勅命
エメラルド宮の応接室の扉が開き部屋に入ると国王が庭を眺めていた。
庭ではなく何か違うものを見つめているようだな・・・
エドガーがそう思いながら深々と礼をしながら国王が自分たちに気づき声をかけるのを待っていた
「ああ、エドガー、フェドリック わざわざすまないな」
「いえ、妹の入学式もございましたので…」
うわぁ兄上 この人また王様の呼び出しをルナティアの用事のついでみたいに言っちゃうよ
フェドリックが本当に、まったくこの人は…と呆れ顔でエドガーの顔をちらりとみるがエドガーは表情一つかえていなかった。
国王は部屋にいるものをすべて部屋からさげさせた
「さて、これでここにいるのはこの3人だけだ」
一瞬の沈黙のあとコホンと国王は咳払いをし
「フェドリック・ライズ 君には本日からユングラン国立アカデミーの教授になってもらいたい」
「え? 教授? アカデミーの? 本日からと言われても・・・ 」
とフェドリックは戸惑うと
「既に魔塔主とライズ公爵には許可をもらっている。君には学生の魔法力・魔力の向上方法を彼等に教えてあげてほしい それと密命で、この資料にある学生たちのことを調べてほしい」
「その密命というのが本題で魔力向上云々は表向きということですね」
「ん・・・・まあ そういうことだ」
「それにしてもこの資料すごく分厚いですね」
ペラペラと分厚い資料にフェドリックは目を通した
「この資料は私も拝見してもよろしいでしょうか」とエドガーが尋ねると
「ああ、もちろんだ 君にも同じものを用意している。君にも内容を確認して協力してほしい」
国王は同じ資料をエドガーに渡しながら
「それとエドガー・ライズ君にはもう一つ大切な依頼がある。」
資料を受け取りながらエドガーは姿勢を正した
「エドガー・ライズ 君には第一王女エクシス・ローリア・ユングランの婚約者になってほしい」
「王女殿下の婚約者ですか」表情一つ変えないエドガーの隣に座るフェドリックのほうが驚いた顔をしている
「ああ、そうだ 既にライズ公爵にはこのことについても承諾をもらっている」
「父も既に承諾をしているとのことですね」
少しだけ間を置いた後、
エドガーはソファから立ち上がり 国王の前に跪ずき深々と頭をさげ
「陛下、エクシス王女殿下との婚約
私、エドガー・ライズ 謹んでお受けいたします」と急な婚約の話をさらりと受け入れた
「エドガー 何も聞かず引き受けてくれるのか」
「はっ!何も聞かずとも今回の勅命理解しているつもりです」
「勅命か・・・・ さすがだなエドガー 任せたぞ」
え? 兄上何も聞かず二つ返事でそんな大事なこと引き受けるの?
とフェドリックは驚きを隠せなかった
国王との話が済み二人は馬車でライズ公爵家の王都の邸へ帰るため公爵家の馬車に乗り込んだ。
馬車の中でも二人は無言でいた
しかし、フェドリックは自分のことより兄の婚約の件が気になって仕方ない
婚約する理由はわかってるから何も言わなくても引き受けるよ~みたいな
それより、もし王女が女王になったら王配になるわけでしょ・・
じゃあ公爵家はどうするんだ??
でも父上も承諾済とか・・・
3人はわかってるのかもしれないけど
僕は何が何だかわからないよ・・・
とフェドリックは混乱していた。
馬車が邸宅に到着するとともに意を決してフェドリックが口を開いた。
「兄上、先程のことですが・・本当に良いのですか 王女の婚約者なんて」
「ああ、問題ない それよりもお前のほうが大変だろう 密命とはいえ実際に入学式後には学生に授業をしなければならないのだぞ 人のこと気にしている場合なのか」
「・・・・・! そうだったぁぁぁ!」
そう叫びながらフェドリックは慌てて馬車を飛び降り邸宅の自室へと走っていった
「やれやれ・・・・ さて、おれも人のことは言っていられないな 色々準備しなければな」
エドガーはゆっくり馬車から降り邸宅へとはいっていく




