対応してるから私の複合弓じゃ規格が合わないの」
フジタ君も弓使いだが、使う弓の種類が違う。マーシャさんが使うのは射程と連射性を両立させた複合弓で、バランス良く攻撃が出来るタイプの弓。
対してフジタ君のロングボウは取り回しが悪い代わりに非常に長い射程を誇る遠距離専用の弓だ。
ロングボウに合う矢でもマーシャさんは射る事は出来るかもしれないが、規格の合わない矢を無理に使ってもむしろ邪魔になるだけだ
「ドワーフの職人とか色々当たってみたんだけどね、作る材料が無いのよ」
「なら、私が行きます」
マーシャさんの代わりに名乗り出たのはペロリさん
「今回は拠点攻略。つまり対軍団戦闘なら召喚士である私が役に立つはずですよ」
「ん。なら私も出る」
ペロリさんに続いたのがリッシュさん。彼女も高火力の物理アタッカーだし広範囲攻撃も使えるから、対軍団戦闘には強い
「っし、なら俺もっすね!広範囲魔法は風系の十八番っすよ!」
次にアキヒト君が名乗り出て
「遅れたけど私も行くよ。聖域をぶっ飛ばすなら、絶対に」
そしてアヤノさんが参加か・・・ペロリさんを除いたらアタッカーばっかりだな
「アタッカー多いから、最後はサポートできる・・・エリシアで良いわね?アンタが言い出しっぺだし」
「あ。ハイ」
言い出しっぺの法則で最後のメンバーに私・・・
私だけ選考理由が雑ゥ!!
「じゃ、無事に決まったし他陣営のメンバーからの連絡が来るまで道案内に連れて行くドワーフを探しに行きましょうか」
「っすね」
ちょっとショックを受けてる私は放置され、渋々ドワーフ達の居住区へと向かうと・・・
『ワハハハハ!』
なんだ?妙に騒がしいな・・・いや、あの人たち酒盛りとか大好きだし騒がしいのはいつもの事だが
「強ェな覆面の兄ちゃん!」
「それもう一杯!」
「いやぁドワーフのおっちゃんもなかなかァ!つーかこんな村にドッサリ酒あるなんて思わなかったぜ!」
「ウチの魔女様は魔法で酒をわんさか出せるからな!」
「飲み干しても次の日には酒樽でドッサリよ!」
「カーーーッ酒飲みには天国だな!」
なんか忍者がシレっとドワーフ達と酒盛りしてた
「エリシア、アンタドワーフに酒支給してるの?」
「いえ、私じゃなくてベッティちゃんです。
あの子がドワーフさんが作るメイプルシロップとかを目当てに魔法で酒を造ってるんです・・・」
私も樹液操作でシロップの元となる樹液は出せるが、煮詰める工程とか諸々はドワーフに任せてるし、私の樹液操作は戦闘用なので食用には不適合だ。
対してドワーフ達は力も強いし林業にも造詣がある人も居て、木こりと協力して楓の木を植樹したエリアでメイプルシロップの副業とか始めていた。
・・・で。ベッティちゃんはそれを目当てにお酒の差し入れをしている
私が魔法でアルコールを出すと高濃度過ぎて悪酔いするが、レベルが中途半端なベッティちゃんはアルコール濃度が私と比べて低いからカクテルに使えるらしい
ちなみに放置している理由は魔法連発で練度が向上するからであり、他意は無いが・・・
「で、何でもう居るのよ霧隠れダイモン」
「サイモンだよ!ワザと間違えてるだろ!!」
「霧隠れさん、もう到着したんですか?」
「おう。≪忍法:陸海走破≫で直で来た。
獣王のおっちゃんは≪忍法:転送絵巻≫で城に飛ばしたし」
このレベルの忍者になると何でもアリだからすごいな
って事は、他の陣営もあまり時間が掛からずにここに来るかもしれないな
サイモンは集合するまで宿に滞在するとの事。割と暇なのかな
その数日後。アリアージュ、アンブル、ミーカ、そして何故か3人が聖女ちゃんと呼ぶエリーさんが村に来た
「ごめん、聖女ちゃんも追加で」
「うち等の行くとこにどこまでもって聞かなくてさ」
「覚悟の上です」
「えぇ・・・」
ぶっちゃけ現地人の戦力はアテにできないんだけど・・・って思いながら念のためレベルを看破してみると・・・Lv75!?
「あちこち連れまわしてたらなんかそこそこ強くなってたかな」
「それな」
とりあえず、主となるクラス構成は僧侶系で純粋な後衛っぽいが、守りのスキルを使えるアンブルさんが守れば問題無いか・・・?
その翌日には竜種を連れたクラウベルが村に到着。
どうやら追加戦力としてLv70クラスの竜種3人を助っ人に連れてきたらしい
「雷竜のヴォルスカーンだ」
「岩石竜のクイング。よろしく」
「溶岩竜のメルトリーナです」
「人化中だからLv70前後だが、本来の姿に戻ればLv130以上だ」
「最大戦力ですね」
竜種の参戦はかなり心強い
その翌日に≪転移門≫でジャコウさんが神聖帝国のメンバーを連れて村にやって来た
「なんや、うち等が最後かいな」
「ここがゲイリーウッズ村かぁ」
ジャコウさんに連れられてきたのはスギモトさんじゃないな・・・誰だ?
「エリシア。アイツヤバいわよ」
「え?」
マーシャさんに耳打ちされて聞こえた情報は・・・
「ちゃ、≪最高対人成績記録≫!?」
「タイツの上司やと」
「よろしく。こっちの世界ではツナマサって呼んで欲しい」
すごく礼儀正しく握手を求められたので応じる。
ぱっと見は黒い板金鎧で固めた騎士って感じだな・・・顔は日本人ポイけど、なんていうか、雰囲気だけで強いって分かる
「さて、全員集まれたし・・・さっそく詳しい作戦を話し合おうか」
≪忍法:転送絵巻≫
種別:移動忍術/忍者頭専用
制限:忍者頭Lv9以上
属性:空間
射程距離:惑星全土
予め用意した出口となる掛け軸を作成して設置し、対となる巻物を使用することで長距離を空間移動する時空間忍術。
ただし掛け軸を設置できるのは「地面に固定された壁」に限定され、船や馬車などの移動可能な乗り物には設置できず、対象にすることはできない。
また、掛け軸か対になる巻物が破損している状態では使用することができないため、安全な拠点への帰還にしか使えない。
ただしこの忍術の効果は「作成」までであり、この忍術で作った巻物を使用した移動は実は誰でも使える上に、術者本人の許可があれば巻物を複製できるため、拠点移動に非常に便利




