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万能の杖を折る日まで、さよなら私たちの神様…  作者: 山田りく


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第四章:終焉の理(ことわり)

かりそめの悪を演じるだけで

この愚かな連鎖は 止まらない。

ならば 勇者が下す最後の審判は

劇場の幕を 根こそぎ引き裂くこと。


天を仰ぎ、魔王となった彼は

世界を縛る「万能の術式」へ手を伸ばす。


指を鳴らせば火が灯る、その奇跡を。

呪文ひとつで傷が癒える、その恩寵を。

人間を傲慢に変えた、すべての魔法を。


「消え去るがいい、歪んだ器よ」


世界中から 輝きが剥ぎ取られていく。

空を飛ぶ船は墜ち、不夜城の灯は消え、

人々はただの「無力な存在」へと突き落とされる。


魔王も、勇者も、魔法も、ここにはもういない。


残されたのは、ただ泥にまみれ、

自らの足で歩くしかない 荒野と人間。

仕組みを失った 世界の果てで、

私たちは初めて、本当の「人間」になった。

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