雷龍神の剣
ライズ公爵家 宝物庫
「いつ入っても壮観ですね 父上」
大きな扉を開けると数えきれないほどの宝石やアクセサリー・魔石がそして年代物の鎧や剣が保管されていた
「まあ、ライズ家は創世記からある家門だからな・・・保管が大変だ」
「ふむ・・・確かに懐かしいものもあるな」とトカゲの体のハクがひょいと大きな斧を持ち上げる
「懐かしいですか?その斧かなり年代物ですよね」
「フェドリック気になるか?これはエドワードが、つこうておったわ」
「エドワードったら初代のご先祖様・・・?」
「ほら、フェドリック行くぞ」とエドガーにせかされながら奥の大扉に向かう
領主のみ持つ権利のある大鍵を差し込みスチュワートは鍵に魔力を注いだ
ギギギ・・・音を立てながらと大扉が勝手に開いていく
宝物の中は扉の向こうの宝物が並ぶ部屋とは違い真っ白な大理石に囲まれた白一色の部屋の真ん中に
10段ほどの階段がありその上の大きな台座に古びた大きな剣が刺さっていた
「あの古びた剣が雷龍神の剣ですか」
「ああ・・ エドガーそなたの剣じゃとってまいれ」とハクが促す
広く白い階段の中央をゆっくりと一歩ずつ階段をエドガーは登った
静かな部屋にエドガーの足音がコツコツと響く
足音がとまるとエドガーはすぅと大きく深呼吸した空を仰ぎ自分の魔力の流れを感じながら体の中央のマナにに注いでいく・・・
もう一度大きく深呼吸をする スチュワートもフェドリックも固唾をのむ
「はああああああああ!」と叫びエドガーが剣を握り自分の魔力を思いっきり注いだ
古びた剣が金色に光出しバチバチと音が鳴り始めたドーンという音と共に大きな雷がライズ邸を貫き剣に落ちた
「わおおおお!」とエドガーは剣が出す暴風に負けぬよう立ちこらえていた。
「エドガー!!」とフェドリックが階段を駆け上がろうとすると
「まだだ!」とエカルラートがフェドリックを止めた
いつも間にかハクもエカルラートも龍の姿になっていた
「スチュワートおぬしは残れ そろそろ亜空間が開く この部屋を出て扉を閉めろ」
「はい・・エドガー!フェドリック必ず無事で帰るんだぞ」
「父上お任せください」フェドリックも剣が放つ暴風に耐えながら答えた
スチュワートが扉を暴風に耐えながらも何とか閉めると同時くらいに剣の周りに大きな穴が開いた
「エドガー剣を離すでないぞ!」とハクがエドガーに叫ぶ
「フェドリック、我につかまれ」フェドリックはエカルラートの鬣につかまった
穴にエドガーが吸い込まれ後を追うようにハク達も飛び込んだ
穴はゆっくりゆっくりと閉じていき最後にはすべて閉じてしまった
風音が止むのとまた扉がギギギと音を立てて開いた
スチュワートが部屋に入ってくると部屋には瓦礫が散乱していて上を見ると屋根がぽっかりと開き夜空に星が光り下弦の月が赤く輝いていた
エドガー・・・フェドリック頼んだぞ・・無事に帰ってこい
スチュワートは祈るように赤い月に祈った
◇◇◇◇
その頃、ルナティアはいつものように森の湖でアリィ達と星を見ていた
「今日のお月さまは赤いね」と言いながら広げた大きな赤いチェック柄のブランケットの上でホットミル クを飲んでいた
「くしゅん」と一つくしゃみをするとふわりと落ち着いたキャメルのおおきなブランケットにくるまれた
「少し寒くなってきたからもう少しあたたかくしないと風邪をひくよ」と後ろから聞きなれた低い優しい声が聞こえた
「ユリアス・・ありがとう ユリアスも散歩」
「ああ、少し寝付かれ・・・いや・・ごめん嘘・・
ティアに会えるかもと思ってきてしまった」とユリアスはルナティアの隣に腰かけた
「あ・・・私もユリアスに会えるかな?って思ってた・・・よ」
「ユリアス様もホットミルク飲まれますか?」
と侍女スタイルのアリィが訪ねた
ふ・・私達もいますよってアピールか・・アリィ じゃあ俺もと侍従のスタイルにレスがなった
ふたりがホットミルクを飲みながら授業の話やチャールズがこんなおかしな話をしてた等たわいない話をしていると急に月が陰り真っ暗になった
「え??」と思わずユリアスはルナティアを抱きしめルナティアもユリアスにしがみついた
「ルナティア!」「ユリアス」とアリィとレスが名前を呼ぶが返事がない
風がすぅと吹きまた赤い下弦の月が姿をだして淡い光が漏れたときには、二人の姿が消えていた




