〈4〉
「……っ!!」
28回目の砲撃の後、メリーは膝をついた。
対する目の前のピエロは素知らぬ顔で、何やら不気味なダンスを踊っている。その鼻の色は、今までにはいなかった黒色だ。
「くきゃきゃきゃきゃぎゃっ!!!」
笑いながら瞬時にメリーに近づき、その手に持つダガーを大きく振るうピエロ。バズーカを盾のようにし防ぐものの、その大きさ故、接近戦には向いていないのは明らかだ。
まるで関節など無いような蹴りがメリーの首を掠めたが、咄嗟にバズーカを放つ。これで29回目。
土煙から現れたのは宙に浮かんだピエロの顔。不気味に笑うそれは、一瞬で傷ひとつない元の姿に再生し、今度こそメリーを吹き飛ばす。
「……っがあ!!!」
地に叩きつけられながらも、瞬時に立ち上がり相手を見据える。
「超高速再生ですか…便利ですわね…。くふくふふ…、面白いですわ」
武器を構え、再び一歩踏み出したメリーだったが、その姿はゆらりと崩れる。
「……え?」
その腹からは大量の血が滴っていた。いつの間についたであろうその傷は、彼女の動きを止めるのには十分だった。
倒れ伏すメリーに近づく黒鼻のピエロは、ダガーをジャグリングのように投げ回しながら、鼻歌を口ずさむ。
「ま…、けませんわ。わ、わたくし…は…」
拳を握り立ち上がろうとするメリーに、ピエロがダガーを振り上げたその時
「この腐れ外道が。女子供に手を出す様な戯け者、拙者が許しはせん…。」
そんな声がし、吹っ飛ぶピエロの体。
「……じゃ、ま、しないでくださる?わたくしの、獲物ですのよ?」
「その様な体で、何を申すか…。黙ってみておれ、直ぐに終わる。」
いつの間にか立ち上がり向かってきたピエロを、振り下ろした刀で真っ二つにする一茶。
「……なに!?」
「ぐぎきゃきゃきゃ!!!」
何故かすぐに再生するピエロの踵が素早く下ろされ、とっさに彼は受け止める。
「貴様…。鼻を削いだのになぜ死なぬ。」
「私だって、頭ごと飛ばしましたわ…。」
困惑する二人の腕の通信石から、声が聞こえる。
『…っ、こちら四方。連絡が遅れて悪かった。現在…、黒鼻三体と交戦中。こいつら、鼻落としても死なないわ。』
『真野です。周辺の赤鼻討伐完了、援護に向かいます。』
『槇原っす。…うぉお!!小夜と共に黒鼻と戦闘中…ちっ、危ねえなー、おい小夜、下がれ!!!!…あ、こいつ倒すまで援護は行けねーっすー』
『あ、四方さん。そこから動かないでくださいね。』
フードの声を最後に通信は終わったが、各地でも黒鼻に苦戦している様子が聞こえた。まだ対策方法は見つかっていないようだ。
「四方殿でも倒せぬのか…。だが、拙者、命に変えても…」
呟くと、目の前で例のダンスをするピエロに向かう一茶。
「グキャ?」
嘲るように躱すピエロの横を、大きな鈍器が掠める。
それすら躱すピエロだったが、続く一茶の振るう刀を避け、ダガーを彼に振った瞬間、背後からメリーの第二撃が及ぶ。
そのまま吹っ飛び遠くの岩山にぶつかる敵をメリーは見つめる。
「横取りは、許しませんことよ?」
咳ごみ口から溢れだした血をぺろりと舐め、メリーはニッコリと笑った。
あらすじを編集してみました。以前よりも作品の紹介になったと信じます(。・ω・。)!




