最高の一日
いつもお読みいただきありがとうございます
今回はフェドリック視点のお話しです
鳥のさえずりと雨音で目覚めた 昨日はエカルラートのいびきで中々寝られなかった
それと夜遅くティアが出かけて行ったのも気になっていた
本当は後をつけようかと思ったがアリィに
「私たちがついています 過保護過ぎですって今日もルナティアに言われていたじゃないですか」
「そろそろ、嫌われるぞ・・・」とレスにまで言われてしまい彼らに任せることにした
帰ってきている物音もしていたからそのあとは心配していなかったが、何しろエカルラートのいびきが・・・
よしこんなことに使うのはなんだが今夜からあいつに防音結界張ることにしよう
「おい、フェド 朝食食べないと遅れるぞ」と、当の本人(本龍)はこの調子だ
階段をトントンと降りていくと朝食のいい匂いがしてきた
この匂いはティアがドワーフの村で見つけてきたミソスープと干乾しと卵焼きそしておにぎりか
実は初めて食べた時から気に入っている ミソスープで寝不足も、なんとかなりそうだ
「おはよう、ティ…ア・・・? え?え? 誰?ティア??」
「おはよう。お兄様 ティアよ」
と目の前にすらりと背も手も足もすらりと伸びた綺麗な女の子が食事の用意をしている
「ちょ・・・ちょっとま・・て どういうこと」
と俺はその場でへたり込んでしまった
「お兄様大丈夫?」
と女の子が俺に駆け寄ってくる・う・・胸も丸みを帯びて大きく…いやいやダメだろう・・
とにかくすべてが女性らしくいきなり成長している
女の子も座り込んで俺に目線を合わせる
キラキラとした大きな薄紫の瞳 ルナティアだ・・ルナティアで間違いない
「ティア・・・ルナティア・・・ふぅ・・待っていたんだ ずっと・・俺も・・エドガーも・・みんな・・みんな・・」
それ以上嗚咽で言葉にできない・・あふれる涙が止めようもなく・・ぎゅとルナティアを抱きしめた
「お兄様・・あのね精霊王様が月の女神様が私の時間を動かしてくれたの・・」
泣きながらルナティアの肩に顔をうずめてうなずくことしかできなかった
しばらく泣いていると
「そろそろ・・ご用意しませんと」と侍女の姿をしているアリィと侍従の姿のレスにルナティアから引き離され椅子に座らせられた
「ほら、しっかり食べんと今日は忙しくなるぞ」
とハクとエカルラートはもきゅもきゅと既に朝食を食べていた
「お兄様・・実は私 着る服がなくって・・・」と恥ずかしそうにルナティアがもじもじしている
うわぁあ確かに寝間着を着ているが短くなってあ・・足が丸見えではないか!!
これはいかんといそいでローブをだして羽織らせ、
さっさとごはんを食べて急いでアカデミーには休みの連絡をし、領地へと転移した
朝早くいきなり次男がローブを着た女性と現れて両親とジュリアスが驚くのも無理はない
「フェドリック おまえいきなりなんだ」と驚く父上と母上は一目でルナティアとわかったのか泣きながらルナティアに駆け寄り抱きしめた
ルナティアも母上の顔を見ていままで張り詰めていたものが緩み小さな子供の様に大泣きをして母上にしがみついている
その姿を見て侍女長のマリアが泣き崩れ侍女たちが泣きながら彼女を支えていた
「フェドリック・・あの女性は・・ルナティアで間違いないのか」
「そうですよ・・俺以上に母上によく似ているでしょう」
「ああ・・・そっくりだ・・」父上も涙をぬぐうことなくルナティアを見つめている
「ルナティアの時間が動き出したのか・・・それでは忙しくなるな・・
フェドリック執務室に来い ルナティアの準備ができたらエドガーも呼んでくれ」
「承知しました、父上」
父の顔が優しい父の瞳から領主としての父の瞳へと変わった・・・
ルナティアはそのあと侍女長のマリアと侍女たちに
「さあ、お嬢様 私達はこの日をずっと待っていたんです」
と身支度に連れていかれたのだが入浴にマッサージ髪の先から爪の先まで手入れされ
本当に・・・本当に気合が入りまっくているマリア達に比べて戸惑いまくるルナティアだった
そこからドレスルームに連れていかれるとありとあらゆるサイズのドレスがびっしり用意されていた
「こんな部屋があったなんて知らなかった・・」と呆然としていると
「いつこんな時が来てもいいように用意していたけどちゃんと後でガーベラも呼びましょうね
そうそう、アカデミーの制服を急いで作り直さないと」
ガーベラというのは母上のお気に入りのデザイナーだ すぐに制服のことに気づいてくれるのも母上らしい
「エドガーにも早くあなたのこの姿見せてあげたいわ」
「はい、私も早くエドガーお兄様に会いたい・・・」と言っていたらいきなり扉があいた
「エドガー!!あなたここはドレスルームですよ しかもノックもせずに入ってくるなんて」
「ルナティア・・・」と一言言ったきり
エドガーはルナティアを抱きしめたまま声を殺して泣き続けていた
泣き止んでもずっとルナティアを離さないものだから
「エドガーお兄様・・ 私・・急に大きくなったので体中が痛くて痛くてこれ以上抱きしめられたらまた意識を失いそうです・・」とルナティアがエドガーの耳元でつぶやくとサッと手を離した
最初からこの手を使えばよかったのに・・と思いながらルナティアは誰よりもエドガーがこの日を待っていたのを知っていたから好きにさせていたんだろう
確かにルナティアの体中が痛いというのは本音だろうからと
「ほら、ティア・・ポーションだ 飲みなさい」とポーションを手渡した
「なに?ティアだと? おいフェドリックお前いつから愛称で呼ぶようになった?
ルナティア俺もティアと呼ぶぞ」
とエドガーが怒りだした
「兄上・・大人げない」とあきれ顔で言うと
俺の耳元で
「フェドリックお兄様、ユリアスに大人げない事したことは秘密にしておきますね」
とルナティアが笑いながらささやいた
ああ、本当に今日は最高の一日だ




