黄龍の約束
雷龍神の剣に導かれるように亜空間の穴に凄まじい勢いで吸い込まれていった。
風の抵抗が半端なく凄い・・・
雷龍神の剣が亜空間の中に道を切り開くかの様に凄まじい雷を放ち続けている
体全体に魔力が勢いよく駆け巡る 剣を持つ手はもう体の一部の様になり持っているという感覚が薄れてきている。
ハクは、俺に併走するかの様にぴったりつきながら声をかける
「エドガー、もう少しじゃ・・」
「はい」
エカルラートにしがみつきながらフェドリックがついてきている
そして、瑠璃色の光がほのかに見えてきた
ドンドンと速度が加速して瑠璃色の光が放たれたように俺たちを覆った。
ドスンと落ちた先には透明な結界に覆われた海の中だった・・
しかし、そこは海底とは思えない場所だった
白い大理石の床が広がり、神殿のような空間の中央には大きな台座がある。
そして、その台座には黒い鎖に囚われた金色の龍が、横たわっていた。
ガチャンという鎖を引きずる音を立てながら黄龍は、ゆっくりと起き上がった
「おお、白龍・・赤龍・・・お前たち久しぶりだな・・・」
「久しぶりじゃな 黄龍よ 待たせたな・・・・」
「ふふん、これぐらい待ったうちに入らんて・・・
それよりも!エドワード・・お前のことをずっとまってここにいるんじゃぞ」
黄龍が、俺に声をかけ巻き付いた鎖を引きずりながら近寄ろうとすると鎖が黄龍の体を締め付ける
「ぐわあああああああ」と悲鳴のような声を黄龍は上げた後、自分の体に爪をたて苦しみに耐えていた。
「黄龍! 話は後じゃまずはその鎖を斬ってからじゃ
エドガー 台座にその剣を差し込むのじゃ! 急げ」
「はい!」ハクに指示を受け台座に駆け上がった
「は・・ふうう・・・エドワード・・・わしが正気を保っておる間に早くその台座に・・・」
黄龍は、息も絶え絶えながらも自分の体に爪を立て体から緑色の血が流れていた。
台座に雷龍神の剣を差し込むと雷光の柱が立ち海の水が割れ空へと昇って行った。
「ぐわあああああああ」と黄龍は先ほどよりも大きな雄たけびをあげ、
黄龍が倒れこむと、凄まじい地響きが起こった。俺は思わず黄龍の体にしがみついた。
体を立ち上がろうとするけれど、足に力が入らない・・
こんな事は初めてだ・・・
「兄上!!」
跪いたままの俺にフェドリックが声をかける
「ああ・・フェドリック大丈夫だ」
「フェドリック!エドガーに回復魔法をかけてやれ 思いっきりだ」
ハクにそう言われる前に、フェドリックは、エドガーに駆け寄り
無詠唱で最大限の回復魔法を俺にかけた
「フェドリック、ありがとう」
「エドガー、すぐにお前の魔力を黄龍へ送ってあげてくれ」
とエカルラートが叫ぶ
俺は、ゆっくり深呼吸した。
体の中をめぐる魔力の流れを感じながらマナへと意識を集中させ、魔力をため込んでいく
「焦るな・・・焦らなくてもいい・・エドワード・・」
黄龍は、意識が朦朧としながらも俺の事を【エドワード】と呼びながら優しく声をかける
全身に雷が走ったような感覚がした。
次の瞬間、無意識に黄龍に魔力を流し込んだ
「ロイオール!!それがお前の名だ!!!」
ロイオールと名前が無意識に口から発せられると、黄龍と俺の体に雷が走り金色の光が放たれた。
◇◇◇◇◇◇
放たれた金色の光は金色の粉となり、海だけではなくライズ公爵家の領地全体に降り注いだ
農民・商人・騎士・貴族階級等関係なくすべての領民へと降り注ぐ
「父上!見てください 金色の光が雨のように降っております」
ライズ公爵家でも、三男のジュリアスが興奮しながらライズ公爵に話しかけている
「ああ、そうだな・・・」
エドガー・・やり遂げたのだな・・
とライズ公爵は窓の外の降り注ぐ金色の光を見つめながら目頭を押さえた。
◇◇◇◇◇
「ロイオール・・そなたはまたこの名を我に与えるのだな・・・
それで、今世の名はなんという」
「エドガー・ライズ」
「エドガーか良い名じゃ 契約者!今世も楽しもうぞ」
「聞きたいことがある・・・ロイオールの話を聞いていると俺はエドワード・ライズの・・・
生まれ変わりか?」
「知らなんだか??」とロイオールは不思議そうな顔をする
「黄・・ああロイオールか・・・おぬしこ奴たち人間が、螺旋をわかるはずないだろう」
「え?じゃあエカルラート・・俺もそうなの?」とフェドリックがエカルラートに尋ねる
「あ・・まあなまたその話はおいおいゆっくりとな・・」
と少し困った顔をしながらエカルラートが答えた
「ふーん、おいおいね・・おいおいとね」
フェドリックは少し不満気だ
「ところで、おぬしはやっぱりエドワードを今までここで待っていてこのようなことになったのか」
「そうだ!!あ奴は魔王討伐後ここに剣を返しに来るというからずっと待って居ったら黒龍の闇の鎖に巻き付かれここにつながれておったのだ」
「エドワード・・・というのは初代ライズ公爵のエドワード・ライズことか?」
「ああ、あいつ公爵なんかになったのか・・ワシと出会ったときは冒険者でな・・」
「その話をしだすと長くなろう・・・今はやめておけ」
「エドワードは、討伐後・・・帰国後しばらくして亡くなったそうです
その剣を抱いて亡くなったそうです」
俺は、雷龍神の剣に目をむけてロイオールに告げた
俺とフェドリックがロイオールの前に跪き
「黄龍様、お待たせいたしまして大変申し訳ございません
エドワード・ライズに成り代わりましてお詫び申し上げます」
と深々と礼をした。
「謝る必要はない・・・エドワードが死んだ事はわかっておった・・・契約がきれたからの・・
ただ、我は待ちたかっただけなのじゃ・・
エドワードが、おい!ロイ!と言って剣を振りながら笑いながらここに来るような気がしてな・・・」
思わず・・誰も何も言えなかった・・
「しかし、こうしてエドガーが来てくれた・・それとそなたは・・」
「フェドリックです」
「フェドリックか・・・そなたも来てくれてありがとう・・・
エドワードの魂を持ったものとまた同じ名で契約できたのだからな・・・
まあ、エドワードものんきものじゃ」とロイオールは笑う
「それにしても・・今回はすんなりと鎖がきれたのですね」とフェドリックがハクに尋ねた
「・・・それだけ黒龍が・・・あ奴が弱っているという事じゃ・・
急がねばな・・」
「では一度帰還して仕切り直しだな・・・とにかく・・疲れた・・おい、フェドリック!すんなりでもなかったぞ」ちらりと俺は、フェドリックをにらみつけた
流石の俺も疲労困憊だ・・・
「ああ、帰るまでにロイオール小さい生き物に変化しなくてはならぬ・・可愛いやつを考えておけ」
「可愛いやつ??」ハクにそう言われロイオールは何のことかわからない様子だった。
こうして俺たちはロイオールを連れてライズ公爵家へ戻ることになった




