ガールズトーク
「さて、ガールズトークしよっか。フクスも家に居ないし」
朱音が机に肘をつき、楽しそうに笑う。
「まず神代くんはどう?」
「うーん……」
澪は少し考えてから、淡々と答える。
「普段はプライド高いので、普通に接してます。けど夜に魅了すると素直になるので、そのギャップは……好きですね」
「へぇ」
朱音がにやりとする。
「黒崎は?」
「心読んだ感じだと、完全に惚れてますね。依存もしてます」
さらっと言って、続ける。
「あとこの前、間違えたふりして私の服着てました」
「……は?」
朱音が一瞬止まる。
「おもしろ」
間を置いて、笑う。
「はい、これプレゼント」
ぽん、と差し出す。
「えっと……」
澪が受け取って、中を見る。
「……首輪」
一瞬の沈黙。
「“私のものだよ”って言って付けたら、迅くん喜びそう」
「神代くんにも付けたら?」
「まさか」
そう言いながら、自然にバッグへしまう。
「説得力ないんだよなぁ」
朱音が呆れたように笑う。
「いや、引いてるけどさ」
朝霧が軽く肩をすくめる。
「白崎さんが一番エグいことしてるからね」
「そう?」
朱音は気にした様子もなく笑う。
「まぁまぁ、それより黒崎の面白い話あるでしょ」
「ありますよ」
あっさり肯定する。
「寝たふりしてたら、急に“好き”って言い出して、胸に顔擦り付けてきました」
「っ、ぶふっ……!」
朱音が吹き出す。
「バレてんのにそれやるの、恥ずかしすぎでしょ……!」
「無自覚なのがいいんですよ」
さらっと返す。
「雨宮さんは?」
「最近、魅了の制御できるようになったんですけど」
澪は少しだけ間を置く。
「抱きしめると、“魅了された”と勘違いして甘えてきます」
沈黙。
次の瞬間。
「——ちょっと待って」
朱音が耐えきれずに笑う。
「それズルくない?」
「ネタバラシした時の反応、良かったですよ」
「見たいわそれ……」
朱音が笑いながら息を整える。
「で?白崎さんは?」
視線が向く。
「んー」
朱音は軽く伸びをしてから、さらっと言う。
「日曜に徹底的にいじめるんだけどさ」
二人が一瞬固まる。
「その日、妙に嬉しそうなんだよね」
くすっと笑う。
「嫌がるフリ、分かりやすすぎ」
沈黙。
「……やっぱ一番エグいのそっちじゃん」
朝霧が即ツッコむ。
「さて」
朱音が立ち上がる。
「日も暮れたし、帰りますか」
「そうですね」
朝霧と澪が、妙に手際よく身支度を始める。
それを見て、朱音が目を細める。
「……お前らさ」
「帰ったら即それ使うだろ」
間。
「当たり前じゃん」
「まさか」
即答と否定が重なる。
「……はいはい」
朱音は小さく息をついて、笑う。




