ぜーったいありがとうなんて言わない!!
課題は、アカデミーでのテストやレポート課題の提出物や実際に作ったポーションを、マカフィー教授が事前に確認し生徒ごとに課題を用意し提出した課題の採点結果によってまた次の課題に進めるというプログラムだ。
「私が合格点を出すまでは次のポーションや薬の作成には進めないと思ってくれ。
また、やる気のないものはとっとと王都に追い返すのでそのつもりでいるように」
「マカフィー教授、薬草の採集も各々ですると書かれていますがこの作業所にある薬草は使ってはいけないのですか」
「当たり前だろう ここにある薬草・温室にある薬草等はすべてここの薬師のかたたちが苦労して採集したり栽培しているものだ
国中のあらゆる場所に届けるように毎日ポーションや薬をここで作っているんだ
お前たちの為に使っていいものではないし、どの薬草がどういった場所で手に入るのかを知る事も大切なことだ わかったか サリー嬢」
「はい、失礼しました」と質問した女生徒は顔を真っ赤にして椅子に座った
マカフィー教授のおっしゃるとおりだ
実はルナティアもさっき教授に質問をした女生徒と同じように考えていた
彼女は、正直に質問をしただけで黙っていた自分はもっとはずかしい事をしているように思えた
「ルナティア、アリシア 大丈夫よ 1年生は初めてだからみんなそういう風に思うの
そうやって少しづつ勉強以外のことも感じながら覚えていくんだからね」と小声でジェシアが励ましてくれた。
「そうだ!ジェシア・クロスフォード嬢の言うとおり、みんな失敗したり思い違いをしている事の間違いに気づく事が大事なんだ
悩んだり、迷ったりしたらまず、グループの先輩に相談し私にも聞いてくれ わかったか1年!」
とマカフィー教授が大きな声で叫んだ
え・・・ジェシア先輩 あんなに小さな声で囁いたあの声が聞こえたの・・・・
怖い 怖すぎるよマカフィー教授・・・
「うっかりしてた マカフィー教授の前ではこそこそ話も厳禁よ!
なんでも筒抜けなんだから!」とジェシアがみんなに大きな声で言うと
上級生がドッと笑った
「まあな、ところで各グループの上級生は私の所に来い 課題を渡すのでグループの下級生に渡して
課題のやり方を説明してあげてくれ」
と教授が手をクイクイとすると各グループの上級生が一人ずつ教授の元に集まった
「やっぱり先輩方皆さん大人っぽくて綺麗な人がおおいね」
そう感心するアリシアも美少女でしかも同じ年の中でも大人っぽいけどな・・・
ローズもやはりヒロインだけあって綺麗だ ふたりともここからまた一段と綺麗になるんだろうな
そういえば・・・私は本当は死んでいるはずだったんだっけ
う・・ん?どうなっていくんだろう ちゃんと成長できるようになるのだろうか
ちゃんと成長して・・・好きな人ができて・・・楽しい時間を過ごせるようになるのだろうか
普段あまり考えないようにしていたことをつい・・・考えてしまった
先輩方にしても小さい子が頑張っている・・・とか物珍しさで興味があったりするのであろうとおもっているルナティア
成長しないままの5年間はルナティアにはいろんなことを少しずつあきらめてしまうのに十分な時間だったのかもしれなかった
エドガーお兄様の婚約式の夜、少しだけ本当の自分になれたあの瞬間がずっと続いてほしかった
「ルナティア!ルナティア!」急にアリシアの声が頭に響いた
「え?ああ・・・」
「どうしたの?さっきから呼んでいるのにぼーっとして・・・
「ごめんなさい・・先輩たち綺麗だなって見とれちゃった」
「もう、そんな可愛いこと言われちゃったら困るじゃない」とジェシアがルナティアをぐりぐりする
「あ・・ところで課題ですよね」
「はい、それぞれの課題とこれが地図・・・みて、課題にはそれぞれ今回作るポーションについて材料とレシピがかいてある今回は比較的手に入りやすい材料だから早速採集に行きましょう
そのためには着替えなきゃね」
とジェシア先輩に更衣室に連れていかれた
更衣室には、それぞれロッカーに名前がはられており扉を開くとつなぎ・白衣・採集用の鞄や軍手・ゴーグルまで入っていた
「ゴーグルは調剤の時に使うものよ まずはつなぎに着替えて採集用の鞄を持って出発よ」
更衣室は女子ばかり当然話も弾みにぎやかになる
着替えていると面識のない先輩が話しかけてくる
「昨日はびっくりしたわ、あなたでしょルナティア・ライズ」
「もう早速コーレリア様のこと名前で呼んでるの?」
興味深々に昨日の話を聞いてくる
そうすると、いままでその話をきいてみたくて仕方なかったひとたちがどんどん集まってきた
「どうしてそんな風になったの?」
「やはり公爵家の娘だから?」「フェドリック様には恋人はいるの?」などと関係ないようなことまでずけずけ聞いてくる
「申し訳ございません・・あの着替えていかないと・・」といっても次々と思い思いの言葉で色々問い詰めてくる
うわあ・・まいったな・・ユリウスって本当に人気あるんだ・・
「もう!あなたちいいかげんに・・・」とジェシアが怒ろうとしたところで
「何をあなたたち言ってるの!ユリウスがこんなチビ相手にするわけないでしょう
ライズ家の娘だから気をつかっているのよ
大方、妹ぐらいの子がアカデミーにきてがんばっているって心優しいユリウス様は、気遣っているのにきまっているでしょ!!」
とローズがどなった・・・
私の周りに詰め寄っていた女の子たちはローズの言葉に納得してパラパラと自分たちの支度に戻っていった
「あり・・」ん?ありがとうってローズに言いかけた? 結構ひどい事言われたのにありがとうはない
でもあの場を救ってもらったようなこの感覚???
「あんたも、言いかげん身の程を知りなさい
いなくなられないんだったら早く領地にかえってひっそり暮らせばいいのよ 本当に目障りだわ」
とローズが追い打ちをかけた
やっぱりぜーったいありがとうなんて言わない!!と
ルナティアは思った。
普段自分自身が思っている事をローズにズケズケと言われてナイフで心を、えぐられるような感覚に陥ったルナティアだった




