5年前の出来事
今回はエドガーの回想シーンが長いデス
5年前 ユングラン国立アカデミー 男子寮 シリウスの部屋
シリアスは13歳にはアカデミーに早期入学しエドガーと同学年 そして二人で早期卒業を目指していた
初めて会った時からシリウスは早く大人になろうとしていたようだった
そんなシリウスをエドガーは少し危うく感じていた
母を原因不明の病で亡くし本人も同時期に命を落としそうになった
そんな経験が彼をそうさせているのかも知れない
シリウス・・・急いで大人になる必要はないよ エドガーはそういってあげたかったのだがシリウスがおかれている状況を見るとそんな無責任な言葉を、シリウスにかけることはできなかった
そんな中、母の死の手がかりを持つ人間を見つけたシリウスが神霊山脈ペテルギウス山脈へ極秘に向かうと言い出した。
「おい!シリウス本当に行くのか! やめておけ罠の可能性のほうが高いじゃないか」
「いや・・・エドガー行かないと・・やっと見つかりそうなんだ・・母上がなくなった病の原因が・・
母上がなくなった後すぐに消えた侍女が見つかったんだ・・・すぐに会いに行かないと・・・」
「それにしても・・・神霊山脈ペテルギウス山脈のふもとの村なんて・・・途中のペテルギウス山脈には盗賊が多い上に伝説の龍が住むといわれているじゃないか 危険だ」
「エドガーかわいいな 伝説の龍なんて信じているのか 王国どころか帝国創世記のお話だろう」
「それぐらい危険だという話だ・・伝説の龍なんて・・信じていない」
くそっ!俺より年下のくせにガキ扱いしやがって・・
「シリウス様・・・僕も危険だと思います」
「ほら、エドガーがそんな顔するからフェドリックまでこんなに心配しているじゃないか」
シリウスが、フェドリックの頭をなでると
「ぼ・・・僕が魔法がもっとうまく使えていたら・・・転移魔法で・・・」
「フェドリック・・・無理しなくていい 今はできなくても当たり前なんだ 私達より魔力のあるお前ならきっと素晴らしい魔法士いや魔塔主にもなれるだろう
お前が嫌なくらい願い事をするからその時には私を助けてくれ」
「シリウス・・・ 絶対約束する・・・」
「せめて・・・これをもっていってくれ・・・」
エドガーは真っ赤な魔法石のついたブレスレットをシリウスに渡した
「これって以前 収穫祭の時に街で怪しい銀髪の金色の瞳の老婆に売りつけられたいつかお前たちの役にたつと言われたブレスレット」
「いつかお前の役に立つといわれ売りつけられて散々お前に笑われたあの時のブレスレットだ」
とエドガーが真っ赤な顔をしてブレスレットを握ったこぶしを突きだす
「俺はこんなものしかお前に渡せるものがない・・また笑われるかもしれないが俺はあの老婆の金色の瞳の力強さを信じている・・・だからもっていってくれ」
「エドガー・・・そうだな私はお前を信じる もちろんフェドリックもな
だからお前たちも私を信じてくれ 絶対に無事に帰ってくる」
そう言いながら潤んだ赤い瞳で笑うシリウスをエドガーとフェドリックは抱きしめた
「絶対だぞ!」「ああ」うっすらと2人の瞳には涙が浮かび フェドリックの頬には涙がつたっていた
そういって旅立ったシリウスを見送って2週間たったあとシリウスが盗賊に襲われて亡くなったという連絡をうけた・・・。
エドガーは呆然としたそれからの数か月間何も考えられないまま、人形のように時に流されながら生きていた シリウスの連絡があった5か月後に今度は狩猟祭でルナティアが攫われた・・・
エドガーは狩猟祭でもまだ頭の中はぼーっとしていた
「兄上、ルナティアからハンカチもらった?」
「ああ・・・もらった・・」
あれ?ポケットに入れたはずなのに・・そうかぼーっとしていてテントのテーブルに忘れてきてしまった
まあ、あとでルナティアには謝ればいいか・・・と狩りへと出発した
狩りを終えテントに戻るとあたりが大騒ぎになっていた
母上が泣き崩れていた
「フェリスどうしたんだ!一体何があった」父上が母上に駆け寄りを抱きしめた
「あなた・・・ルナティアがいないの・・・お兄様にハンカチを渡すといって出ていったあとずっといないの エドガー フェドリックあなた達ルナティアに会わなかった?」
母上にそう聞かれ頭のなかが真っ白になりその場に座り込んだ
「ルナティアには、会っていません…
は・・母上私のせいです・・・私がハンカチを・・ルナティアからもらったハンカチをテントに忘れてしまったから・・・ お許しください私のせいです!」
「何を言っているの エドガーあなたのせいではないわ・・・
それに、ルナティアについていた護衛が一人殺されていたのよ・・・
きっと計画的なのよ あなたのせいではないのよ エドガー」
フェリスは泣きじゃくるエドガーを抱きしめた
「いいえ、母上・・・私のせいですたとえ計画的であってもその隙を与えたのは私です」
そういった後、うわあああああ とエドガーは泣き叫んだ
そして、エドガーは寝食も忘れルナティアの捜索にあったた
捜索隊が引き上げても一人探そうとし休めと言われても誰の言う事も聞かず探し続けていた
「エドガー!気持ちはわかるがせめて食事をして眠らないとおまえが死んでしまうぞ!」
ライズ公爵がエドガーを引き留めた。
公爵の隣では母が泣きフェドリックは母を支えて立っていた
「エドガー お願い・・・」悲壮な表情を浮かべた母がエドガーの傍によろめきながらたどり着き彼を抱きしめようとしながら崩れ落ちた
エドガーは無言で部屋に戻りスープをこくりと飲んだ
「あたたかい・・・・」スープの中にポツリとエドガーの涙が落ちた
「ピーッ!!」と笛が森で鳴り響きのろしが上がった ルナティアが森の中で見つかった知らせだ
エドガーはのろしの上がった場所に馬を走らせた。
大きな木の下で眠るルナティアの周りに人が集まっている馬から降り無我夢中でルナティアの元に駆け寄り彼女を抱きしめた
「ルナティア!ルナティア!」泣きながら名前を呼ぶと
彼女の腕に赤い光がキラリと光った
エドガーがルナティアにけががないか確認するため袖をめくるととあの時シリウスに渡したブレスレットが左手についていた
シリウス!! シリウスが一緒にいたのか?
そして ポケットにはあのルナティアが渡そうとしていたハンカチではなくシリウスのハンカチが入っていた
誰にも見つからないようにエドガーはブレスレットとハンカチを回収した
自室に持ち帰りハンカチを見ていると確かにシリウスの名前のアルファベットが刺繍された彼のハンカチだった
なにかハンカチに魔法が施されている・・・・
エドガーは幼い頃からシリウスとの手紙のやり取りの中である仕掛けをしていた
立場上、他の者に手紙を読まれないように秘密にしたい内容は魔法で読まれないようにしていた
ハンカチの上でシリウスの考えた魔法詠唱しIDとパスワードというものを入力し「解除」というと
ハンカチの上に文字が浮かび上がってきた
「エドガー、元気か?私は殺されそうにはなったが今はあるものに助けてもらい元気でいる。
私が今いる場所で偶然ルナティアがチャウナ公国の者に引き渡されそうになっていた
ルナティアはもちろん助け出したのだが、私が今いるのが北部、お前の領地があまりにも遠くてルナティアをお前の所に返すことができない 他の者に頼んだのだが・・・
申し訳ないのだが詳しいことは言えないのだがどうしてもここで起こったことをルナティアの記憶から消さないといけなくなった・・
それと共に彼女の時間を止めてしまう事をゆるしてほしい
いつか、時が訪れたらすべての準備ができたら必ず帰るからその時ルナティアの記憶も時間も戻すから・・・
約束だ 申し訳ないが父上と妹のことも助けてあげてほしい
すまない・・・
あと笑ってすまなかった お前の言うことは本当だった ブレスレットも本物だった
それとルナティアのハンカチは私がもらっておく
可愛い妹のハンカチをわすれるような奴にはわたしのハンカチをあげよう
シリウス
シリウス・・・・生きていてよかった・・・必ずだ・・・それまでここは俺が守る
次に会ったときには必ずハンカチ返してもらうぞ
エドガーはブレスレットとハンカチを握りしめ誰よりも強く賢くなろうと誓った
「お兄様が生きていたなんて私にも教えてほしかった」エクシスが涙をうかべてエドガーに訴えた
「国王陛下、ライズ公爵、フェドリックと私しか知らない話だ どこで漏れてもいけない
王女はまだ幼くてお教えできなかった」
「・・・確かに 幼いかったかもしれないけど・・・」
「まだ、早かったか?」
「今はそんなことない!」
「周りにはあなたに王配を取らせ皇位を継がせるつもりだと装う必要が出てきた
偽の王配になるにはこの国いや世界中で俺が一番うってつけでしょう」
と自信満々に言う
「確かに事情もしっているし・・・でも・・・だったらフェ・・フェドリック様だって・・・」
「残念ながらフェドリックには他にも勅命がりますからね
まあ、あなたとしてはフェドリックの方に好意があるのでしょうが、すべてが終わり契約解消すればその時には魔塔主にでもなんでも嫁いでください
本当に契約として婚約すればあなたも気持ちが幾分か楽になるでしょう」
とエドガーは皮紙の契約書を出した
「さあ、これにサインしてください」
シリウスが戻り皇太子になった時点で婚約は解消
それまでは婚約者としてエクシスをサポートし守るという内容がかいていた
サインをし契約書にお兄様の名前を見るとなぜか生きていたんだと実感がわきエクシスの瞳から涙が落ちた
「ほら、そういうとこです・・・これからは隙を見せないように・・・」
そっとエドガーがハンカチを差し出した
ハンカチで涙をぬぐうと
「そのハンカチ差し上げます 持ち主が帰ってきたらあなたから渡してください」
とエドガーは席をたち部屋を出ていった
ハンカチを見ると「S」の刺繍が入っていた
お兄様のハンカチ・・・ぎゅっと握りしめた
こんなもの渡して泣くなって・・・無理じゃない 優しいのかひどい人なのかわからない変な人
エドガーの背中を見つめると壊れた扉の向こうにルナティア達の姿が見えた
ルナティアにも心配かけちゃった・・・
今日は無理だけどまた今度お茶会して・・・アリシアにもあいたいな・・
でも婚約式の準備しなくちゃね・・・とハンカチに頬を寄せた




