幕間 悪しき同盟と取り残されたヒロイン
チャウナ公国 シンリーの離宮
ガッシャーン !ガッシャーン!
「ああああああ!もう!!あと…あと少しだったのに~! 」
シンリーは怒りに任せて部屋中のありとあらゆるものに怒りをぶつけていた。
ローズはそんなシンリーにおびえジュリアンの後ろに隠れている。
ジュリアンは、うなだれているように見えた。
だが、伏せた瞳には、悪意の光が宿っていた。
「もう少しで、ステファンが私のものに…
魔王復活がかなうところであったのに…
それを…おぬしらが…すべてぶち壊したのだ」
シンリーは手元の大きな花瓶を床に、ぶつけた。
割れた花瓶のかけらが、
ジュリアンの頬を傷つけ赤い血が頬を伝って床に落ちた。
「ジュ…ジュリアン 大丈夫…わたし怖い… 」
そう言いながら、ローズはジュリアンの背中に縋りついた。
ジュリアンは、無言でローズを払いのけ立ち上がる。
「ジュリアン!待っておいていかないで」
追いすがるローズにジュリアンは一瞥もしなかった。
コツコツコツ
荒れ果てた部屋に、ジュリアンの足音が響く
ジュリアンは、シンリーを抱き寄せた。
「おぬし何をする!」
シンリーが振り上げた腕をジュリアンがつかみ
シンリーの手の甲にキスをした。
「シンリー様…もういっそのこと私に賭けてみませんか」
シンリーの耳元で囁いた。
シンリーはピクリと体をこわばらせた後
ジュリアンの瞳を見つめた
ジュリアンの瞳に野望の光を見つけた彼女は
ふぅーっとジュリアンに息を吹きかけた。
微動だにしないジュリアンに
「ジュリアン・・おぬし全て、私のものになると申すか 」
シンリーがニヤリと微笑む
「もとより、そのつもりでございます 私の女王陛下」
ジュリアンはシンリーの手を取り、その甲に静かに頬を寄せた。
「面白い、私とそなたであの国…いや帝国ごとものにしてしまおうぞ 」
「おおせのままに…」
シンリーとジュリアンは見つめ合って不気味に笑っている。
「え?どうしてここは、私がヒロインのゲーム『5人の龍と青龍の御子』だったんじゃないの?
どうしてこんなことに・・・?私は逆ハーレムにしたかっただけなのに・・・」
そう言いながらローズは、呆然として座り込んでいた。




