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小さな公爵令嬢はミリしらな異世界で平穏に暮らしたい  作者: 瑠璃
第1部 月明かりに紡ぐ、はじまりの願い

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放課後の出来事

 私の体が成長してから数日たち他の学生からの視線にも随分と慣れてきた。

 アリシアとチャールズはすごく驚いていたけれどアリシアに至っては号泣して喜んでくれた

 チャールズはというと

「ああ、でも中身はあのルナティアだからね 何も変わらないよ まあ・・・時々ドキッとするけどね」

 と屈託なく笑う


廊下で会ったクリスは、最初はわからなかったみたい。

でも、ルーカスはすぐに私だとわかって「ほら、思った通りだ 俺はちゃんとわかっていた」

と言ってニコニコ笑う


 フェドリックお兄様は相変わらず忙しそうだけど、

「変な虫が来ないようにみておけ」とアリィとレスに言うもんだから常に二人がべったりくっついている

 そしてユリアスはというと・・・会っても簡単に挨拶をしたらすぐにささっといなくなり

 食堂で話しかけても課題があった・・とか言ってすぐ席をたってしまう・・

 体が大きくなって妹みたいじゃないから・・・もうかまわなくてもいいと思われて避けられているのかな

 と、テラスでお茶を飲んでいたらジェシア先輩がやってきた。


「ルナティア!綺麗になったね 見違えちゃった」と話しかけてきた

「先輩良かったらご一緒にいかがですか」とお茶をすすめた

「ありがとう、でもせっかく綺麗になったのに随分浮かない顔をしてるのね」

「あ・・・実は・・ユリアスに避けられているみたいで・・・

 体が大きくなって、もう妹みたいには思えなくなったから・・・

 だから以前のようにかまってくれなくなったのかな。

 それとも、私、なにか気に障る事をして嫌われたかもしれない・・・」


 思っていただけならまだ大丈夫だったけど言葉にすると悲しくなって涙が出てきた


◇◇◇◇

「え? ルナティア大丈夫よ ユリアスに限ってそんなこと思うわけないじゃない

 だって誰が見ても・・・・」


 ああ、これ以上は言ってはいけないけど・・あー!!もうっ!本当にユリアスあいつ・・・

 ルナティア泣かせるなんて許せない 本当にどうしようもないわね・・・


「ルナティア大丈夫 きっと少し戸惑っているだけなんだから・・すぐにいつものユリアスに戻るわ」

「そうでしょうか・・・」とルナティアは大きな瞳に涙をためて、私を見つめた。


 ああ・・これは誰でも落ちるわ・・ユリアスのばか ちゃんとしないと誰かにもっていかれるわよ。


 ジェシアはルナティアをアカデミーの門まで見送ると、一目散にユリアスを探しに向かった。

教室、食堂、図書館と探し回ったけど・・いない・・

すれ違う同級生にもユリアスの居場所を聞きまわってようやく鍛錬場でユリアスを見つけた


「ああー!!いたー!馬鹿ユリアス!」


 ユリアスは丁度鍛錬場で剣の鍛錬を終えて、身支度を整えていたところだった


「ええ?なに?ジェシア? 俺なんかした?」

「なーにとぼけた事言ってるのよ あんた自分でわかってないの?」

 とジェシアはユリアスが持っていたタオルを奪い取るとバシバシと彼の腕をたたいた。


「ちょ・・と・・まてよ・・・何? 全然わからない」

「ほんっと・・・に馬鹿 ルナティアちゃん泣いてたわよ 

 体が大きくなってユリアスに嫌われたかもって・・

 さけられているってね!

 不器用もほどほどにしないと知らない男に取られるわよ」

「え・・・ティアが泣いてたって・・・」

「そうよあの大きな瞳に涙をためてあんたに嫌われたかもってね!」

「ち・・ちがう誤解だ・・・それで・・ティアは・・」

「帰った・・・」

「ありがとう ジェシア」そう言ってユリアスは全力で走ってルナティアを追いかけた

「本当に・・世話焼けるんだから・・」とジェシアがあきれていると鍛錬場にいた学生達が

 あのユリアスが・・ユリアス先輩が・・と口にしているのをきいて

「あなた達わかっていると思うけど他言無用よ! ちゃんとあなた達の顔覚えているんだから!」

 とジェシアが釘をさした


 ◇◇◇◇


 ユリアスは、枯れ葉が舞う夕暮れの道をルナティアの住む森へ向かって思いきり走った。

 森の入り口で背の高くなった彼女の後ろ姿を見つけた。

「ティア・・・  ティアー」と大声で叫ぶと舞い散る枯れ葉の向こう側でルナティアがふりむいた

「ユリアス・・」

 はあ・・・は・・と息が荒くなる

「どうしたんですか・・・大丈夫ですかユリアス」と心配そうな瞳で俺を見つめてくる。

 姿が変わってから初めて、彼女の瞳をまっすぐに見つめた。

彼女の瞳はまだ涙で潤んでいて・・頬に涙の跡を見つけた瞬間

胸が締め付けられるように苦しくなった。

ああ・・もう、自分の気持ちに言い訳なんてできない。

もう、認めるしかないんだ。ティア・・・君のこと・・・


思わず「ごめん・・・」と彼女を抱きしめてしまった。


 ◇◇◇◇  


突然の彼の抱擁に驚いたけれど・・私はまた泣きそうになった・・

 ユリアス・・・

 ああ・・ジェシア先輩かぁ・・・先輩ったら・・ありがとう・・

 私はジェシアに感謝しながら抱きしめるユリアスの背中に手を回してぎゅっとつかみながら



「私のこと・・・避けてたでしょ・・・」

「ごめん」

「嫌われたかと思った・・・」

「ごめん」

「また、図書館でお話ししてくれる?」

「うん」

「勉強も教えてくれる?」

「うん・・ルナティアのおにぎりも食べたい・・・」

「わかった あした作るから食べてね」

「うん」

 そう言いながらユリアスは私の髪をなでた

 ああ・・この香りだ・・シダーウッドの香り・・ユリアスの香り。

 すごく安心する・・・。

 私は、そっとユリアスの胸に頬を寄せた

 夕暮れに二人の影が伸びていく


 ◇◇◇◇

「ふーっやれやれね、レス・・このことはフェドリックとエドガーには内緒だわ」

「当たり前だろ・・・俺たちは監視役じゃあないんだから ルナティアが一番大切なだけだ」

「そうね・・そう思うわ」アリィとレスは遠くから二人を見守っていた

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