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小さな公爵令嬢はミリしらな異世界で平穏に暮らしたい  作者: 瑠璃
第1部 月明かりに紡ぐ、はじまりの願い

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満月の夜

 食事を終え自分の部屋に戻ったルナティアだったが、どうにも寝付けない


 そっと家を出て森の湖へと自然と足がむいた


 湖には大きな月が映っている


 月の光を浴びて長い銀髪の長身の男性が立っていた


「リュウ!」


「やあ、ルナ」


「久しぶりね」


「ん 俺は久しぶりじゃないんだけどね」


「え?」


「いや、何でもない・・・それよりほら・・気がつかない・・見えない?」


「あ・・・精霊たちが集まってきている・・・」


 月の光の中でダンスするようにくるくると踊っている

 気がつくとアリィとレスもいつの間にかその場にいた

 彼らは、何も言わず見守っていた

 アカデミーの話や食べ物の話 何気ない会話をしていてふと気づいた。

「ねえ、あなたと会うのはいつも満月の夜ね 他の日にも会えないのかしら」


「不思議だよね・・・俺 実は満月の夜の記憶しかないんだ 

 精霊王と銀龍の言う事にはもう少しだけ眠っていないといけないらしい

 だから満月の夜だけしか君に会えないんだ・・・」

 とリュウはさみしそうに微笑む


「リュウ・・・ わかった 満月の夜はあなたに会いに来るわ  約束するわ」


「ありがとう ルナ・・・」とリュウはぎゅっと彼女を抱きしめた


 あ・・・この香り・・・・ とルナティアは何かに気がついた


 でも・・・まさか・・・


「あ・・あのリュウ・・」


「ねえ? ルナ気がついている?」


「え?何を?」


「君大きくなっているよ」


「え? 」この前の夜の様に体が年相応に背が高く手足が伸びて胸も丸みを帯びていた


「でも、一瞬なの・・・」前回の時も月が陰ってしまうと元に戻った


 ぬか喜びしたくない・・・


 そう思っていると綺麗な女性の声が聞こえた


「ルナ・・・可愛い娘・・・」


 さあああ・・・と風が吹き月の光の中に美しい女性があらわれた


 先程までキャッキャッと騒いでいた精霊たちが静かになり アリィとレスが伏している


 彼女は私とリュウの手を取り


「時をめぐり、二人の魂がもう一度重なりあうにはまだ少し時間がかかりそう


 目覚めるにはもう少し・・・ただ・・ルナあなたの時間を少しだけ動かしましょうね」


 そういって微笑みかけると風に乗りどこからか桜の花びらが舞い散り私の体をくるくると纏うと私の体にすぅと入っていく


 この前フェドリックお兄様が赤龍と契約したときと似ている


「さあ・・銀龍が止めていたあなたの体の時間が動き出したわ


 あなたも、もうなにも悲観することはない まっすぐ前を向きなさい


 私の可愛い子供たち・・いつも見守っているわ」


 そういって女性の姿が消えた


「レス・・・あの人は・・・あ・・・声まで変わっている・・」


「ルナティア あの方は精霊王であり月の女神様だよ・・

でもまだそれ以上はきかないで 俺の口からは言えない」


「わかったわ・・」


「ルナ・・・ もう少しだけ・・・」そう言ってリュウはルナティアを抱きしめた


 抱きしめられてまたあの香りが・・


 もしかして・・がきっと・・・でもまだリュウ自身も気づいていない事かもしれない


 精霊王が言うようにもう少しだけまとうとルナティアは、心に決めた


「ルナ・・・じゃあ、また 満月の夜に・・」そう言ってリュウは風ともに姿を消した

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