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小さな公爵令嬢はミリしらな異世界で平穏に暮らしたい  作者: 瑠璃
第1部

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4/30

ユングラン国立アカデミー女子寮入寮

 ユングラン国立アカデミーはその名の通り国が運営する学園

 15歳から19歳まで4年間の学園生活の中で2年生から騎士科・魔法科・文官科・領士科クラスに分かれる

 主に貴族の子女が筆記試験・面接 領地の領士の推薦文をもとに入学が許される

 しかしごくまれに平民でも特に優秀なものは入学が許される場合もある


 ユングラン国立アカデミーエントランスは入学する生徒や保護者で賑わっていた

 賑わっているエントランスに光の柱が立つ 人々は光の柱に驚きながら見つめていた

 光の柱から現れたのはライズ領小公爵エドガー・ライズ 次期魔塔主と言われているフェドリック・ライズと小さな少女


 やめてやめて・・・すごく目立ってる お兄様達の見目麗しい容姿に加えて転移魔法ってこんなに派手なものだったの・・・


「こんなに派手な魔法なら、エントランスじゃなくて学園の裏とかにこっそり転移してもらうんだった」

 と涙目で潤んだ瞳でルナティアはフェドリックを睨んだ


「ルナティア最初が肝心 ガツンといかなきゃ」といたずらっぽくフェドリック


「お前にはこの兄二人がついていること・・お前がライズ家のものであるという事を知らしめないといけないからな」

 とエドガーまで冷静な顔をしながらそんな事をサラッと言ってる


 確かに今まで社交にも出ず他家の人との交流も公の場所にも出たこともない私だ と変に納得してしまった


 ふたりにエスコートされながらエントランスホールからロビーにある受付へと向かう

 受付を終えると女子寮の寮母であるミリアム・サムズ夫人に女子寮へと案内される 

 サムズ夫人はふっくらとした体形だが笑顔の優しい物腰が柔らかい女性だ。


「初めまして、ルナティア・ライズと申します 宜しくお願い致します」とカーテシーをする

「素敵なご挨拶ありがとうございます 私は寮母のミリアム・サムズと申します

 宜しく御願い致します」

「ライズ公爵家長男エドガー・ライズだ」「次男のフェドリック・ライズと申します」

 とお兄様達とも挨拶をし終えると

「女子寮は男子禁制の為お兄様達はここまでございます

」とサムズ夫人はお兄様達に深々と礼をした


「エドガーお兄様 フェドリックお兄様ありがとうございました。お兄様達今からタウンハウスに?」


「ああ、俺たちはライズ家のタウンハウスでしばらく滞在するつもりだ」


「明日の入学式にはふたりとも出席するからね」

 ふたりの頬にキスをしてその場で別れた。

 ふたりの背中を見送ると

「優しいお兄様方でいらしゃいますね」とニコニコしながらサムズ夫人が話しかけてくれた。


「はい自慢の兄達です」と少し恥ずかしがりながらもそうこたえた。


 一人になり女子寮へと案内される廊下であちらこちらからひそひそと私をチラチラと見ながら話しをしている声が聞こえる

 お兄様達から離れた途端 しかも私に聞こえるように大きな声で噂話をはじめた。


「え?何あの子なんであんなに小さいの?」


「迷子か? でも制服着てる」


 そんな中で「公爵家の呪われた長女・・・」

 という言葉が聞こえた 

「呪い」という言葉がズキン!と心に刺した いわれなれている言葉であっても実際に耳にすると何度聞いても傷ついてしまう


 わかっていたじゃない・・・ 

覚悟していたものそういう目で見られること

 そういう風に言われることも・・・ 

でも やっぱり実際に聞いてしまうときついかな

 と少し滅入ってしまった


 廊下を突き当りまで行くと大きな扉の前についた


「この扉の向こうが女子寮となります」

 扉が開くと女性騎士が両方に立ち、エントランス ロビー受付に女性が座っていた

 ロビーの女性はや柔らかく微笑みながら出迎えてくれた

「ライズ公爵家ルナティア・ライズ様でいらしゃいますね

 私は女子寮管理事務局のキャサリンと申します

 今後ともよろしくお願いいたします

 ルナティア・ライズ様のお部屋は3階の一番端のお部屋です。」

 部屋の鍵をサムズ夫人に鍵を渡す


「ルナティア嬢こちらです」とサムズ夫人に部屋へと案内される 

 ロビーの向こう側にホールがありいくつかのソファやテーブルに女性たちがお茶を飲みながら団らんしていた

 ホールを横切り部屋へと向かう途中私達に気がついた人達が立ち上がり挨拶する

「サムズ夫人ごきげんよう」

「皆様、ごきげんよう こちらの方は新入生のルナティア・ライズさん

 仲良くしてくださいませね」

「ルナティア・ライズと申します 宜しくお願いいたします」カーテシーをすると

 なぜかみんながポケっとした表情をしている


 え…何かおかしかった? ちゃんとお母様にしごかれた通りしたはず・・・

 礼儀作法については幼い頃から普段女神のようなお母様が鬼のようになりしごかれていた


「サムズ夫人・・・私なにかご無礼なこといたしましたか?」 こそっとサムズ夫人に聞いた


「いえいえ、本当に完璧なカーテシーでございますよ 皆様あまりに美しいカーテシーで見とれてしまったのです」

 とサムズ夫人がそう仰っるとその場にいた女生徒に囲まれた彼女たちは次から次へと笑顔で自己紹介をしながら挨拶を始めた

「なんて愛らしい方なのかしら」 「こんなに素晴らしいカーテシー見たことございません」

 とほめてくださってなんだかはずかしかった


 皆様好意的に思ってくださったのかしらと先程のもやもやが少しだけ晴れた

 ただやはりその中でもそうは思わない人間がいること

 影から悪意を持ったまなざしでルナティアを見つめる人間がいることにまだ彼女は気がついていなかった


「ライズ嬢のお部屋は3階特別室の角のお部屋でございます

 1階はエントランス・ロビー・ホール・食堂となっております

 2階は2人部屋・4人部屋 3階が1人部屋 学習室・ピアノ室が2部屋そして特別室が3部屋

 学園内では家格や身分は関係ないという規則になっていますがやはり防犯や機密事項等の関係もあり

 4大公爵家 辺境伯家の方のお部屋は3階の一人部屋となっております」

 女子寮一人部屋に通されると寝室・衣装部屋・勉強部屋・リビング お風呂に小さなキッチンまでついている

 身分は関係ないといいながらやはり特別待遇であることには変わりない

 ただ確かに在学中であっても公爵家としての社交等にこれからは出ていかないこともある。

学園から直接出向くこともあるだろうからこのぐらいは必要なのかも知れない


「こちらの特別室は今年久しぶりに3部屋とも入居することになりました

 ルナティア様と同学年にアリシア・グランティス様そして2年のエクシス・ローリア・ユングラン様

 お二人とどうか良い関係をこの機会に築いてくださいませ 」


「ユングラン様というと王女様でしょうか」


「左様でございます。ユングラン王国の第一王女 3年にはクラスト大公であるステファン・フラン・ユングラン・クラスト殿下もご在学中でございます」


「アリシア・グランティス様は東側の港町であり東方の国とも交易が盛んな領地のご令嬢でいらしゃいますね 」

 グランティス領は商業の盛んな大きな港町を中心とした領地だ

「あと4大公爵家で在学されているのは西側に位置するユーリア領のご長男3年のジュリアン・ユーリア様

 次男で今回ご入学されるチャールズ・ユーリア様そしてコーレリア辺境伯家のご長男3年のユリアス・コーレリア様 それとグランティス公爵家の養女になられたローズ・グランティス様 この方も今回入学される方です」

 グランティス公爵家の養女 そのお話しは聞いたことがなかった

「つい最近養女になられた方で、学園の入学も本当に急に決定したのですよ 」


 急に養女になってこの学園に入学するなんて余程優秀な方なのね


「教えてくださりありがとうございます。私今まで社交に出ておりませんでしたので学園で皆様に失礼のないように気をつけますね」


「はい、ぜひ皆様やご学友と良い関係を築いて素敵なアカデミーでの時間をお過ごしくださいね」


「ありがとうございます サムズ夫人」


「あ・・・ もしも何かお辛いこと等ありましたらなんでもご相談くださいませ」

 と夫人は深々と頭を下げて部屋を出た


 きっと先程の陰口が夫人にも聞こえていたのだわ・・・

 それはそうよね あんなに聞こえるように大きな声で言っていたのだもの

 でも笑顔でご挨拶してくださった方もいたじゃない

「少し休んでから荷物を出していこうっと」そう声にだしながらリビングにあるソファにポスンと座った












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