14話探偵
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にて、
夜の一件から数日が経った。
その間には、有賀くんと喋る機会があったが
どうにも僕があの事を言い出せなかった。
「春馬くん、何か僕に用があるのかい?」
「い、いや、気にしないで。
ちょっと有賀くん見て考え事してただけ。」
入学してから8日目、昼に学食でご飯を食べるメンツが
形成され始めてきた。
僕は秋良と進之介の3人で今日も学食で昼ご飯を
食べていた。
最初は有賀くんと呼んでいたが、進之介と呼んで欲しいと友好的に有賀くんが言ってくれたので進之介と僕と秋良は呼ぶようになった。
「隠し事は無駄だよ、僕には人の感情を読み取れる
能力があるからね。どれどれ、見せてもらうよ。」
ゾワァ〜と冷や汗を僕はかいた。
そんな能力も持っているなんてキャラ設定どうなってるんだ!と僕は言いそうになったが、僕にも神イベントが降臨したので何も言えない。
ましてや秋良も進之介と同じような感じなので、
ここにはツッコミという概念が存在しなくなっているのかもしれない。
「不安に恐怖、焦りか…。
僕に対して何か思っていることがあるようだね。
いってみなよ」
ここで隠してても意味がないと思い
僕は夜の一件について、単刀直入にいう。
「実はさ…、見ちゃってたんだ。
進之介が中村くんたちを返り討ちにしていたところ」
「なるほどね、どうりで…か。
あの時の事は、誰にも言わないで欲しい。
面倒な事に発展するのは避けたいからね」
僕はそれに頷く。
てっきり怒るのかと思っていたが案外本人は
日常茶飯事とでもいうように進之介は言う。
「それって進之介がバチンバチンに成敗したってことか?やるじゃねぇか。」
「バチンバチンとは?聞いた事がないぞ?」
「まじ?俺の地元では結構有名だぞ?なぁ春?」
「うん、秋良の家族ってそういうよくわからない単語を使うんだよ。進之介は気にしないで。」
残ったうどんをするりと食し、眼鏡をくぃっとあげ、
「なるほどね、理解したよ。ヒヒ」
進之介の笑い方は独特だ。
普通は、ハハハだったりフハハだったりと笑うが
彼の場合ヒヒヒと笑うのだ。
僕と秋良にとってはその笑い方はツボにくるところがあるので進之介に呼応する様に僕たちも笑う。
本当は、瀬名たちとも一緒に食べたかったが
秋良が嫌がるので一緒に食べられない形となる。
なぜ秋良は柚さんを嫌っているのか検討がつかない。
僕は思い切って秋良に聞いてみた。
「そういえばさ、なんで秋良は入学式の直後、柚さんに敵意を抱いていたの?」
すると、秋良は一度考えるようにして、3人の間に静寂が訪れる。10秒くらいして秋良が口を開く。
「7歳の頃なんだけどな。
俺たちが遊んでいた公園を覚えているか?」
僕は首を横に振る。
「7歳で公園で遊んだ記憶はないよ?初めて秋良と遊んだのは秋良の家でだし、」
やっぱりなという顔つきを秋良はして、何かをいうように決心をした。
「ひどく意地悪な奴がいたんだ。俺たちが遊んでいた公園に。そいつは、最初の方はただ人気のある女だった。
ところがしばらくしてアイツは禁忌のようなものに手を出したんだ。
激しい憎悪と怒りをアイツから感じた。
それが柚だ。」
「冗談だよね?柚さんがそんな悪い事をするはずがない。事実、この前倒れた僕を助けてくれたんだよ?」
ほぉ、と秋良は少し驚く。
「人間は道を外しやすい。
たとえ、それが最適だというレールをひいてもな。
アイツは抑えきれなかった感情に流されるままにドロップアウトして
春を傷つけたんだ。
だが、アイツもそれなりに正しい道へと戻り始めていたのか。
それなら…、許してやらなくもないだろう。」
「僕を?冗談は辞めてくれよ秋良。
柚さんに会ったのはこの前が初めてだ。
それが7歳の時に会っていて傷つけられたなんて記憶にないよ!」
僕は少し感情的になって秋良に強く言ってしまった。
だが、秋良は平然とー
「当たり前だろ。春にはその時の記憶が書き換えられているからな、アイツに。」
「それって、どういう…?」
ハァッーっと秋良は息を吐き、胸いっぱいに息を吸う。
「今のアイツについては、春より全然俺は知らない。
だからこそ、俺が知っているアイツを春に教えておきたい。まず、アイツ、佐藤柚は能力を3つ発現させている。
一つは、重力操作
二つ目は、精神操作
三つ目は、記憶操作
そしてアイツは幼いながらも、全ての能力を器用に扱えていた。言いたいことはわかるか春?」
全くわからない…。
つまり、柚さんは過去に僕と会ったことがあって
能力を使って僕の記憶を改ざんさせられていたということか?
この時の僕はやるせない気持ちでいっぱいになった。
「つまり、過去に柚さんと僕は会ったことがあると?」
秋良は首を縦に振る。
「だが、アイツが直接春を傷つけてはいない。」
「じゃあー!」
秋良は僕に構わず続けていう。
「アイツは、自分より年上の男を精神操作して
春をたくさん傷つけたんだ。
そして、身体中にあざやたんこぶができた春を公園で春が来るのに待ちくたびれた俺は不安になって、半日中探し回って見つけた。
おかげで困ったよ。真犯人を見つけるのにはね。」
「なかなかに7歳で手が凝っているね。
さぞかし頭の回る子だったんだろう。」
進之介の発言に秋良は頷く。
僕はあの時、大きな男の人に死ぬと思うほどに残酷に殴られたのは覚えている。
だが、記憶操作されたという違和感を覚える事は何一つなかった。
「じゃあ僕のどこが記憶改ざんされているの?」
「俺と出会ってから7歳までの遊んだ記憶だ。
どうだ、覚えていないだろう?」
どういう事だ?
僕と秋良が出会ったのは貧民街から少し離れた病院でだったはずだ。
それに、5歳までの記憶はないが、おじさんに拾われてからの2年間は覚えている。
毎日が生と死の戦場で生きているような感覚だったし。
その間に秋良と出会っていて遊んでいたというのか?
僕は次第に混乱しだす。
「うん、覚えていない。」
「アイツは、俺が春と一緒にいるのが気に入らなかったらしい。もちろん今話した全ての経緯は俺が持つ、
〝探偵〟という能力がなかったらしれなかった事さ。
だから、アイツは金輪際俺と春が仲良くならないよう、
春の記憶の中の俺を消去させていたんだ。」
僕は、今の話があまりに衝撃すぎて言葉が出なくなる。
それをみかねた進之介は、話を切り替えるよう促す。
「まぁ、今思い出せと言われても酷な話だろう。
とりあいず、格付けの今のところの勝率はみんなどんな感じなんだ?」
僕は、それに乗るようにー
「僕は3勝1敗かな。
秋良と対戦した時にね。」
進之介は驚くような顔をする。
「秋良が勝つとはね。さすがは〝天才〟と呼ばれるだけあるな。」
そう進之介が言うと、あからさまに機嫌が良くなった秋良は、そうだろう?フハハハァ!と調子に乗り始めた。
まぁ調子に乗るだけ秋良はすごい。
ヴィーナス様に能力を授かってから、一度も負けたことがなかったので僕は秋良にも勝てるだろうとたかを括っていた。
だが、相手が相手だ。
本物の実力を前にして、僕はなすすべなく敗北した。
今のところ、クラス全員4試合を終え、今日の午後から5試合目となる。
僕と進之介の勝率は同じであり、
秋良は全勝である。
僕たち3人は、食べ終わった皿を片付けて、
やいやいと雑談をしながら闘技場に向かうのであった。
読んでいただきありがとうございましす!
次回、春馬対進之介。
勝負はいかにー。
ミスが多発してしまい誠に申し訳ございませんでした。
本当にすんませんでした。
次回更新は、明日の18時です。
お楽しみに!




