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炭鉱奴隷の俺が古代兵器「鉄騎」の力で成り上がる  作者: お湯0uy2
サクスへの帰還

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猿真似決闘

王立学園闘技場。


朝から異様な熱気に包まれていた。

理由は単純。


「ヒノクニ皇帝が決闘するらしい」


その噂が、一瞬で学園全体へ広がったからだ。

観客席は既に埋まり始めている。


貴族生徒。

教師。

整備員。

一般生徒。


誰もが興味津々だった。

そして。


一部の貴族生徒たちは、どこか嘲笑混じりでもあった。


「ハイドに負けたんだろ?」


「所詮その程度では?」


「異国の王とは言ってもな」


そんな空気。

それを。

クニヒト本人は全く気にしていなかった。


闘技場中央。

陽光が立つ。

桜色の装甲。

細身の機体。

尾部装甲。

独特なシルエット。


対する相手は、サクス貴族生徒。


重量級近接戦仕様。

両腕剣装備。

さらに後部補助腕へ大型ハルバート。


典型的なサクス近接重装型だった。


実況教師が声を上げる。


「双方、準備完了!」


クニヒトの声が外部スピーカーから響く。


「うむ」


軽い。

あまりにも軽い。


対戦相手の貴族は苛立った声を出す。


「……余裕だな」


クニヒトは笑う。


「其方が隙だらけだからな」


「ッ――!」


開始灯。

点灯。


次の瞬間。


敵機が踏み込む。

重装型らしい力任せの突進。

両腕剣を振り上げる。


大振り。


威力重視。

だが。


その瞬間。

陽光が動く。


速い。


ほとんど滑るような前進。

そして。


敵が剣を振り下ろそうとした瞬間。

クニヒトの刀が閃く。


キン――ッ!!


火花。


次の瞬間。


敵右腕の剣が吹き飛んだ。


正確には。

持ち手部分。


柄の接続部だけを切断されていた。


「な――」


敵が反応するより早い。

左腕剣。

横薙ぎ。


即座の追撃。

だが。


陽光は半歩だけ前へ出る。

そして。

刀が横へ流れる。


斬。


敵左腕。

前腕と上腕の間。

関節部だけが綺麗に切断された。


剣ごと腕が落ちる。


観客席がどよめいた。


「は?」


「関節だけ!?」


「速すぎる……!」


敵機が後退する。

だが。

まだ終わらない。


補助腕。

背部ハルバート。


敵は咄嗟にそれを振るう。

上体ごと回転。


遠心力を乗せた薙ぎ払い。

巨大武器特有の制圧攻撃。

普通なら回避不能。


しかし。

クニヒトは。


前へ出た。


「なっ!?」


観客が息を呑む。

陽光が上体を大きく反らす。


紙一重。


本当に数十センチ。

ハルバートの刃先が胸部装甲すれすれを通過する。

そのまま。


陽光の脚が動く。


蹴り。

だが。


敵本体ではない。


回転中のハルバート側面。

動いている武器へ、進行方向へ合わせて蹴りを入れる。


結果。

回転勢いがさらに加速する。


「うおっ――!?」


敵機が制御を失う。

そのまま。


二回。


三回。


勢いのまま回転。

巨体が完全にバランスを崩し。


轟音。

転倒。

地面へ激突。


観客席が揺れる。


沈黙。

敵機は動かない。

コクピット安全表示。

気絶。


実況教師が慌てて叫ぶ。


「しょ、勝者――クニヒト!!」


大歓声。

いや。


歓声というより困惑だった。

強い。


あまりにも。

クニヒトは陽光をゆっくり立たせる。

刀を納める。


そして。

外部スピーカーで笑った。


「王のやり方を真似させてもらった」


観客席がざわつく。


王。

つまり。

シャルロット。


クニヒトは続ける。


「力で受けず、動きを壊す」


陽光が静かに敵機を見下ろす。


「中々合理的であったぞ」


ルートヴィヒは無言でそれを見ていた。


理解する。

以前の敗北。


あれは弱かったのではない。

相手が悪かった。

ただそれだけ。


マリーが呆然と呟く。


「……全然違う」


アルノーも乾いた笑みを浮かべる。


「ハイドとやった時、本気じゃなかったんだな……」


ハイドだけは少し嫌そうな顔をしていた。


「いや、多分本気ではあったぞ」


「え?」


「単純に俺の時は、デュークが異常だっただけだ」


イーリスが静かに言った。


「正確には、双方異常です」


「否定できねぇ……」


一方。

闘技場中央。


クニヒトは満足そうだった。


「うむ」


陽光が静かに振り返る。


「学園決闘も中々良いものだ」

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