アリシアの告白
アリシアが、私の部屋に入りソファに座ってから既に30分ほど経過した
アリシアは、少しうつむき加減でそわそわした様子で何か言いたいけど言えないようだ
よし、思い切って私から・・・と
「あの」 あ・・・かぶった
「あ・・・・ルナティアから・・・」
「違うのアリシア私に話があるのでしょう
この部屋には防音結界しているから私しか聞いていない
だから、何も気にしないで話してあなたが抱えて悩んでることを・・・」
「あ・・・ありがとう・・・あのね・・・こんなこと話して気が違ったなんて思われるかもしれないのだけど・・・」
「なんでも話して、そんな風に思わないから・・・」
アリシアは、すぅ~と大きく深呼吸をすると
「実は私・・・前世の記憶があるの・・・」
????????
「この世界とは全く違う世界で生きていたの 貴族も平民もない世界でそこで私は17歳の女子学生だったの
ある日バスという乗り物を待っていたらトラックという乗り物がそこに飛び込んできて」
え??ちょっと待ってどこかで聞いたような話
「すぐに病院というけがを治す場所に運ばれたのだけど一旦は持ち直したのだけど容態が悪くなって亡くなってしまったの 」
「それで・・・・」動揺している気持ちを抑えながらアリシアの話を聞き続けた
この世界に生まれてずっと前世の記憶はなかったのだけど初めてステファン様にお会いしたときに前世の記憶がよみがえってそして・・・・あの・・・・」
わたしはゴクリと息をのんだ・・・
「この世界が小説の世界だったことを思い出したの・・・
でも、この小説っていうものが乙女ゲームとしても作り変えられて小説とゲームのお話しがすごく変わってしまったの」
へっ?
「私・・・おかしなこと言ってるよね でも本当なの 」
「アリシア・・」私は震えているアリシアの手を握った
「アリシア、全然変なこと言ってないよ 実は私も転生者なの
しかもアリシアの話と偶然かもしれないけど年齢も亡くなった様子も同じなの」
「え?・・・・」涙を浮かべていたアリシアの顔がキョトンとしている
「ねえ・・アリシアの通っていた高校ってもしかして桜川学院・・・だったりして」
「ええ!そうよ!桜川学院 ルナティアも?」
「何組だったの?私はA組の五十嵐瑠那 」
「私はF組の渡辺杏樹 」
「ごめんなさい わからないわ クラスが端から端だったから前世ではあまり交流することがなかったのね」
「私は、知っていたわ 五十嵐瑠那さん」
「そうなの?」
「ほら、瑠那さん図書委員でよく生徒会長の折原先輩に話かけられていたからみんな羨ましがっていたの」
「え・・?記憶が途切れ途切れでそのあたりの記憶が思い出せないの」
「そうだったのね 」
「私もバスを待っている時に事故にあったの」
「うん、知っている」
え?知っているって
「バス停で待っている時に、あなたがいることに気がついていたし
実は瑠那さんは ICUで私の隣のベッドだったの
私はまだ意識があったのだけど瑠那さんは意識不明状態だったから覚えていなくて当然よ」
「そうだったのね・・」
「瑠那さんたちの所に直接トラックが飛び込んできたから・・・
私とあともう一人の女の子もトラックに巻き込まれたのだけどあなたのほうが状態が悪かったの」
「あ・・・私をかばってくれた人は見た? あの人はどうなったの?」
「・・・・瑠那さんをかばってくれたのは折原先輩だったの
瑠那さんの所にトラックが飛び込んでくるのを見つけて走ってきてあなたをかばったのだけど・・・
先輩は即死だったみたい」
折原先輩・・・命を懸けてかばってくれたのに・・・
時折、記憶の靄の中から現れる男の子
生徒会長ということは思い出せていても顔や名前が思い出せない
私と話した内容も思い出せない…
呆然とする私に
「ルナティア、大丈夫・・・?
ごめんなさい まさか話がこんな風になると思わなくて・・・」
「大丈夫よ、アリシア続けてこの世界の話を詳しく教えて」
「もともとこの小説はステファン様が主役の話で聖女ローズの助けを借りて王位を取り戻すという話だったの」
「ええ? 図書委員していたけどそんな話知らない」
「ネット小説だったからもしネットで読んでなかったら知らないかも」
「わたし・・スマホも持っていなかったし図書室でもPCで読んでなかったからかも」
道理でミリしらなわけだ
「その小説を原案に乙女ゲームがつくられたのよ スマホアプリで・・
でも小説の内容とは全く違うローズがヒロインの逆ハーレムゲームになっていたの」
「うわぁ・・・それは原作者は嫌じゃないの?」
「それは、もちろんよ すごく問題になったしSNSでも論争になっていた
小説派とゲーム派なんかができてしまったり
でも実際にこの世界に転生すると小説ともゲームとも少し話が違っているの」
「どちらでもない・・・という事?」
「そう・・・・・
一番大きな違いが実は・・・ルナティアあなたが生きている事なの」
私は、絶句してしまった
「ごめんね これはあくまで小説の話だから・・
あなたが10歳の時誘拐されて殺されることが話の中で大きなキーポイントになっていたの
小説でもゲームでも・・・」
「じゃあ、私が今生きている事がこの世界の出来事を変えているという事」
「誤解しないで ルナティア あなたのことだけでないのそのほかにもいろいろなことが違っているの
もうひとつ大きく違うのはステファン様が大公ではなく実は第2王子だったの
そして彼の母であるシンリー・チャウナ様が亡くなった王妃様の後王妃になっていたの
私は話の中では小説でもゲームでも悪役令嬢で修道院行きだったのよ
それよりローズが、彼女の行動がゲームよりというかゲームより過激なのよ
ゲームの攻略対象者がどんどん彼女の思う通りにならなくて過激になっているのではないかと思うの」
「ローズも転生者の可能性があるという事?」
「わからない・・・話が変わってきたから転生者ではないけど彼女の行動が変わってきてるのかも
まだまだ、話したい事は沢山あるのだけれど今度わたしが覚えている内容を書きだしたものがあるから読んでくれる」
「うん、わかったわ 私も読みたいわ ゲーム攻略対象者が誰なのか気になるし
でもアリシア ここがどんな世界であったとしても 私達はこの世界を現実世界として生きているんだから助け合って楽しく過ごしましょうよ」
「ええ、そうねあなたの言う通りだわ・・私、ずっと不安だったの・・
あなたに話ができてうれしい」
アリシアは、ホッとした表情になったと思ったら大きな瞳から涙をポロポロと流しだした
「アリシア・・・」
「よかった・・・すごく…気持ちが軽くなった・・・
まさかルナティアも転生者だったなんて・・」
「私もだよ・・アリシア…私も同じ秘密をあなたと話せるようになるなんて・・・」
アリシアから聞いた内容は凄く衝撃だったが・・
それ以上に大きな秘密をアリシアと共有できることが嬉しかった
ふたりで抱き合って子供の様に泣き続けていた




