この願いが、あなたに届くなら
いつもお読みいただきありがとうございます
第1部 月明かりに紡ぐ、はじまりの願い 最終話です
第2部もよろしくお願いします
「ルナ!!みんな!!渦が止まった!! 」
ユリアス先輩が叫んだ
龍たちの攻撃で黒い渦がとまり段々とどす黒い色が薄くなっていく
「よし!次は俺たちの番だ!! 」
ルーカス先輩達も剣に魔力を流し込みながら構えている
私が握りしめている龍魔の弓にルナティアが魔力を込めてくれている
私もマナに流れる魔力を感じながら弓に魔力を流し込む
…・!!
弓に込められる魔力がすべて流れ込んだような感覚を感じた。
ルナティアも感じたようで顔を上げてにっこり笑った
その時
「ルナ!もう弓矢を作れ!!」
ユリアスが、ルナティアに声をかけ、駆け寄り見つめながら体を支えた
「うん 」
ユリアスに支えながらルナティアは、両手のひらを何かを受け取るように広げた。
すう…と深呼吸をして目をつむった
手のひらに金色の粉を舞い散らせながら光が溢れてきた
光がどんどん手のひらに集まる
三本の弓矢が現れた。
ルナティアの膝が崩れそうになったが、ユリアス先輩が支えている
「ほら、ルナ・・ポーション飲んで 」
「う…ん ユリアスありがとう 」
そう言いながらポーションをごくごく飲んだ。
「アリシア・・これ・・ 」
とルナティアは私に三本の矢を渡してくれた
「ありがとう・・ルナティア 」
「早く・・ステファンの元に行ってあげて
私も回復したらすぐ行くから・・ 」
私は黙ってステファンの元に駆け付けた
ルーカス先輩もクリスもチャールズも既に鎖に攻撃を仕掛けていた。
黒龍はそんな彼等を跳ね飛ばす
「お前ら!少し離れろ! 」
そう叫びながらエドガー様も剣を雷を空から呼び落としながら鎖に攻め込む
「ぎゃああああ 」と黒龍もステファンも苦しみながら叫ぶ。
黒龍が業火を口から吐く
フェドリック様がみんなの前に出た。
みんなを守るように強力な結界の盾が現れた。
ステファンの身体が変化を始めた
「ステファンの手が… 」ジェシア先輩がさけんだ
ステファンの手が魔物のように変わっていく…
龍たちは黒龍と戦い黒龍は業火を相変わらず火を吹いている
しかし、鎖の中央の核は姿を現し始めている。
ここからでは、弓矢は届きそうもない
「どうにか近づかないと・・弓矢が届かない・・ 」
そうつぶやくと
チャールズが私の腕をつかんだ
「一緒に行こう!アリシア 僕、【龍知の盾】を父上に託され持ってきている 」
チャールズは、今回のことをユーリア公爵に相談し【龍知の盾】を託され持っていたのだ
「どんな効果があるか 実はわからないけど・・僕たちを守ってくれるはずだ。
僕たちのご先祖様を信じよう 」
「ありがとう チャールズ 」
私達は結界を出て鎖の核に近づくように走った
黒龍の業火は容赦なく降り注ぐ
チャールズが【龍知の盾】で守ってくれる炎ははじき飛んでいく。
「ここで、大丈夫 」
弓を構えて集中する弓幹を握り構えた瞬間。
私に手に光るが放たれ巻き付いた光はシューティンググローブに姿を変えた。
弓矢を合わせ弦を引く
バシュ!!
鎖の核に命中した!!
パシッ!と音がしたが、まだだ
黒龍とステファンが苦しみ出した
ステファン…ごめん・・でも…必要なことなの・・許して
涙が流れる
二本目の矢を放った
バシュ!!
今回も命中したがまだ崩れない
どうして?? どうして崩れないの…
あと一本これをもし外したら・・
命中しても崩れなかったら…
そんなことが頭を巡る。
「アリシア!!自分を信じろ! 」
頭上からハクの叫ぶ声がした
「そうだ!アリシアなら大丈夫よ 」
「アリシア!がんばれ! 」
ジェシア先輩、みんなが応援してくれる声がした
「みんな…・ 」
そうだ!大丈夫 一人じゃない みんなが守ってくれる
「アリシア 君なら大丈夫 だっていつも頑張ってる
僕もみんな知っているよ いつも見ている 」
チャールズが隣で、盾を持ち守りながら励ましてくれる
涙を、腕でグイっと拭いて弓幹を握り魔力を加える
もう一度集中し弦を引く指に力と想いを込める
これで最後・・お願い!ステファン…戻ってきて・・
弦が指から離れた瞬間…体になにかのしかかり体の一部がやけどをしたように熱くなった。
弓矢は核に命中して凄まじい光を放った
パシーンと大きな音が響いた
ズズーンと黒龍が崩れ落ちて神殿の建物全体が大きく震えた
砂埃で前が見えない
砂埃が収まったころのしかかったのが何者かわかった
ステファンだった。
彼の手はまだ魔物のままで体は黒く瞳は赤く光っている
何か流れるものを感じた
血だ…彼の魔物の手が私の背中に突き刺さっている
ステファンの瞳が私を見つめている
「ぐ…が… 」何か言いたそうにしている
そして、彼の赤い瞳から涙がこぼれ落ちた。
ああ・・ステファンもうこれ以上一人で苦しまないで・・
私はステファンを抱きしめた
「アリシア~ 」
ルナティアの声が響いてる
涙声だ・・もう泣き虫ねルナティア
すると、あたたかい光に包まれた金色の粉が雨のように私達二人に降り注いでくる
「見て・・ステファン・・綺麗ね 」
「アリシア・・アリシア・・お願い・・俺の傍にいて 」
ステファンの声が聞こえて私は意識を手放した。




