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第六話 ダイエット反対!

(おれはダイエットに反対だ)

(そもそも、人類の長い歴史の中で、大多数の人間が食べ物に困らないなどということは、極々ごくごく最近の出来事じゃないか。それまで人類は、飢餓きがを乗り越えてやっとありついた食べ物を、なるべく効率良く体内にたくわえるため、当座必要のないカロリーを脂肪に変換するように進化してきたのだ)

(だから、今でも世界の一部の地域に風習として残っているように、かつては男女とも太っていることが魅力であり、異性にモテるための必須条件だった。そう、ちょうど砂漠を旅するラクダのコブのように、女性は乳房をふくらませ、男性は腹を出っ張らせたのだ)

「あなた、さっきから何をブツブツ言ってるの。夕食前のお菓子はやめるって約束したでしょ」

「あ、ああ、わかってるさ」

 糸岡も我ながら情けないものだと思った。タバコをやめてからというものすっかり甘党になり、子供のオヤツを相伴しょうばんするクセがついてしまった。おかげでみるみる太ってしまい、しょっちゅう妻に節制するよう言われている。その点、仕事中は間食できないし、体も適度に動かすから健康的だ。若い頃は休日明けは辛かったが、今では少しホッとするくらいである。

 翌日、糸岡は張り切って出社したが、なぜかすぐに人事課に呼ばれた。

 行ってみると、今では人事課長になっている後輩の山口が、糸岡を応接間に案内した。心なしか、顔がこわ張っている。

「ああ、すみません先輩。お呼び立てして」

「どうした。何か難しい相談事かい?」

「あ、いえ。相談というより、お願いなんですが。実は、今回、我が社も思い切って経営体質のスリム化を実施することになりまして。つきましては、誠に申し上げにくいのですが、糸岡先輩には来月から関連会社に出向していただくことになりました」

「なるほど、会社もダイエットするのか」

「は?」

「いや、何でもないさ」

 糸岡はため息をつき、自分の腹をなでた。

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