第192話
引き続きアキヒト視点です
パラパラ@炒飯ことアヤノがとりあえず敵じゃないと判断し、≪通信≫で警戒解除の連絡を入れる
「念のため、リッシュさんとペロリさんの二人に顔を確認してもらうぞ」
『分かった。入口に誘導しておくね』
一応、騙りって線も考慮してゆっくり歩きながら村に移動しつつ、リッシュさんとペロリさんにも確認を取らせるために移動時間を稼ぐ・・・が
「ってどこ行くんすか!」
「あ、そっち?」
「真っすぐって言ったよな!?なんで左の脇道に逸れるんだよ!」
「ごめん。ゴブリンが見えた気がしたから倒そうと思って」
コイツ別の意味でもとんでもねぇヤツだ!!
ちょっと目を離すと何かに気を取られてすぐ別の方向に向く。
ちなみに今の注意で4回目だ
「この辺は自警団とマイコニドが巡回してるからゴブリンなんて駆逐されてるっすよ!」
「そうなの?」
「そうだよ!」
道中の世間話で説明したよな!?
なんですぐフラフラと別の方に行くかなぁ・・・
「ムッ。狙撃手の気配・・・物陰に隠れないと」
「ウチの野伏っすよ。隠れなくて良いから!」
気配にはやたら敏感なんだよなぁ・・・。
茂みの中に飛び込もうとするアヤノの肩を掴んで引き戻し、予定よりも遅れてやっとゲイリーウッズ村に到着した。
っていうかこの調子で移動しててよくこの村まで来れたな・・・
「パラパラが来てるって?」
「あ。ペロリ。それと・・・この幼女誰?」
「リッシュさんですよ。転移前に外見変更したせいでこうなってるんです」
「あー。てっきりエリシアが若返り薬みたいな変なの作ったのかと思った」
エリシアさんどんなイメージ持たれてんだよ
「あ、アキヒト君。お疲れ様です。ウチのギルドメンバーです」
「そっすか。よかった」
「ん。パラパラ・・・じゃなくてアヤノは方向音痴。ゲームでもマップ回転させて目的地案内機能つけないとすぐ迷う」
「クエスト無しでの狩りは遅刻常習犯でしたよね・・・」
方向音痴は素なのかよ!!
「別に方向音痴じゃない。ただ地図と方角がちょっと分かりにくいだけ」
「それを一般的には方向音痴って言う」
しかも本人自覚無しかよ!!
「そうだった。それよりも伝えなきゃいけない事があって来たんだった」
「伝えなきゃいけない事?」
「王都に聖域のメンバーが潜んでる。戴冠式に新しい王様を殺して国家転覆を計画してるって」
「情報が遅ェ!?もう戴冠式終わってる!!」
「え。・・・今日って何月何日?」
日付を伝え、ついでにエリシアさん達の王都での行動とかをモロモロ伝えた結果
「・・・しまったなぁ。またやっちゃった」
「この人マジでタイトルホルダー!?抜けまくりだが!?」
「こんなんですけど、私達のギルドでは最強なんですよ。こんなんですけど」
「二回言われた!?」
「大事な事なので」
苦労してんだな・・・
「そういえば、ジャンバラと一緒に移動してたのに途中で消えたって聞いたけど」
「あぁ。それは途中で悪魔武器の気配を察知して、駆け付けて破壊してた後に戻ってきたらジャンバラがいつの間にか居なくなってて」
「つまり逸れたんですか」
「いや、ジャンバラが勝手に_」
「逸れたんですね?」
「・・・はい」
「それで?村のルートは冒険者ギルドのネットワークで広く伝えてたはずですけど、今まで顔を見せなかったのは?」
「・・・聖域の幹部を追っかけて国境を越えて・・・荒野で道に迷いました。
その後で頑張ってあっちこっち道を探して・・・頑張ってここまで戻ってきました」
「大体こんな感じ。戦闘以外はちょっとポンコツ気味」
「ボロクソ言うっすね」
「だって。今は格闘家系統で固めてるから・・・探索系の便利スキルは全部使えないし・・・」
「あー。物理戦闘力極振り過ぎて、探索とか地理把握とか全然できなくなっちゃった感じっすか」
「ゲームのダンジョンとかはマーシャとか優秀な斥候係が居たから、私も伸ばしてなかったし、道順とかも皆で集団行動してたら迷う事も無かったから・・・」
つまり、純粋な格闘家系統の戦闘用クラス全部乗せしちゃったまま転移した結果、他の便利能力がぜーんぶ使えずに格闘術で戦うしか能が無くなったと・・・ダメじゃねーか!
特化型がこっちの世界に来るとこういう弊害が出るのか
「とりあえず、村で大人しくしてて。西側の森はエリシアの実験場だし、北側の森も異界化してるから迷い込んだら探すのが面倒」
「・・・わかった。それと、皆が聖域と戦ってるって話も聞いてるからそれについて私が調べたことも共有する」
そういえば、ジャンバラさんが最初に来た時もこの人が聖域と戦ってるって話だったな
「ふと思ったんすけどアヤノさんはなんで聖域と戦ってるんすか?俺らは悪魔武器とかが嗾けられたから戦ってるんすけど・・・」
俺がそう問いかけると、アヤノの目つきが変わり
「・・・復讐だね。アイツらは、こっちの世界で再会したウチのメンバーを殺したから」
・・・マジ?
「・・・誰が死んだの?」
「氷術師の「くりーむ&コーン」。こっちじゃクリームって名乗ってた。・・・再会したのは偶然だったけど、アイツらは・・・私が強いからって理由で・・・クリームに失敗作の悪魔武器を無理矢理使わせて・・・!」
「・・・どうなったんすか」
「・・・私がクリームを止めて、その悪魔武器も破壊した。
・・・けど、クリームは・・・その時にはもう・・・」
「・・・辛い事聞いて悪かったっす」
彼女の涙と震える拳を見て、直接的な表現は無かったが察した。
「クリームの遺体次第だけど、村には高位の蘇生魔法が使える僧侶もエリシアの蘇生薬もある。もしかしたら蘇らせられるかも」
リッシュさんの言葉にアヤノは首を横に振った
「・・・ダメだったの。クリームを止めた後、すぐに手持ちの蘇生薬を使ったけど・・・生き返らなかった」
「・・・そう」
「クリームさん・・・」
連中、人でなしとは思ってたが・・・!
≪発剄≫
種別:攻撃スキル/格闘家専用
制限:Lv5以上
属性:物理
射程距離:接触
格闘家のスキルの1つ。手で触れた相手に気を流し込み物理的ダメージを与えるスキル
コンボ数がほどに発動時にダメージ量が上がる効果があり、多くのヒットコンボ数を稼いだ後にフィニッシュ技として使用すると大ダメージが期待できる。
また、このスキルは対象の鎧系防具の防御力を無視してダメージを与えることができる




