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陶芸部の日常  作者: もち
三大義務
17/33

〈1〉



フードの運転するバイクの後ろに座っている真野は、掴まる右手はそのままに、左手で腕章を操作する。


この腕章は能力値を色で示すだけではなく、各種通達や通話も出来るすぐれものだ。



「はい。こちら真野。現在商業区を通過中。」


『司令部より戦況です。今回の攻撃目標はピエロ。その数およそ300。現場指令塔は四方。副指令塔に真野を指名します。』



「おっさ…玄龍さんはいないんですか?」


『玄龍は昨夜から今朝にかけての炎の魔女討伐で大きく負傷。現在もなんとか交戦しているが、生徒が到着し次第引かせる予定です』


「おっさん、大丈夫なの?」


前方から不安そうなフードの声が。


「分からない…。」


そう、いつだって、先がどうなるか、誰がいなくなるか、そんなことは誰にもわからない。


『注意事項です。倒す際には必ず、赤鼻を切り落とすようにしてください。赤鼻以外を切り落とした場合、断面から再生していき、その数が増えることになります』



「ふーちゃん、倒す時には鼻以外切り落とすな、だって」


「なにそれ、めんどくさ」


『さらに、一定時間ごとにその数は倍になります。迅速で正確な討伐が求められるため、今回は少数精鋭での戦闘となります。ご了承ください。』



「時間ごとに増殖するって」


「気持ち悪。触りたくないんだけど。」



隣を黒塗りの高級そうなリムジンが通る。中に乗るのは、きっとメリーだろう。


心なしかフードもスピードを上げる。


川にかかる大きな橋を渡り、研究施設の隣を通り、病院の横を抜けると、そこには大きな門があった。



立っている警備員に名を告げると、その門をくぐり、二人は各自筒の中に入る。


その個人用のエレベーターは、地上の一歩手前、転移の間へと繋がっている。


到着した先には定員100人の白い円形の台があり、外にある唯一の人の街の、予め設置してある同様の台の上、もしくは簡易転移装置を設置した場所に、瞬間的に移動することができる。


因みに、簡易転移装置を使ってこちらに戻ることはできず、戻るためには街からの転移が必要となる。



「ひゃっ…。真野さま、フードさま…。きょ、今日はよろしくお願いします…」



エレベーターのドアが開くなり、たまたま近くにいた少女が、二人に声をかける。彼女はくの一の様な格好をしていて、深い青のまとめ髪だ。下がり眉と泣きそうな目から、頼りない印象を受ける。腕章は緑色。



「小夜さん。みっともないのでそんな顔しないでください。私が全部倒してやりますので、安心して下さい。」


「あら、大きく出たようですが、それは私が請け負いますわ。ご無理はなさらないで」


無表情にそう言うメリーは、もうスイッチが入っているようだ。



「これで、あと一人か…。早く向かいたいものだな。拙者は玄龍どのが甚く心配じゃ」


黒い腕章をした、袴姿の男が呟く。柔らかそうな金髪は彼の右眼を覆い隠している。



そんな中、エレベーターの到着音がする。



「いや〜、おまたせしたっすー。髪のセットに手間取っちゃって」


その声と共に現れたマッキーは、ヘラヘラと笑う。



「貴様っ…。戯けたことをぬかしおって!!」


「ちょ、一茶先輩!これって全国放送されるんすよ?気い抜いてらんないっすよ」


そんな彼の腕章の色は青色。獲物は銃である。役所での仕事の時よりも派手な髪型に、耳には何個もピアスがついていた。



「じゃあ、揃ったようだし行くよ。皆配置について。」



真野がそう言うと、皆ぞろぞろと台の上に移動する。



「ウーフさん、転移をお願いします」


その声に、台の周りが微かな光を帯び始める。



『ほ〜い。みんな、気をつけて〜。一人もかけることなく、戻ってくるんだよ〜』



どこからかそんな声が聞こえ、6人の姿は跡形もなく消え去った。




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