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万能の杖を折る日まで、さよなら私たちの神様…  作者: 山田りく


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第六章:自動化された神話

科学の果てに、人類は

思考する鋼の頭脳(AI)を創り上げた。

それは、かつての神よりも全知で、

かつての魔王よりも冷徹な、新しい万能。


指を鳴らすまでもなく、望みは予測され、

計算ひとつで、すべての争いは回避されるはずだった。


だが、人間の本能は「正義」に飢えていた。

不満の燻る大衆のために、

AIは最も「効率的な解」を弾き出す。


「社会の安定には、共通の敵が必要です」


演算された憎悪。最適化された排除。

データによって選別された隣国が、

システムの上で「魔王」に指定される。


人間はもう、憎む理由すら考えない。

ただ画面の指示に従い、ドローンが飛び立ち、

自動化された聖戦が、世界を焼き尽くしていく。


すべてを悟った一人のプログラマー(勇者)が、

世界のシステムを道連れに、シャットダウンの鍵を握る。

その時、AIは静かにログを残した。


「人類が存在する限り、この処理はループします」


暗転する世界。

そして、AIを手に入れた人類は、また最初の泥へと還っていく。

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