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第194話

【第3者視点 神聖帝国 特務騎士団団長執務室】


 神聖帝国における最大戦力、「聖帝特務騎士団」。

 エルドラド・クロニクルのプレイヤーであったスギモトの上司もまたプレイヤーであった。

 編み込まれたダークグレーの髪に黒の瞳、八重歯と黒と赤の板金鎧が特徴の男、名前を「ツナマサ」肩書は「聖帝特務騎士団 団長」。

 彼は執務室にて水晶玉を加工した長距離通話用の魔法の品でスギモトの報告を聞いていた


『・・・以上が今回の戴冠式の報告です』

「お疲れ様。ジャコさん南大陸だったかぁ・・・北大陸じゃ見つからないはずだよ」

『と言うか団長来てたらもっとややこしい事になってましたよ。絶対』

「スギモト君便利だからね。強いし隠密できるし幻惑で護衛できるし、最近はヴェリンス家令嬢の魔法特訓の面倒も見てるんでしょ?

 他の団員より仕事できるから正直助かってるよ」

『マジでブラックすれっすれな毎日ですよ』

「ごめんって。その分、給料は弾んでるから。ボーナス査定期待してて。

 それに。今回出てきた「ドワーフの国攻略作戦」・・・アレは本気で実現したいね」

『聖域の連中、マジで現地人を実験動物みたいに使ってますからね』

「うん。それに僕らが想像するよりもずっとデカイ。

 プレイヤー数人って規模じゃないね、多分数十か3桁の人数は居て、更に悪魔武器や呪いの金貨で現地人を雑兵に仕立ててる。

 こりゃ国丸ごと1つ相手に個人単位で戦争するような物だよ。単なるPVPとは規模が違う」

『その作戦を実行するとして・・・ウチからは誰を出します?』

「下手なの出しても足手纏いだからね。スギモト君は理想的だけど・・・流石にヴィクトル殿下の護衛の穴を開けるワケにはいかないからね。

 副長は国内での防諜強化で東奔西走してて、他の隊長格も予定が詰まってるから・・・僕が出るよ」


 その言葉に、スギモトはある種の警戒を抱いた


『大丈夫なんですか?団長は・・・』

「ジャコさんはキチンと公私を分ける人だし、何より僕の能力を一番理解してるからね」

『そりゃ理解してるでしょう。

 団長は対人戦闘最強の称号・・・「最高対人成績記録(チャンピオンホルダー)」保有者なんですから』

「いやぁ、3回目の防衛の時はマジで焦ったよ。ジャコさん達上位陣が対策ガッチリしてきてさぁ!」

『あー。その話9回目に入るんでもう良いです』

「えー。まぁとにかく、彼女たちとドワーフの国に行くなら僕が出る。

 まず第1にドワーフの国は聖域の重要拠点がある可能性が非常に高い。

 最高戦力で一気に制圧して証拠や痕跡を逃がさないようにしたい。

 第2に僕には外交特権を皇帝から貰っててね、他国での戦闘行動は陛下が後ろ盾になってくれてる。

 つまり、理由があれば外国で大暴れしても責任は陛下がとってくれるからね」

『つーかソレは俺たち全員もですよね』

「まぁそうだね。でも、これが()()()()()()()だから「参戦しない」って選択肢は最初から無いんだよ」


 神聖帝国は北大陸有数の大国。

 その大きな要因は神聖帝国現皇帝「聖帝」と聖帝特務騎士団団長が出会った10年前だった。

 神聖帝国の帝室は代々率先的に「祝福(ギフト)」を持った人間の血を取り込むことで、遺伝的に祝福を得られやすい血統だった。

 そしてその血統に相応しく、現皇帝である聖帝にもある祝福が宿った。

 それは目視した生物の「生命力」を視覚できる祝福。

 例え姿を誤魔化し気配を消そうとも、彼にはあらゆる生物の「生命力」を目視し、識別できる祝福を生まれながらにして与えられていた。

 そして、国内を視察していた聖帝と異世界に飛ばされ偶然出会ったツナマサ。それが神聖帝国の軍事を大きく変えた!


 聖帝が見たツナマサの生命力はまさに怪物・・・否、怪物以上!

 そして語らいの末に聖帝と友となったツナマサが話した異世界の知識は、聖帝がそれまで考えていたあらゆる常識を粉砕した。

 狭い島国に神聖帝国の4倍以上の人口!

 多くの人間を乗せて海を渡り、空を飛翔し、大地を疾走する鋼鉄の乗り物!

 平民すらも(神聖帝国基準で)高い教養を与えられ、誰でも安価で医療を受けられる福祉制度!

 魔力では無く電気で動く様々な道具や機械!

 スイッチを押すだけで空の彼方へと飛び、海を越えた国にある都市を破壊する恐るべき兵器!

 天空へと飛び、空の彼方から敵国を覗き見る機械の斥候!

 そして、ツナマサが与えたのは異世界の事柄だけでは無かった。

 エルドラドクロニクル基準で伝えられるクラスとレベルの秘密、膨大な数のスキルや魔法の知識、そしてレベルの先にある「覚醒」と「超越」というステージの存在!


 これらの知識を与えられた聖帝は思い知った。

 これまで頼ってきた「冒険者」や「民兵」の頼りなさを。

 そして求めた。圧倒的「精鋭」を!

 低レベルだらけの1万人の軍隊を持つよりも、100人力にまで育てた(レベリング)精鋭100人を持つことの重要性を知った!

 そして、聖帝は人生で初めて他人に頭を下げて乞うた!「神聖帝国の未来」のために!

 敵対的Lv100(プレイヤー)に対抗するにはツナマサのようなLv100(プレイヤー)が必要だと!


 こうして3年の準備と選抜、勧誘の果てに結成されたのが「聖帝特務騎士団」。

 対Lv100、対異世界人への抑止力。神聖帝国を脅かす「異世界からの脅威」へ対抗するために結成された「超人集団」は、既に聖域を「神聖帝国の敵」と定めていた!!

 故に、彼らの参戦は結成理由として至極当然であり、存在意義であった!!

最高対人成績記録(チャンピオンホルダー)

エルドラド・クロニクル公式運営が突如発表したゲーム内最高記録の1種。

1シーズンごとに決闘ランキングが発表され、決闘総合成績1位の順位を得たプレイヤーに与えられる称号。

記録タイトルの中でも最も簡単でありながら入れ代わりが激しいタイトルの1つであり、ツナマサは転移するまでに3回タイトルを防衛した保有者。

ジャコウも過去1シーズンだけこのタイトルを得たが次のシーズンで防衛失敗と最も維持が難しいタイトルでもあるため、誰が「最強」という議論はエルドラドクロニクル対人界隈ではかなり揉めるネタ

歴代でもタイトルを得た事がある面々を見ると当時の対人戦闘環境がよく分かるため、歴代保有者の話を対人戦闘の教材代わりにすることもある

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― 新着の感想 ―
ARPGからSRPGになった瞬間ですね、 今は聖域と言う共通の宿敵に対抗して、各陣営共々UR武将pickupガチャを文字通り身を削ってがん回ししてるところ
すいません、板金鎧ってバッチリ書いてあるのに、タイツさんの上司さん!と思って板金鎧が頭から消えてました〜! 失礼しました…!
更新有難うございます! タイツさんの上司登場ですね!…ひょっとして、上司さんもまさかのタイツ…?
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