第193話
【エリシア視点】
『・・・ってな感じで俺の論破でその脳内花畑令嬢は学園の夜会で起こした断罪騒ぎで盛大に自爆したんだ』
『断罪イベントを完全論破しててウケる』
『ホンマ、アンタの連れ大変な目に遭ったんやなぁ』
スギモトさんの連れている令嬢ヴェリンスさんのエピソードに聞き入ってると手元の対面鏡に連絡が入った。
これは・・・レーシアさんからか
「はい。どうしました?レーシアさん」
『実は、さっき村にチャーハンって名乗るプレイヤーが来まして・・・』
ちゃーはん・・・パラパラ@炒飯さんか!
『それで・・・彼女の話ですと・・・』
なんだ?歯切れが悪いな。何か話しにくい事でも
『くりーむ&コーンさんが・・・亡くなったそうです』
「・・・は?」
くりーむさんが・・・死んだ?
嘘・・・いや、レーシアさんはこういう嘘は言わない・・・まさか・・・そんな
『炒飯さんは「アヤノ」って名前で今後は呼びますけど、彼女の話では聖域に無理矢理に失敗作の悪魔武器を使わされて、死亡したそうです・・・』
「そう・・・ですか」
『すいません。忙しいときにこんな情報を・・・』
「いえ。大丈夫です・・・」
プレイヤーだからそう簡単には死なないとは思ってたのに・・・
・・・出来る限り早く、私達の知り合いのプレイヤーを合流、最低でも連絡を取り合える状態にしないと、もっと増えるかもしれない
とりあえず、この情報を今居る面々にも共有して「聖域」の危険性を周知した方が良いな
『アヤノさんは今は宿屋で待機してもらっているんで、村に戻ってくるまで待ってくれますよ』
「分かりました」
ひとまずはこの仕事が終わるまでは問題無いか
私はレーシアさんとの通信を終えてグループ通話に戻り、この事について情報を共有する・・・と
『神聖帝国でも聖域の活動が活発化しているのは把握している』
『そうなの?タイツ』
『・・・神聖帝国は専制君主制、まぁ分かりやすく言うと君主である皇帝の力が一番強い国でな。
皇帝の一存で俺のようなエルドラド・クロニクルのプレイヤーだった異世界人を様々なポストを用意して積極的にスカウトしている。
その過程で国内のプレイヤーの動きにも敏感でな、対異世界人の戦力には俺たち異世界人をぶつけるのが最も適している・・・と言うのが、皇帝の判断だ。
俺以外にも何人かの特務騎士はプレイヤーで、神聖帝国を駆け回って聖域の活動について調査を進めているんだが、遭遇して戦闘をしても悪魔武器を使って逃げられたり、周囲の被害を抑えるために見逃さざる得なかったりと後手に回っている』
神聖帝国はプレイヤーを戦力にして対抗してるのか・・・
『自由種族連合やと聖域とかプレイヤーはあんまり来とらへんな。
そもそも地理的に海を挟んだ大陸やし、南大陸は砂漠とかジャングルとかで未開地も多いから、居ったとしても把握できへんのが現実やなぁ』
ジャコウさんの場合は国の取り纏めに追われて情報収集ができる状態じゃない・・・か
『首長国はどうだろうなぁ。俺が見た感じだとプレイヤーらしいのは見てねぇが・・・いや、獣王のオッサンの頼みで悪魔武器っぽいのはちょいちょいぶっ壊してたな。
どれも大した強さじゃねーから、俺一人でどーにか出来るけどよぉ。
だが国が広すぎんだよな。獣王のオッサンと知り合いのプレイヤーも俺一人だから、誰かと協力して調査できる人員いねーわ』
サイモンさんの所は・・・そもそもプレイヤーの絶対数が居ないから、情報集め出来てないのか
『あーしらはどうだっけ?』
『しらね。うちら冒険者だからねぇ』
『でもあちこち冒険者ギルドをウロウロしてたら偶にその悪魔武器っぽい情報流れてるよ。だいたいオーガとかゴブリンとか「人型モンスター」っぽいのが持ってるんだって』
アリアージュ達のトリオはそもそも冒険者だから、あまり情報を持ってないのか
『連中も「実験」って言ってたし、人型モンスターをモルモット代わりにしてたんでしょうね。
活発化したってのは多分「量産型」が完成したから、レベルキャップ解放の糸口程度は掴み始めてるわよ、連中』
『竜王達も異世界人に対して危機感を抱いている。
鳴動竜王は私のような傭兵を雇っているが、他はどうだろうな。断絶竜王のように態度を硬化させる可能性が高い』
『エルフの里もついこの間襲撃されましたし、何とかしたいですね』
かといって手がかりが・・・いや、まだある!
「ドワーフの国」
『ドワーフの国?北大陸と北地を分断する難攻不落の地底国家か』
「聖域はエルドラド金貨の呪いでドワーフ達を操ってました。あそこに行けば、聖域と接触できるはずです」
『神聖帝国は北地への航路を持っているが・・・今は時期が悪いな』
「時期?」
『神聖帝国が知る限り、ドワーフの国へ入るには2つのルートがある。
1つは南側にある「奈落渓流」というダンジョンにある横穴から侵入するルート。
もう1つは北地南側にある僅かな不凍港から北地に上陸し、南へと下って針葉樹林からドワーフの支配する山脈地域に侵入するルートだ
だが、どちらにも危険が伴う。
南側は陸路固定な上に多数のダンジョンが軒を連ねる大魔境の大陸中央部を通る必要があり、しかも奈落渓流は世界屈指の深度と難易度を誇る超大型ダンジョンだ。
攻略するだけならプレイヤーでも出来るかもしれないが、何より長距離長期間の旅で消耗は避けられない。
北地のルートはそれより速いが、時期を見計らう必要がある。
短い温暖期と長い寒冷期を繰り返す北地は、温暖期は巨大生物である巨獣が針葉樹林を闊歩してて危険だし、寒冷期は極寒のブリザードが吹き荒れる極限地帯だ。
そんな危ない地域に準備も無く特務騎士を送ることはできない・・・ってな』
だが、私達にはそれらを無視できる「とっておき」がある
「呪いを解いて治療したドワーフを村に匿っているんです。
彼らを道案内に立てて、『猫の特急切符』を使わせれば、それらのリスクを無視できます」
『ほぉ~。やるやん・・・それ、ウチも噛ませてや』
真っ先に興味を持ったのはジャコウさん
『ウチも『猫の特急切符』は持っとるし、地底なら寒さも関係なく蟲が使えるからなぁ』
『はいはーい!うちらも行く!』
『ドワーフの国で世直しクエストってヤツ?』
『殴り込みキタコレ!』
アリアージュ達も乗り気
『っと。それなら俺も助太刀するぜ。基本暇だからな!』
サイモンさんも乗ってくれたか
『・・・悪いが、俺は一度持ち帰らせてくれ。
今の俺は警護任務で身動きが取れなくてな・・・』
スギモトさんは一度持ち帰ってから・・・か
『念のためにマーシャ、連絡用の魔法の品を渡しておく。
盗聴防止のスキルは持っているな?』
『当り前よ。後で受け取る』
『よし・・・そろそろ晩餐会も終わりか。
また連絡しよう』
『オッケー』
「はい」
晩餐会の終わりと同時に私達の通信の接続が切断
・・・さて、私も片づけに入るか
≪騎士≫
系統:戦士系派生
主武装:「片手武器」「大盾」「重装鎧」
戦士系派生の中でも「防御系スキル」に特化した守りのクラス
重装鎧の防御力を恒常的に高めるスキルやヘイトを引き付けて敵の狙いを自身に集中させるスキル、敵の攻撃を盾で受けて殴り返すカウンター系スキルなど、防御と反撃を重視しており、高い生命力と物理・魔法・状態異常への耐性が高い。
引き換えに習得できる攻撃系のスキルは少なく、カウンター技以外ではあまり高火力が出し難い、回避能力と機動力も低いという弱点もあるため、回避が推奨される防御・耐性を貫通・無効化するスキルや魔法などが弱点




