第195話
【ジャコウ視点 南大陸 自由種族連合軍本部】
晩餐会を終えたウチは姫さんを連れて大使館へ移動して、大使館の中で≪転移門≫を行使してそのまま目印を付けた連合軍本部のウチの書斎に瞬間移動
「・・・っと。ほい到着」
「ジャコウの≪転移門≫は本当に便利ですね」
「制約多いんやけどな」
姫さんを背負って南大陸の本部に戻ると・・・ウチのデスクに未決済の書類がドンと積まれてた
「ハァ~~~~ッ」
「すごく嫌そうな顔ッ!!」
仕事が好きなヤツとか相当な変人か精神やられてるヤツやで、姫さん
「ったく、あのアホンダラ共。留守に書類積みよってったく・・・」
さっそく一番上の書類から目を通すと・・・南大陸中央部の砂漠にダンジョン?
冒険者組合に報告済み・・・と。こっちは17番居住区画防衛用の防壁建造の見積もり書?経理で済ませろや、いちいち上まで持ってくんなや
「すいませんジャコウ。貴女にここまで負担をかけて」
「えぇよ別に。どうせこっちの世界に飛ばされても特にやる事無いし、ヒマしてるより仕事してた方が社会に溶け込んでる気ィするから」
人によっては引きこもりとかしてたいヤツも居るかもしれへんけど、ネットもゲームもなーんも無い世界やから、仕事で忙しくしてた方がむしろ気が紛れる
デスクに座ってとりあえず問題無い書類に承認印をバンバン押して処理済みの棚に放り込む
「それで、北大陸のドワーフの国と戦うのは・・・」
「悪いけどやらせてもらうで。ウチ抜けても問題無い程度に練兵もマニュアル化したし、知性持っとる蟲系クリーチャーをぎょーさん召喚したから、何かあったらすぐ≪転移門≫で戻れるし、アホ3人居ればそうそう落ちんやろココ」
「いえ、そうでは無く・・・ドワーフの国には希少鉱物の鉱床があって、ごく少量にアダマンタイトやヒヒロカネが採れる鉱床が発見されてるって・・・」
「なら優先度爆上がりやな。アダマンタイトにヒヒロカネはウチの世界じゃ無かった魔法鉱物やし、ゲームでもインゴットなら十万単位で金が動くモンや。上手い事やれば・・・」
「希少鉱物をこの国に継続的に輸入できる・・・!」
姫さん、おぬしも悪になったなぁ・・・
とはいえ、希少鉱物もそうだけど鉄も錫といった卑金属だって生活や生産に必須。南大陸でも取れるトコは取れるけど、魔法金属まで収集するとなるとドワーフの鉱床をアテにしたいトコや
「それに、他の国に居るプレイヤーとも関係持っときたいからなァ」
「他国にもジャコウと同じ水準のプレイヤーが・・・?」
「ウチとええ勝負できるヤツはそう居らんって・・・10人くらいや」
具体的にはランキング1位から11位くらい
「どんな人外魔境の領域なんですか・・・」
「そんな大した連中ちゃうよ。・・・いや、アバターの能力もって異世界に来てるし、全員ガチで暴れたら大したこと有るか」
「どうなるんですか」
「あー・・・いっちゃんマシなヤツでとりあえず都市単位で壊滅・・・やな」
「一番ヤバい人でどうなるんですか」
「・・・島一つが沈んだら、マシ・・・かな」
まぁ全員分別が付く大人やし、そうそう暴れたりせぇへんやろ
っとここでスギモトから貰った通信用の魔法の品に着信が入った
水晶を手作業で削って玉にして作っとるとか手ェかけた品やから相当高いはずやけど・・・っと
「はい。ジャコウやどしたんタイ・・・スギモトはん」
『やぁ。久しぶりジャコさん』
この声・・・あいつか
「・・・久しぶりやなチャンピオン。どっちで呼んだ方がええ?」
『リアルの方かな、リアルで会ったのはもう僕の体感だともう7年くらいになるな』
コイツ、来た時期はウチと同じくらいか
「そうか。なら久しぶりやなツナマヨ」
『ツナマサだよ!おにぎりの具材じゃないか!!』
「あーすまん。つい間違えたわ、久しぶり過ぎて記憶が薄れててなぁ~」
『絶対ウソだ!絶妙に1字だけ変えて弄るの君の鉄板ネタだろ!』
「チッ。で、コレの通信はどうやったんや?タイツのヤツから借りたんか?」
『あぁ。知らないのかい?コレは専用の交換機を使えば任意の端末に通信を切り替えることができるんだよ。すごいだろ?』
「えらい便利なの作ったなぁ。・・・特務騎士いうたな、そっちのプレイヤー何人おるんや?」
『鋭いね。スギモト君と僕を含めて8人。全員が隊長としてそれなりの待遇を与えてるし、君がやってる自由種族連合軍で言うなら、僕が大将で他の面々が少将から中将クラスってトコだね』
「素人に軍なんて持たせてもしゃーないやろ」
『君は素人じゃないのかい?・・・ってそこはどうでもいいや。
ドワーフの国への作戦、君も参加するんだろう?』
チッ。タイツのヤツペラペラ喋りおったな・・・まぁコイツは信用できるし、聖域みたいなのが一番嫌いって言うヤツやからええか
『あれ、スギモト君の代わりに僕が行くから』
「ハァ!?」
ちょいまてぇ!!アンタが参加するんか!?
『下手な人を派遣して足を引っ張るわけにはいかないからね。既に準備も進めてるよ』
「アンタが出てくるのは予想外やっつーの・・・ていうか、己が大将かいな。
特務騎士はアンタの入れ知恵か?」
『うん、聖帝に地球の事とか色々喋ったら、なんかこうなっちゃった』
「ドアホーーーーッ!何地球の事ペラペラ喋っとるんや!危機感を持たんか!」
『実現できない物ばっかりだし、僕も理論とか知らないから良いかなーって。流石に地球の兵器とか機械の事なんて詳しくは知らないよ』
「・・・まぁそれはそうか。なら、まだマシか」
『代わりにエルドラド・クロニクルのクラスとか魔法の事はぜーんぶ教えたけど』
「分かった。会ったらシバくわ。会うのが楽しみになったなぁ」
『あ、アレ?ジャコさん・・・?笑い方が怖いよ・・・目が笑ってない!あ、コレガチでキレてるヤツ?』
首洗って待っとけやこのボケ――――ッ!!!
≪アダマンタイト≫
種別:鉱物
希少度:☆☆☆☆(伝説級)
エルドラド・クロニクルにおいて最高硬度を誇る魔法金属の1種。
原石の状態を指し、精錬した状態は「アダマンチウム」。
素材の特性として魔法に対して非常に反応が鈍く(良くも悪くも魔法の効果を受けづらい)、非常に重く、ダイアモンドの硬度と鋼の靭性を併せ持つため、単純に硬いだけでなく砕け難い。
エルドラド・クロニクルでは重い上に希少性が高いため基本的に合金の素材として少量使用される程度。
総アダマンチウム製の武器や防具も作れなくは無いが、重すぎる上にモンスター素材と組み合わせると得られるはずの特殊効果も得られないため、希少性と相まって総アダマンチウム製の装備は「成金装備」扱い。
入手方法は特定の鉱脈から採掘するか、膨大な資源を使って≪金属変換≫などの魔法で造り替えるしかない。
ちなみにリッシュの大剣はアダマンチウムを40%も使用した合金製で重い理由がコレ




