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小さな公爵令嬢はミリしらな異世界で平穏に暮らしたい  作者: 瑠璃
第1部

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20/30

守られるだけのお姫様ではありません

 婚約式を無事終え、二日後には両親とジュリアスは領地に帰る予定なのでそれまでタウンハウスに滞在する予定である

 部屋でいると一緒に王都に来ていたライズ公爵家騎士団長ジャックが訪ねてきた

「ルナティアお嬢様 久しぶりに稽古いたしませんか」

 確かに最近剣も振るっていないし、例の武器も自主練だけでまだ実戦訓練試していなかった

「騎士団長 ぜひ、御願いします」

 服を着替えてペンダントから先に剣を出す

 鍛錬場に行くと騎士団員とお兄様達だけでなくお父様もいらしていて汗を流していた

 フェドリックお兄様だけが涼しい顔をしてみている

「お兄様は鍛錬いたしませんの?」

「僕は武闘派ではないからね ルナティアの例の魔道具を確認したくてね」

 はは~ん・・お兄様達があの武器を、確認したいのに私が見せないからしびれを切らして騎士団長をそそのかしたのね

 若い騎士たちがざわつく 

「あの小さなお嬢様が剣を?大丈夫なのか」 

「柔軟や基礎体力作りだよ きっと」

 するとずっと騎士団にいる中堅騎士が「まあ、黙って見ておけ」と彼らの肩をポンとたたいた

「お嬢様お手合わせお願いできますか 副団長のサムスンが私の前に来て礼をした」

「こちらこそ、宜しくお願いしますわ サムソン 胸をお借りいたします」

 副団長のサムスンは力業騎士と違い相手のタイプや出方を見て剣を繰り出してくる知能派騎士である

 とてもやりにくいがとても勉強になる

「ルナティア様 剣を変えられました?」

「流石ですね わかりました? サムソン今日初めて対戦で使うの」

「光栄です なるほどそれでフェドリック様まで鍛錬場にお越しになられているのですね」

「試合開始!」団長の声が静まった鍛錬場に響いた

 剣を構えたときのピンっと張り詰めた空気に髪の毛先から足の爪先まで電流が走ったようになる

 剣や護身術はライズ家に生まれたものとして男女関係なく教え込まれる


 剣技についてもかもしれないが、相手と向き合い、相手の感情の揺れを表情から読み取る事 そして相手の考えている事の先手を打つことだ 

 これは、社交や政治的な場面でも大切なことになるという我が家の考え方らしい

 構えてお互い相手の出方を見ていたが先にサムソンから真正面から仕掛けてきた

 体格差や力量からまともに受け止めていたらひとたまりもない

 左側にスルリとよけて回り込む ギャラリーから「おお!」と声がでて

「お嬢様 想定内です」サムソンが態勢をすぐに整えて低い姿勢から即座に側面から剣を繰り出す

 ヒョイと飛び上がり空中で回転してサムソンの向こう側に着地すると同時にサムソンの剣を払いのけると

 サムソンの剣が宙に舞った

 カラーンという音と共に「そこまで!」と団長の声が響いた

「いやあ・・お嬢様相変わらずすばしっこい 」

「こちらこそ、しっかり身体強度の魔法使ってしまいました」

「いや、それは使っていただかないと・・・」

 若い騎士たちがスゲー!と騒いでいる

「お前たち体が小さいものは特によくみておけ ああいう戦い方もあるんだ」

 なるほど・・・新人騎士たちにみせたかったわけだ

「ルナティア、あの武器使えるか?」とエドガーお兄様が声をかけてきた

「ええ、じゃあ体術になるので念のため木刀で5人ぐらいで来ていただいたら」

「5人?大丈夫なのか・・・」エドガーが心配すると

「いざという時は、僕のアクセサリーつけているし大丈夫だよ」とフェドリックお兄様がウインクする

 鍛錬場の中央に行き剣に魔力を流し、剣をヌンチャクに変えた

「なんだ?あれは棒切れを鎖でつないでいる」

「あんなもので倒せるのか」

「今、剣があの棒に変わらなかったか」

と、ざわめいている。

「ルナティア様、本当によろしいのですか?」

 団長が戸惑った表情で確認してくる


「大丈夫です 手加減なしでかかってきてください」と騎士5人に向かって左手をクイッとする 

 ヌンチャク持つとついあのカンフースターのマネをしてしまった


「はじめ!」という声に一斉に5人が私を囲むようにかかってきた

 ピョンと高く飛んで態勢を崩した騎士の背中に蹴りをいれて着地するとともにもうひとりの騎士の脇腹に入れ倒し剣を振りかかってきた騎士の腕にヌンチャクを巻き付け騎士の体ごと引き倒し左右から一斉にとびかかってきた騎士には一人は蹴りを入れ最期の一人にはヌンチャクを振り持っている剣を払いのけた

「そこまで!」5人の騎士がおなかを押さえていたり腕を痛そうに抑えてる

「きゃあ、ごめんなさい! フェドリックお兄様 早く治癒魔法をかけてあげて やり過ぎた」

 私は焦っているのにお父様はニコニコしてみている

「ここにいるもの 今回の試合また武器については他言無用だ!」

 とエドガーが叫ぶと

「はっ!」と騎士団全員が敬礼した

「うちのお嬢様は守られるだけのお姫様ではないんですね」と騎士たちが興奮気味に話していた

「わたしが、師匠だからな!」と団長が嬉しそう

 そうだね ありがとう粘り強く指導してくれたおかげです

 私はペコリと団長に礼をした


 エドガーお兄様は私からヌンチャクを取り上げてジロジロ見ながらぶつぶつ言っている

「ふむ・・・なるほどこのような簡単な形状で・・・しかしこれは習得するのに人を選ぶかもな・・・」

「え・・・っとお兄様返してください」

「ああ、うーむ・・モモンガ ルナティアだからこそ使えるものなのかもしれんが影には良いかもな

 フェドリックこれと同じもの作れるか? 」

「この形状なら僕でなくても武器職人に依頼すれば作れるでしょう」

「まあ、なるほどな・・ところでルナティアもう一つあっただろう」

「あ・・・・あれね(ブーメランのこと)あれはここでは狭いからまた今度ね」

「今度とはいつだ」

「(うーん・・・粘るな)そ・・そうね今度狩猟祭とか・・・」

「わかった・・・狩猟祭だな・・・・参加する気なら、絶対俺たちから離れるなよ」

「わかりました」

 その後、自分の部屋で汗を流してお母様とお茶をしていると侍女長のマリアがノックをして入ってきた

「ルナティアお嬢様 アリシア・グランティス公爵令嬢様がお越しですがいかがいたしましょうか」

 前触れもなく・・・突然? きっと何かあったのだわ

「すぐに私の部屋に通して・・・お母様」

「ええ、私は席をはずすわ これもお使いなさい」

 とテーブルに防音結界の魔道具を置いてくれた





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