金色のハリネズミとまだ知らない秘密
スープを運んで、2階のアリシアの部屋の前まで来てノックをしようとした時
「アリシア・・・がんばったね・・思い切り泣いていいよ
あとで、ステファンのところにいこうね。 」
フェドリックお兄様の声と、子供の様に泣いているアリシアの声が聞こえた。
一瞬、このまま扉を開けて部屋に入りアリシアを抱きしめたいという感情が溢れた。
でも・・・アリシアは普段から私にも自分の弱っている姿を見せたくない女の子だ。
少し寂しい気もちにならないというのは嘘になる。
でも、持っていたトレイを握りしめてもう一度1階のキッチンへと降りていった。
少しだけ冷めたスープを温めなおしていると家の扉を、ノックする音がした。
え?誰この家の入り方と場所は私とフェドリックお兄様、アリシアの三人しかいないはず・・・
私は警戒しながらそばにあったフライパンを握りしめながら扉の前まで恐る恐る近づいた。
「どちら様でしょう?」
「ルナティア!俺だ!エドガーだ! 」
「エドガーお兄様! 」
私は慌てて扉を開けた。
エドガーお兄様は不機嫌そうな顔で
「フライパンでお出迎えとは・・・
それぐらいの警戒心を常にもっていてほしかったな・・ユリアスにも・・ 」
ええ?ユリアス?そこでなんでユリアスの名前が出るの?
「それにお前・・・俺の気配も感じられなくなったのか?
見てみろアリィとレスは知らん顔しているだろうが!」
確かに後ろを見るとアリィとレスがソファでくつろいでる
「失礼しました… まさかお兄様がこの家を知っているとは思わなくて・・」
思わずへたな言い訳をしてしまうと
エドガーお兄様は、私に顔を近づけて人差し指でこつんとおでこをはじいた。
「本当にお前は・・・ああいえばこういう・・
アリシアは目が覚めたとフェドリックから連絡をもらって飛んできた」
「そうなんです、先にフェドリックお兄様呼んでまいりますから
お兄様は、ソファにかけて待っていてください
アリィ、お茶を・・・ 」
既に、アリィが侍女に変わってお茶の用意をしていた 」
「相変わらず有能だな、お前の聖獣たちは・・ 」
「ええ、そうな・・・お兄様この子たちのこと・・聖獣って・・ 」
「今更・・お前がこいつに追いかけられていた時から知っていた 」
秘密にしていると思っていたのは自分だけだったことに恥ずかしくなって顔が熱くなる。
トン・・・トン・・・と階段をゆっくり降りてくる音がした
アリシアが、フェドリックお兄様に支えてもらいながらゆっくりと階段を降りてきた。
「アリシア、起きて大丈夫なの? 」
「大丈夫・・・ルナティア・・心配かけてごめんね 」
優しく微笑みを浮かべるアリシアをみて泣きそうになった。
「アリシア・・お兄様達も椅子に座ってすぐ朝食の用意をするから」
「ルナティア!我らのもあるか?」
と琥珀とエカルラート・・・そして・・ん?
「お兄様!この金色の可愛いハリネズミは?」
「ああ、俺の龍 黄龍のロイオールだ」
エドガーお兄様がそう答えると
「ハクが可愛いものになれというのでなエドに可愛いものとは、なんじゃと問うたら
ハリネズミが可愛いというからハリネズミの姿をしておるのじゃ」
「ふーん・・エドガーお兄様ハリネズミ好きだったのね。
でも本当に可愛い・・・」
ふと横にいるエドガーお兄様を見たら耳が赤くなってる!!
え??そんなにハリネズミ好きだったんだ・・知らなかった
なぜか横で、フェドリックお兄様が大笑いしているし・・へんなの・・
アリィがスープを器に入れてアリシアへ給仕した。
「おいし・・・」
ジャガイモのポタージュスープを、口につけたアリシアの安堵した表情に
私は、初めて心をなでおろした。
「ところで、ステファンと黒龍は? 」
エドガーお兄様がフェドリックお兄様に尋ねると
「ああ、あれから三日・・まだふたり・・?一人とひと龍?はぐっすり眠っているよ」
アリシアのスプーンを持つ手が止まった。
「私、三日も眠っていたんですか!!」
「そうだよ、食事がおわったらステファンも目が覚めているかもしれないから
様子を見に行こう アリシア 君は、一番彼の顔を見たいだろうし・・・
ただ・・ちょっとだけ・・・驚くかも・・・」
「え?」アリシアが不安げな表情を浮かべた
「ああ!アリシア・・大丈夫・・すこしだけ 変わったかな?・・みたいな
だから心配しないでいいよ」
そういって、食事を終えるとステファンの部屋へとむかった




