4-6 動画の矛盾と、犯人候補とのアポ
真矢は俺の前からいなくなってしまった。いつも俺を導いてくれた真矢はここにはもういない。
だがやれる事はまだあるはずだ。真矢が烏丸を調べるのなら俺はドン・キホーテ事件と不動幹事長の親族の風間和彦を調べてみよう。
俺は出てくれるかわからなかったが権田原さんに電話をかけた。可能なら他にもいろいろ聞いてみたいけどそれは流石に無理かな?
『おーう、どうした息子君』
「あ、権田原さん。突然電話をかけてすみません。今大丈夫ですか?」
『短い間ならな』
幸運な事に電話が通じ俺は彼と会話をする事が出来た。当然彼も今は二つの大事件で忙しいはずなのに有難い事この上ない。迷惑をかけないように手短に済ませるとしよう。
『大方ドン・キホーテ事件の事を聞きたいんだろう? ついさっき四人目の犠牲者が鰈浜の雑木林で見つかったよ』
「四人目って、左門悟の死体がですか?」
『そうだ』
電話をしてすぐに彼は頼んでもいないのに情報を教えてくれた。別に知りたいとは思っていなかったけど折角教えてくれるのなら聞かせてもらおうか。
『見つかったのは左門の頭部だけ。だが妙なんだ』
「妙、とは?」
『動画では刀の達人によってスパッと切られたが……その断面はノコギリの様なもので切られた様にギザギザだったんだ』
「え? どういう事なんです?」
しかし彼の口から聞かせてもらった遺体の状態に俺は困惑してしまう。だが遺体の状態が動画の処刑方法と違う、それが意味する事は一つしかない。
「まさか動画が偽物……!?」
『さあな。専門家は本物だって言っているし現代の技術では偽造は不可能だって言われた。一体どういう事なのかねえ。俺も知りたいよ』
俺はただただ混乱してしまった。結局あの動画は本物なのか、それとも偽物なのかどっちなんだ。
わからない。わからない事が多すぎる。だが権田原さんもこれについては何もわかっていない様子だしまずは電話をかけた本来の目的を達するとしよう。
「そうだ、権田原さんが不動幹事長の親族って聞いたんですけど本当ですか?」
『ああ、そうだが。おかげである事ない事書かれてプチっと炎上している。それがどうしたのか?』
どうやらネットの情報は真実だったらしい。信憑性は怪しかったがたまには参考にしてみるものだな。
「風間和彦と会いたいのですが……上手い事出来ますかね?」
『うーん、和彦君か。俺も時々話をするがただでさえ引きこもりがちな彼は今取材に怯えて家から一歩も出ていないからなあ。だがほかならぬ息子君の頼みだ、やってみるよ。話がついたらこちらから連絡する』
「本当ですか? ありがとうございます!」
そしてあっさり話はまとまり権田原さんは俺に協力してくれる事を約束してくれた。やっぱり世の中コネがあれば何とかいくものなんだな。
しかし穂久佐村連続幼女殺人事件の真犯人候補の風間和彦か……まだ会えるかどうかはわからないがかなり不安だな。出会っていきなり包丁で刺されるとかそういう展開にならないといいんだけど。




