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捏造探偵~ドン・キホーテの大罪~その探偵は真実を葬り偽りの罪を作り出す【完結】  作者: 高山路麒


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4-8 最後の謎解きメール

 マンションの外に出た俺は一人思案する。


 ドン・キホーテは次の犯行を予告していた。あいつの犯行を止めるためにももうこれ以上調査している時間はないだろう。出来てもせいぜい星鳥市内だけだ。


 だがすでに手に入れた情報を再度検証する事は出来る。今まで手にした情報の中でまだ詳しく調べていない情報はなかったか?


(そうだ、あの時権田原さんは……)


 俺はワッフル店で権田原さんが古豊千さんの事件で何かを言おうとしていた事を思い出した。事件の真相と関係があるかどうかはわからないがさっそく電話をかけてみよう。


『おう、どうした息子君。和彦君とは会えたか?』


 しばらくコール音が鳴り彼は応答してくれた。今度も無事話をする事が出来てよかったよ。


「ええ、お陰様で興味深い話が聞けました」

『そうかそうか、それは何よりだ』

「それよりも古豊千さんの件で何か話そうとしてましたよね。あれは何を話そうとしてたんですか?」

『ん? ああ、大した事じゃないけど気になってな。あの事件は金メダルが凶器となったわけだがついでに寄木細工のメダルのほうも調べたんだよ。そしたら変な結果が出てな』

「変な結果、ですか?」

『そうだ、実はあの寄木細工から血液反応が出たんだがそれが珍しい血液型でな――』


 そして俺は次に聞かされた言葉に思考が停止する。


 何故ならそれは穂久佐村連続幼女殺人事件の真相を、そして俺たちが今まで考えていた何もかもを大きくひっくり返してしまうとんでもない情報だったのだから。


 バク、バク、バク。


 だとしたらあの証言も大きく意味が変わってくる。もしかしたら……!


『おーい、どうしたー?』

「権田原さん。すぐに調べてほしい事があります」

『何をだ』

「穂久佐村連続幼女殺人事件で姉歯美鳥の足が見つかる前に星鳥大学病院で何か盗まれたものがないか調べてください。もし当時の関係者がないと言っても強引に聞いてください。彼らもきっと隠しているはずなので」

『それは構わないが……その口ぶりだとその盗まれた何かは察しがついているんだよな。それはなんだ?』

「はい、それは――」


 そして俺は盗まれたと思しき物を告げると彼はかなり驚いていたけどすぐに取り掛かってくれた。


 これで後は結果を待つだけだ。その間俺に出来る事は何もない。その時が来るのをただ待つだけだ。


 けれど俺は強く願っていた。このどうしようもなくくだらない真実が間違いである事を。


 ブブブブブ。


「?」


 しかし権田原さんとの電話を切って数十秒後、例の如くタイミングよくスマホが鳴った。まさか権田原さんに頼んだ結果がもう出たわけではないだろうけど。


 早速画面を見てみるとそれは謎の人物からの謎解きメールだった。けどもう真実は明らかになった様なものだし今更届いてもなあ。


「っ」


 ……だが偶然もこれだけ続くと確信に変わる。その何者かは最初からずっと監視していたのだろう。


 そしてそこに書かれていた内容は普段とは異なるものだった。そのメールにはこの様な文言が記されていたのだ。


『オラ~、ようやく全てのヒントを集めたみたいだねぇ

 さて、これが最後の謎解きだ

 これに正解すれば君に堤兵馬のノートを渡そう

 ただし間違えればそれを手にする資格は永久に失われる

 じゃいくよ~?』


(そうか、とうとう父さんのノートが)


 ようやく探し求めていた最後のピースが手に入る。俺は覚悟を決めて画面をスクロールした。


『ラストクエスチョン!

 穂久佐村連続幼女殺人事件の真犯人は誰でしょう?

 下のボックスの選択肢から選んでね!


(空欄)

 荻野弘

 荻野瑛子

 荻野キホ

 楊彩文

 楊春蘭

 姉歯照子

 姉歯美鳥

 国木田岳志

 古豊千泉

 今在家一嗣

 刈部吾郎

 更家貴明

 左門悟

 堤兵馬

 烏丸鏡史郎

 大覚寺明美

 乙亥正文治

 風間和彦

 三隅耕作

 敬川楓


 今回ヒントは無いよ。だけど今の君なら答えられるはずだ』


「……………」


 それは謎解きと呼べるようなものではなかったが俺を大いに悩ませてしまった。今までと同じ様にやはりしょうもない引っかけはあるみたいだが。


 バク、バク、バク。


 俺は震える手でスマホを操作する。


 俺には答えがわかっていたが本当にその答えでいいのだろうかと不安になってしまう。ここで間違えてしまえば俺はもう二度と真相を知ることは出来なくなってしまうのだ。


 だが迷うな。自信を持って選ぶのだ。


 どれだけ不都合な真実でも全ての有り得ない可能性を除外して残ったものが真実なのだから。


 そして俺は俺の信じる回答を選択しメールを送信した――。

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