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君に送るワルツ  作者: 青木星
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26話俺と戦え後編


俺の前世の名前はオーディオ。


そして、今俺が暮らすこの世界は第一銀河系の中に含まれていて、


最高神は俺を含めて4人いた。


一人は安寧の最高神。

一人は戦争の最高神。

一人は慈愛の最高神。

そして僕は粛清の最高神。


銀河系は全部で6個あり、うち2つは

既に魔神の手に堕ちていた。


3000年前に魔神という強力かつ自分勝手な

者が俺の領域である第一銀河系に侵略し

暴虐の限りを尽くし第一銀河系を乗っ取ろうとしていた。


それを最高神である俺は許すはずもなく、

彼と彼の従者を駆逐しようとしていた。


だが、相手はこちらを遥かに上回る戦力で

同じ神であるものたちでさえ、魔神には手も足も出なかった。


そこで俺は、自分があの魔神を撃たなければと

決心する。


侵略軍と俺の配下が闘っている最前線へ向かおうと

する前に彼女に止められる。


そう、慈愛の最高神ヴィーナスだ。


彼女はいう。


「貴方が行かなくてもあの侵略者達は

 配下が時期に倒してくれるはずです。

 だから考え直してください」


「いいや、それだと10年、いやそれ以上の

 月日がかかり、多くの配下が死にゆくことになる。

 だから、粛清を司るこの俺がやつを討ちにいかなけ

 ればならない。

 お前も薄々気づいていることだろう?」


「貴方が死んでしまったら私の生きる理由がなくなっ

 てしまいます。」


「わがままを言うな。

 俺は一度死んだとしても転生する事ができる。

 それでいいだろ?」


「それだと記憶が不完全の状態になります。

 そんな状態で転生しても貴方は私のことを

 覚えてくれているのですか?

 それに加えて転生するのは

 今から千年後になりますし

 その間私をまた一人にするのですか?

 あの時の野原でした約束をまた破るのですか!」


ヴィーナスは涙を流していた。

彼女の涙は全てを癒す力があると言われる。

彼女の涙が落ちた地面には

美しい蒼き薔薇が咲き、

花の部分が蝶々に変化していく。


でも覚悟を既に決めたのだ。


「いいか?俺がいなくなる間の代打はレイモン、

 お前にまかせるぞ。」


そうオーディオが言うと

目の前に美しき5対の翼を持つ男が瞬時に現れる。


「御意に。我々は主君様の帰還をずっと待っています。

 民たちの管理は我々にお任せください。」


「ああ、それと竜族、妖精族、巨人族、人族の

 進化を解放させる。

 特に人族の教育レベルを3から5にしろ。 

 いずれ人族は神族に匹敵するほどまでに

 成長してくれるはずだ。

 頼んだぞ。」


俺はゲートを開き魔神の元へ行く。


ヴィーナスは泣きながらも俺の足にはいつくばった。


「ごめんな。愛してる」


ヴィーナスの頭を撫でヴィーナスが手を離した一瞬の隙にゲートをくぐる。


ヴィーナスの悲鳴が聞こえたが

これも覚悟の上だ。

 

ゲートを潜り抜けた先に、激しく闘う

侵略軍と俺の配下の姿が見える。


神だけで奴らと戦っているわけではなく、

天使族とドラゴンの中でもそこらの神以上に強い、

バハムートにも協力してもらっている。

本来ドラゴンは飛べないはずだが、

何故かやつは二対の大きな翼を持ち

自由に空が飛べている。

簡単に言えば規格外のやつだということだ。



しかし、既に天使族の大半は

魔神の幹部であろう奴らに狩られている。

バハムートは未だなお健在だがあいつが

どこまでもつかといった膨大な数の敵に囲まれている。


とりあいず俺はあたり一体にいる敵を粛清する。


「消えろ。」


俺は指を鳴らす。


その直後彼らの存在が消えた。


あれほどまでに剣の音や銃撃で

うるさかった場が唐突に終焉を迎えた。


だが、魔神の幹部らしき奴らは

粛清しきれなかった。


「おのれ、お前。何をした?」


幹部の一人である赤髪の目が8つあり、

ツノが二つ生えた者に言われる。


外見は人型だが、両手に目があり、

額に3つの目、通常の二つの目、後ろの首元に

一つ目がある。


歯はギザギザしていてなんで君の悪いやつなんだと

俺は思うが今はその時間が惜しい。


「消え失せろ、チリが。」


対象を彼だけに絞り粛清させる。


そして名前もわからぬやつは文字通り粛清された。


その様子を見た生き残った幹部はみんなして

俺に襲いかかってきた。


俺は両手の指を鳴らす。


「粛清。」


そして彼らは跡形もなく粛清された。


宇宙に漂う巨大な戦艦に俺は向かった。


俺が戦艦に向かう時、バハムートがついてきた。


バハムートとは意思疎通ができる。


「主よ、さすがじゃな。

 我は暴れ足りんので主についていくことにするわい」


「無理をするなバハムート。

 お前は十分やってくれた。

 もう故郷に帰っていいのだぞ?」


「ハハ、何をいうか。

 我は未だかつてないほどの歓喜に満ちている。

 この戦場で死に絶えることこそが

 我の望みじゃよ」


「規格外だな、」


「アイツらと我では次元が違いすぎる。

 比べるまでもないわな、ハハハ!」


「クク、そうか。

 そろそろ着くぞ。」


「開幕戦は我が引き受けるぞ。

 主は敵将だけをバッサリやってくれればええ。」


「へいへい」


コイツは俺と普通に対等に喋れる。

もしかしたらこれが人間たちでいう

友という存在なのかもしれない。


下手したらレイモンより信頼しているのかもな。


バハムートは、戦艦に向かって

渾身の一撃を放つ。


「ワールドブレイク!!!!」


名前通り、一つの世界を破壊するほどの

一撃を戦艦に向けて放つ。 

戦艦は思ったよりも脆く、灰と化した。


「おい、これじゃ中に魔神がいたかわからない

 じゃないかバハムート」


「我が悪いのか!!?」


「ああ」


ガビーンとバハムートは顔を項垂れ手をし折らせている。


俺とバハムートは高らかに笑い合う。

至福のひとときだった。


しかしこの直後に絶望が襲いかかる。


「すまんな、俺の大事な剣ちゃんを取りにいってた、

 ってなんで戦艦もあいつらもいないんだ?

 おい、そこにいるお前ら、あいつらの居場所って

 わかるか?」


不吉なオーラむき出しの男が俺たちの背後に

突然現れた。


「あいつらとは?」


「あいつらってここで雑魚たちと戯れてた俺の

 仲間だ」


「それなら全員死んだぞ?」


「なるほどね、どうりで静かなのか。

 で、戦艦は?」


「我が灰にしたわ」


「あーまじ?あれ結構頑張って作った

 やつなのに何しちゃってるの」


自分の仲間が壊滅したというのに

奴は全く動じない。


「俺は侵略してきたお前を粛清しにきた。

 覚悟はいいか?」


「ったくどいつもコイツも器がちっちぇーな。

 別に侵略されるくらいいいだろ?

 この俺が直々に管理してやるって言ってるんだぜ?」


「だめだ。」


「ハハ、さてはお前、最高神の粛清か?」


どうやら見る目はあるようだ。

それにしても余裕のある邪悪な笑みが気に入らない。


「正解だ。」


「ほほう、思ったよりも弱そうだな

 お前。」


なんだと?

俺は気づいたらやつに挑発されていた。


「消えろ。」


やつを粛清しようとする。

しかし、奴は消えない。


「おいおい、何も言わずに不意打ちとは

 汚いぞー?

 じゃあ仕返しと行くか」


奴は手に持っていた剣を一振りする。

しかし、自分に何も影響を与えなかったので

奴を煽る。


「おい、素振りをしたのか?」


「ハハ、お仲間さんを見てみろよ粛清」


「何?」


俺はバハムートを見る。

すると既にバハムートは首を切られ、そこから血を噴き出していた。


おい、なんで一撃でお前がやられるんだよ。


今の攻撃に気づけなかった自分に対して憤慨する。


そして、友と呼べるバハムートを失ったことが

俺に新たな感情を与えた。


復讐だ。


そこから先の事は記憶には残っていなかった。


暫く理性を失っていたのだろう。

気がついた時には俺は砂漠の惑星で

倒れていた。

目を覚まし、周囲を見る。

奴はいなく、身体に致命的な傷は負っていない。 


俺はこの状態が不気味に思い、空を見上げる。


すると、何やら隕石のようなものが

俺に向かって落ちてくることに気づいた。


俺は重い身体を動かして、ワープにより

隕石を避ける。


砂漠に衝突した隕石は偽物だったかのように

消えてゆく。


「しぶといですね。

ですがここがあなたの墓になることには変わりませんよ。」


先程正気だった時にいた男ではなく、

白髪で服も鎧などではなく、白いワンピースのような

服を着ている少女だ。


「貴方は、?」


「私は、君を先程の男から助けた者です。

 彼は私が今隕石で迎撃したつもりが逃げられてしまい

 ましたね。」


奴は俺を助けてくれた?

しかし、彼女に先程の男のような禍々しいオーラは

なく、むしろ聖なるオーラが漂っている。


僕はほっとし、命の恩人であろう彼女に近づく。

彼女も笑顔で友好的に近づいてくれる。

彼女と握手をした時に彼女は消えていった。

彼女は幻影だったのだ。


後ろから突然、異常な速度で

奴が接近してくる。


思考加速と気配察知によりやつを見つけられ、

対応を考える猶予は確保されたが、

どう考えてもやつの一撃から避けることができなかった。


俺は、最終手段であった道連れという能力アビリティを使おうとした直後、

奴と俺の間にゲートが発生する。


「オーディオ様!」


現れたのはレイモンだった。


「ヴっ!」


レイモンはやつの一撃をもろに喰らう。


「どうしてお前がここにいるんだレイモン!!」


俺は喉がはち切れるほどの大声で叫んだ。


「私は貴方の盾です。

 貴方が死ぬというのに私が生きるというのは

 私にとっては許されざる事でした。

 後らヴィーナス様よりこれをと、

 私はここまでのようです。

 あとは頼みました。」


「レイモォォォォン!!!!!!!!」


レイモンからヴィーナスの届け物を貰った。

それは蒼い液体の入った水筒であった。


俺はバハムートもレイモンも、

自分の惑星に住む生き物たちが死んでほしくなかった。


しかし、結果はどうだ。

天使族は軒並み死に、神も死に絶えた。

バハムートは別れの言葉もつけず死に、

レイモンは俺を守るための身代わりとして死んだ。


それでもまだ、俺はやつを粛清できていない。


何が最高神だ…。何が粛清だ…!


俺は砂漠の地面に足をくっした。


「せっかく、いい感じに騙して殺れそうだったのに。

 コイツ…、虫のくせに!雑魚のくせに!

 ゴミの分際で邪魔しやがって。

 死ね!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!」


レイモンの身体に何度も何度も剣を突き刺しては

引き、血潮が吹く。


「やめろよ…。」


「あ?」


地面に屈した足をあげる。


「やめろって…。」


「だからなんだよぉ!」


ヴィーナスにもらった飲み物を飲む。


「やめろっていってるんだクズが!!」


「俺がクズ?笑わせないでよね!」


俺は変換という能力を使う。


全ての体力、精神力、神力、生命力を

ただ、この一撃のための力に変換する。


僕は、次第に身体が老いていくのを感じる。

髭が急激に生え始め、髪が白くなっている。

肌にハリが無くなっていき視力が悪くなってゆく。


木が枯れるように、俺という器に入っていた

水分が枯れ、器にヒビが入ってゆく。


この一撃にかける。


この時の俺は生まれてきてから今までで

一番男らしく、英雄と言われても誇れる

面と覚悟と強さがあった。


奴は俺の剣に込められた異常な力に

怯え始める。


「まだ力を隠していたとは…、ガハッ」


奴が何かをほざいている間に一撃は放たれた。


天地滅亡ラグナロク!!!!!!!」


奴は怒りを買ったのだ。

この一撃はこの戦いで死んでしまった

神、天使、バハムート、レイモンと

死を代償に一撃を放つ俺と

ヴィーナスの思いが重なり合い、

奴に裁きを与える必殺の一撃。


レイモンが身代わりになってくれなければ

この一撃も放てずに俺は死に絶えていただろう。

これこそが道連れである。

この技の発動条件は

自ら死を代償にし、対象に憤慨していること。

他人に殺されてはこの技は発動しなく、

対象に対し、憤慨していなければ

この技の威力は下がる。


憤慨していればいるほど威力は上がる。


それに加えて俺は最高神である

全ての力をこの一撃に注いだ。


相手が誰であろうと必殺の一撃であろう。


奴が粛清されたのを確認できた俺は、

ぼろぼろで老いた身体でレイモンの元へ行く。


レイモンの勇敢な目を閉じ、

安らかに眠れるよう祈った。


そして、俺は命がつき、死に絶えた。


あれほど美しかったレイモンの翼は

灰と化し流れる風にふるりと舞っていった。


生命は廻っていく。


これが俺の前世の物語だ。


これらを思い出した俺は、僕ではなく

俺と言った方がいいなと感じていた。


そして、砂漠の中俺一人になったところで

目の前に出口となる扉が現れた。


俺はそこに向かって歩く。


黒髪で乾燥していた俺の肌は

潤いが満たされ、蒼髪に変化していった。


扉を出ると、現実に戻ったかのように

見覚えのありそうでない天井が見えた。


自分の部屋かと思ったが、

どこか女子が住むような部屋をしている。


「起きた?」


部屋着を着た柚が目をパチクリさせながら

俺を見る。


どうやら俺は柚の部屋にいるのだと悟った。

 


読んで頂きありがとうございます!

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