懐かしい村と桜色の予兆
試験を無事終えて私達はドワーフの村へと到着した。
「今回は前回宿泊したコテージと同じところを使う。
ちなみに、私もここに宿泊する 」
グリナさんことグリナ・マカフィー教授がそう言いながら案内をしてくれる
「前に来た時より、綺麗ね 」ジェシアが笑いながらロッカーから掃除道具を出してきてくれた
「じゃあ私はシーツ洗ってきますね 」
私がそういうとアリシアが、
「では、私はティアが洗ったシーツを干す係ね 」
私は、すまし顔を決めて
「あら、リシア 私も今回はシーツを干すことくらいできるようになったわ」 そう言うと
「そういえば、そうだったわよね~!」
「ね~!」
とふたりで笑いあった
最近私とアリシア、ジェシアはお互いを愛称で呼ぶようになった。
「私のことを先輩って呼ばなくていいの!
すごく距離を感じるから、いっそのこと愛称でよんで~!!」
と、おねだりしてきた。
私とアリシアは、最初びっくりしたがとても嬉しく感じた。
前世では、女の子の友人がいなかった私…
今のこの世界ではこんなに素敵な友人に出逢えた・・・
そんなことを考えていると、心が温かくなった。
「そうだ、そんなに汚れていないから残りの掃除は私とルーカスでするから
ティアたちは、買い出しに行って来てよ 」
「え・・でもいいのかな… ジェシー 」
アリシアがそう言うと
「いいって、ステファンもいつも家に閉じこもってばかりだし
気分転換に、行っておいで 」
そういってジェシアとルーカスは笑顔で見送ってくれた。
ドワーフの村の商店街は今回も賑わっている。
「なんだか、前世の学校の前にあった商店街思い出さない? 」
小声でこっそりとアリシアが話しかけてきた。
私もこっそりと返事した
「そうだよね、私もそう思っていた! 懐かしいね
私…商店街のあれが好きだったの! 森牛さんの・・・」
「コロッケ!!」
二人で声を合わせて言いながら見つめあって笑った。
まさか異世界転生してこんな笑い話ができるとは、
1年前の私には思いもしなかったことだ。
「ほら、二人とも早く! おいで」
ユリアスとステファンが笑いながら手招きをする。
この間と同じ場所で四人で笑顔でいられるなんて
あとはどうか・・・ステファンとハク達が元に戻りますように
と願わずには、いられなかった。
私達が、まず最初に向かったのはロリアさんのお店だった。
お店の前にまで行くと彼女はすぐに私とアリシアに気がついてくれた。
「あら!ルナティアちゃんにアリシアちゃん! どうしたの二人とも 」
「ロリアさん、こんにちは。この村に用事があってしばらく滞在します
滞在中よろしくお願いします 」
「まあ、うれしいわ あ!そうそうアリシアちゃんお父様ご紹介いただいてありがとう 兄も凄くよろこんでいたわ 」
「いえ、こちらこそ。父も素敵なご縁ができたと喜んでおります。
ありがとうございます」
とアリシアの挨拶が終わると前回は、外で待っていたユリアスとステファンがおにぎり以来和食文化にすっかり魅了されたのか
今回は興味津々でお店へと入ってきた。
「あら、今回は素敵なお連れさんもご一緒なのね・・」
そういってロリアさんがステファンの顔を見た途端、顔色が変わった・・・
「いや・・ちがうわ‥あの子なら・・・もっと大きいはず・・」
と小声でつぶやいた
私とアリシアは、ロリアさんの近くにいたので聞き逃さなかった
「ロリアさん・・大きいって・・」
私がそう聞くと
「いやだぁ、わたしったらブルーの髪の方が大きくって素敵ってつい言っちゃった…」とロリアさんはごまかした。
「そうなんですね、ロリアさんったら 」
私はここはロリアさんのごまかしに乗った。
帰ってからグリナさんに相談しようと思ったのだ。
アリシアも、私の考えに気がついたようで笑顔で頷き買い物を続けた。
買い物を終えるとロッジへと急いだ。
その頃、薬草学作業所の奥にある扉の隙間からピンクの光が淡く漏れていた。
けれど、そのことに気づいた者は誰一人いなかった。




