彗星の夜
それから私達はしばらく穏やかな学園生活を送った
以前は朝や放課後は図書館で過ごしていたが、
授業が終わるとすぐ家に帰りみんなで勉強やお茶を飲んで過ごしていた。
エドガーお兄様から
「森の湖には、行くな!!」ときつーいお達しがあった
満月の夜には会いに行くとリュウには約束をしたのに・・・
私はアリィとレスに頼んでリュウへのお詫びの手紙とクッキーを満月の夜に渡してほしいとお願いした。
アリィ達は彼に会えたらしく
「気にしないで 」と言付けをもらってきていた。
ある日の夜、課題の問題がわからず家の図書室に本を探しに行こうと部屋をでた
プルっと体が震えた
少し寒くなってきたから赤いチェックのブランケットをかけて図書室へと向かった。
「あ!これこれ 」
探していた本はすぐに見つかった部屋に帰ろうとしたら別棟の天文室の灯りが灯っている。
あそこにいくのは私かフェドリックお兄様しかいない
お兄様が帰ってきているのかも、そう思って私は天文室へと向かった。
天文室の階段を少しずつ上った先にいたのは、お兄様ではなくてユリアスだった。
「ユリアス!どうしてここへ? 」
「ああ、フェドリック様に許可を得てここに入らせてもらっているんだ
凄いよね・・この望遠鏡 個人で保持するのにも最大級のものだと思うよ
天文台クラスだよ・・凄いよフェドリック様 」
ユリアスは、少年のように瞳をキラキラさせながら望遠鏡の操作をする
手を止めると私を見つめて言った
「ね、ルナ・・・この望遠鏡の先の星を、一緒に見ないか」
「いいのかな・・・星や月が好きで・・見ていたら気持ちが落ち着くの」
ぴくっとユリアスの手が一瞬止まった
「そうだよね・・ルナ・・君ならそう言うと思った」
なんだか切なそうな表情でユリアスが笑う
それから二人で星を見ていた
「不思議ですよね・・・どこでいても空を見上げるとそこに星があるもの」
「でも、みんな形や色もちがうじゃない 見る場所によってみれる星も違う」
ユリアスが望遠鏡を覗きながらそう答える。
「う~ん・・・確かにそうかもしれないけど・・
見る場所によって、星が違うように見えていても、
それは見ているほうが違っていて本当は同じ星なんですよ。
どういったら言いかわからないけど・・
そう・・ユリアスが、たとえどこにいてもユリアスはユリアスには変わりないのと同じなの! 」
ユリアスが、のぞいていた望遠鏡から顔を離して私の顔をあっけにとらわれたような顔をして
そのあとクシャッとした笑顔で
「だから・・ルナ・俺は・そんな君のことが大好きなんだ・・」
「ユリアス・・・」
その時、空をに目を向けると、夜空に淡い尾を引く彗星が輝いていた。
「ユリアス見た・・」
「ああ、見たよ もう少ししたら流星群も見られるかもしれないね 」
「その時もあなたと一緒に見たい」
「ああ、約束だ」
そういってユリアスは私を抱きしめた
◇◇◇◇◇◇グリナ・マカフィー 自室
「はー、今日は星がきれいだな ユリアスが天文室の鍵を貸してくれというのも無理はない」
窓の外の星を見ながらグリナは紅茶を一口コクリと飲んだ
ん?誰か庭を走るものがいる・・・
赤いチェックのブランケット・・ルナティアか・・天文室の方に向かっている
後ろには聖獣も一応ついているようだな・・・
ふーん、あいつらも二人の邪魔はする気はないようだな・・・
・・・フェドリック許せ、私は監視役には向いてないようだ
何しろ野暮なことは嫌いでな・・くすっと笑ってもう一口紅茶を飲んだ




