23.1話温玉うどんと秋良
暫く、ドラゴンの話を僕達は聞いていた。
そして昼になると授業は終わり、
僕は学食を食べていた。
普段の昼とはさほど変わりはないが
今日は、進之介がいなく秋良と二人で
温玉うどんを食べている。
「秋良って毎日これ食べてない?」
「春だって毎日食べてるだろこれ」
「まぁね。」
学食のメニューの中で僕は一番安い温玉うどんを食べている。
お金は貯めていた方が安心だしね。
貧民の血が騒ぐのか、何を買うにしても食べるにしても
基本的には一番安いのを買うと心がけている。
もちろん、洗剤や柔軟剤、友達と遊んだりする時には散財する。
秋良以外の友達にはつい平民の仮面を被るが、
秋良といる時は仮面をつける必要がないので
僕としてもリラックスできる。
「そういやさ、5月27日から三日間で試験を行うんだろ?
学科試験ではないし一体何をするんだろうな。」
そう秋良はいった後、
ずるずるずるとうどんを啜りごっくんと飲み込む。
途中で喉に詰まったのか
こんこんと胸あたりを叩き苦しそうにしていたので
僕は急いで水を学食のおばさんにもらい、秋良に手渡す。
ごくごく…、ごっくんと勢いよく飲み
つまりが取れたのか、
ふぅーっと秋良は満足げな顔を浮かべて
またうどんを食べ始める。
僕は一連の光景に苦笑しつつ、話を広げる。
「スケジュールにそう書いてあったね。
3日間も試験となっているし、少し嫌な予感がするよ。」
「全くその通りだわ。」
僕はそこから話を広げようとしたが思いつかない。
怪我しそうで怖い?
疲れそう?
めんどくさい?
…いいや、そう反応したところでまた
話がいき詰まるだろう。
とりあいず僕は温玉にあえたうどんをすする。
水の代わりにうどんの醤油をベースとしている出汁をのむ。
絶妙なあったかさで体がぽかぽかとしてきた。
気づけばうどんも食べ終わり、スープも飲み干してしまった。
そんなきょとんとしていた僕を見たのか
秋良がくすくすと腹を押さえるように笑っていた。
なぜ笑っていたのか僕は理解するのに追いつけず
秋良が立ち上がって食器を片付けに行ってしまったので慌てて僕は席を立ち、秋良に急ぎ足で追う。
食器を片付け終わった僕と秋良は、
午後の授業まであと30分ほど時間が余っていたので
仮眠室と呼ばれるところに行こうと秋良に誘われる。
え…。秋良授業中寝てなかったぁ?
僕はツッコみたくなる気持ちを抑え、
自分も少し眠たくなっていたので
秋良の案にのることに。
僕たちが今いる学校は全部で5階まであり、
5階は屋上となっている。
S.A.Bクラスは3階、C.D.Eクラスは2階となっており、
今現在僕たちがいるところは食堂のある4階である。
そして、仮眠室と呼ばれるところは3階にある。
全体の配置としてはこんな感じ。
地下一階 職員室、指導室
一階 図書室、音楽室、美術室、遊戯室、治癒室
二階 C.D.Eクラスの教室、能力研究室など
三階 S.A.Bクラスの教室、仮眠室など
四階 食堂
五階 屋上
僕たちの教室と同じフロアになるので
秋良は毎日通っているという。
僕は秋良が寝ているその間、毎日遊戯室で進之介と
オセロをしているのだが、
今日は用事があるといい今に至る。
階段を登る事1分、
四階にたどり着いた僕達は仮眠室に向かう。
仮眠室に入る際、紙に名前、クラス、起こして欲しい時間を書き込む。
これに書き込む事で、希望した時間に
起きれると秋良はいう。
どうやって起こしてくれるのかと
秋良に聞くと、寝てからのお楽しみさとはぐらかされてしまった。
どうやら寝るところはカプセル式のようで
秋良は慣れたようにスムーズに
空いているカプセルに入る。
僕はそれに倣って空いていたカプセルに入る。
僕はカプセルの中に入り、カプセルを閉める。
閉めて数秒したのか、突然カプセル内に甘い匂いのした煙が入り込みカプセル内を瞬く間に支配する。
急な煙とニオイに僕は驚きながらも
次第に意識が朦朧として眠りについた。
カプセルで目を閉じて開いた時に
僕はあたり一面緑の野原で大の字でいた。
目に入る日光がどこか現実味がなく、眩しさを感じなかった。
だけど、甘い匂いが空気中に漂う。
どこから流れているのかもわからないそよ風が
そっと僕の髪を撫でる。
ゆらゆらとお日様に当たった草たちが揺れている。
僕には草たちが一つ一つ生きていて
満遍の笑みで喜んでいるように見えた。
限りなく続く緑あふれる野原で僕は
心穏やかになる。
大の字になっていた僕は一度立とうと思い
両手に体重を乗っけて尻を地から宙に浮かせる。
そして、両足でたった僕の目の前には
お日様より眩しい、白いワンピースを着た少女が
大の字で蒼い蝶々と戯れていた。




