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捏造探偵~ドン・キホーテの大罪~その探偵は真実を葬り偽りの罪を作り出す【完結】  作者: 高山路麒


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3-11 二人の疑惑の人物、刈部と左門

 容体が急変したティアラちゃんは心配だけど、当初の目的である三隅先生から話は聞けたので早速次の行動に移そう。


 というわけでホテルに戻った俺たちはコンビニで買ったプラ容器に入りのコーヒーを片手に恒例の作戦会議を始めた。


「それで次はどうする? やっぱり証拠を捏造した左門って鑑識を探すか?」


 俺は三隅先生から聞いた情報を元にそう提案する。というか他に手掛かりらしい手がかりもないし、ならばこの街にいるという彼を調べるのが唯一にして最良の選択だろう。


「冤罪に大きく関わっている左門という男はこの事件の核心に迫る何かを知っているはずだ。本当に捏造をしたのか、そしてもしそうなら一体どういう理由でそうするに至ったのか知りたいからな」

「そうだね。もしかしたら誰かの指示でそうしたのかもしれないし……もしそうならこの事件の真相は大きく違う形に変化するからね。ドン・キホーテ事件で自分が殺されないかかなり警戒しているみたいだから足取りを追うのは一苦労しそうだけど人探しは元々探偵の得意分野だしそこは時間をかければ問題ないだろう」


 その提案に真矢はもちろん同意する。だが彼女は少し考える仕草をしたのち続けてこう提案した。


「それじゃあ待っている間プロデューサーの刈部も調べてみようか。彼は姉歯美鳥の切断された足を見つけた重要参考人だ。こっちも一筋縄ではいかないだろうけど面白い話が聞けるかもよ。一応ネットで軽く調べてみたけど面白い事がわかったね。ほらこれ」

「どれどれ」


 そう言って真矢はノートパソコンで週刊誌の記事を見せてくれた。そこには彼が起こした様々な不祥事が雑多に記されていたのだ。


「昼間のアレでわかったと思うけど彼はやらせの常習犯だった。だから元々は報道にいてあの事件のスクープで出世したけどしばらくしてから日頃から行なっていたやらせが問題視されてその結果異動させられたそうだよ。まあ週刊誌の言う事だから鵜呑みには出来ないけど実際平気でやらせをする人間なのは間違いないだろうね」

「だろうな。演出とやらせは線引きが難しいけどあれは完全にアウトだったよ」


 俺は昼間の無茶苦茶な暴挙を思い出していた。もしあんなのが明るみになればコンプラにうるさい昨今では確実に炎上してしまうだろう。ただでさえ二十四時間やってるテレビには厳しい目が向けられているのに。


「というわけで僕は並行して二人を調べてみようと思う。君はまだ探偵としての技術がないから左門は調べなくていいけどね」

「ああ、真矢がそうしたいならそれで構わない」


 個人的には鑑識の左門のほうが優先度が高そうだがやらせ疑惑のあるプロデューサーの刈部も調べてみる価値はあるだろう。俺もその意見に同意し今後の方針は定まった。


「じゃあ今日は寝ようか。寝る前に何かして遊ぶ? 枕投げとか」

「修学旅行じゃねぇんだから。普通にドン・キホーテ事件でも調べようぜ」

「ふむ、なら早速テレビをつけてみよう」


 真矢はそう言ってリモコンを操作してニュース番組を映すとちょうどドン・キホーテ事件について報道されていた。番組では首相とのやり取りが映し出されており当然の様にやり玉に挙がっていた様だ。


『世間では穂久佐村連続幼女殺人事件はやはり冤罪だったのではないかという声がありますが総理の意見をお聞かせ願えますか!』

『……………』


 総理は背中を見せていつもの様に無言で立ち去る。だけどこういうのってこうなるってわかっていてマスコミもそうするんだよな。


「野党はしばらくこれを攻撃材料にするだろうね。特に真犯人候補の一人は不動幹事長の親族で忖度があったんじゃないかって疑われているし。マスコミもそれを前提に報道しているよ」

「けど正直あまり見ても意味はなさそうだな。いろいろ調べた俺達からすればしょうもない事しか言ってないし」

「だね。僕はもう少し起きてるけどどうする?」

「いや、俺は寝とくよ」

「そう、おやすみ」

「うぃー」


 時間の無駄だと判断した俺はテレビの電源を切った。ここはさっさと寝て明日のためにエネルギーを蓄えたほうが良さそうだな。

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