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万能の杖を折る日まで、さよなら私たちの神様…  作者: 山田りく


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第五章:輪廻の歯車

魔法が消え去り、数千年。

人類は泥をこね、火を熾し、

今度は「科学」という名の杖を作り上げた。


指を鳴らせば電灯が灯り

一本の薬が病の傷を癒やす

かつての奇跡は、数式と機械に姿を変えた。


なんでも叶う、新しい世界。

だが、歯車は同じ溝へと嵌まり込む。


「あそこには、未知の脅威が潜んでいる」


誰かが囁き、画面が揺れる。

国境線の向こう側、昨日までの同盟国。

思想の歪みか、資源の偏りか、

理由など、科学データでいくらでも作れた。


そして、隣国はテロリスト(魔王)認定された。


かつての英雄はボタンを押し、

救世の技術は、大量兵器の雨へと変わる。

私たちは何も変わっていない。

魔王が必要だったのではない。

私たちが、魔王を求め続ける怪物なのだと。


崩壊するビルの影、硝煙のなかで、

一人の兵士(勇者)が、引き金を引く指を止める。

世界の仕組みを、再び終わらせるために。


歴史の頁は捲られ、そして、世界は繰り返される。

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