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小さな公爵令嬢はミリしらな異世界で平穏に暮らしたい  作者: 瑠璃
第1部 月明かりに紡ぐ、はじまりの願い

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龍魔の弓

ゴゴゴゴゴと大きな音を立てながら黒い渦が縦に長く大きくなっていく。

渦の中から 黒龍と人影が見えてきた。

すると同時にこのホールの入り口の大きな扉が雷のような音がドォーンとなり

バチバチっと真っ二つに割れて崩れた

「遅くなってすまん!ティアお前静かに来いって言った割にえらいことになってるんじゃないか」

「エドガーお兄様!!」

エドガーお兄様が金色に光る龍とハクを連れて入ってきた。

「静かに来いっていうから遅くなったのに、こんな事なら一気に飛び込めばよかったな!

 エド!」

「あの金の龍は、黄龍かしら・・・お兄様ったらすっかりエドって呼ばれて」

「流石です!エドガー様!」とジェシア先輩がうっとりしている。

ジェシア先輩がキラキラした瞳でエドガーお兄様をみてるファンなのかしら?

「そんなことより、ロイオール!エカルラート!あの渦を止めろ!

 あ・・・龍魔の弓が・・・あれば・・・」

ハクが悔しそうにしている。

「龍魔の弓?」

「グランティス公爵家の家宝なの・・でも何者かに盗まれて・・・」

すると天井近くのガラス窓が割れ大きなグリフォンになった琥珀が飛び込んできた

「アリシア~!!あったよ見つけた!やっぱりここに隠されていたよ」

嬉しそうに琥珀はアリシアに弓を渡した

「琥珀・・この弓は一体?」 

アリシアは弓を手にしたまま、不思議そうに琥珀を見つめた。

「龍魔の弓・・君の家の家宝 我がずっと守っていたのじゃが魔力と弓を奪われ追いかけた先で閉じ込められていたのじゃ」

琥珀も、アリシアを見つめそうこたえた


「よし、では行くぞ 我らは渦を消し去る。

おぬしらは現れた黒龍とステファンの鎖の核をおぬしらの魔力を剣に込めて崩すんじゃ・・

ただ・・・これまでより・・手ごわいぞ・・・」


「ハク・・弓は・・・」

アリシアが、不安な顔でハクに尋ねるとハクは優しい口調で答えた

「アリシア・・・おぬし・・引けるじゃろ・・

 主将にもなっていたではないか・・ 

 自信をもて・・・

おぬししかステファンの心は救えん 

ルナティアおぬしの魔力をその弓に込めろ そして浄化の矢を作り出すんじゃ」

「ハク・・・どうして・・・・」

アリシアは、弓を握りながらハクを見つめた

ハクは何も言わずにうなずいた。

「浄化の矢なんてどうやって・・・」

私が心細げに呟くと

「自分を信じて・・願うのだ・・・」

ハクが私をみつめて言った。


そうする間にも渦は大きくなり黒龍とステファンが現れた

その姿は真っ黒に染まり瞳だけが不気味な薄黒い赤色に光った・・・

その姿をみて、みんなが覚悟するかのように大きく深呼吸をした


「アリシア いくよ」

「うん!」

私はアリシアが握る龍魔の弓にそっと手をかざした。

すぅ・・っ息をすいながら目を閉じる。

マナに流れる魔力を感じながら少しずつ弓に魔力を流し込む

アリシアの愛する人を取り戻すために・・・。


その瞬間、龍たちが一斉に飛び出した

黒い渦を取り囲むように、渦の回転とは逆の方向へ旋回する。

金色、白色、紅色の光が凄まじい勢いで放たれ黒い渦を覆っていく・

ドォーン! ドォーン! ドォーン!

激しい衝撃に建物全体が震えた。

それを邪魔するように黒い鎖を付けたままで暴れる黒龍

ステファンは、ふらふらと歩いてはいるが瓦礫をバキバキと真っ黒な手で岩を割っていく

渦が大きく大きくなり自我を持ったかのように大きくなっていく


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