第一時代の遺産
古代造船所の内部は、アル・メラージュ号が水没した建造区画の奥深くへと漂流していく中、静寂に包まれていた。
その巨大な黒曜石の船体は、忘れ去られた巨人たちの骨のように暗い海底からそびえ立つ、途方もなく巨大な柱々の間を通り抜けていった。各柱は古代の星金属の帯によって補強されており、その表面には幾何学的な碑文が刻まれていた。そこから光が放たれることはなかったが、船のスキャン・アレイを通しても、その文字ははっきりと視認できた。
この造船所は、普通の意味で放棄されていたわけではなかった。
保存されていたのだ。
崩壊した構造物が広大な空間を乱すことはなかった。壊れた残骸が水中を漂うこともなかった。古代の製造レールを覆う鉱物の堆積物さえも、意図的な模様に沿って配置されているように見えた。まるで、何千年もの時の流れが、見えざる手によって慎重に制御されていたかのように。
船長室の内部で、サルゴンは中央ホログラフィック・ディスプレイの前に立っていた。
祖先の端末から入手した設計図が、空中でゆっくりと回転していた。数百もの相互接続された区画が投影映像全体に広がり、忘れられた海洋惑星の海底下に築かれた、巨大な工業複合施設を形成していた。
製造ベイ。
兵器組立ホール。
星金属精錬室。
エンジン建造プラットフォーム。
保管庫。
そして、施設の最深部には、たった一つの記号だけが示された封鎖区域が存在していた。
七本の銀色の線に囲まれた、黒い円。
【通知:造船所の主要データベースとの同期に成功しました。】
【施設名称:アヌンナキ・第一時代海軍造船複合施設。】
【稼働状態:休眠中。】
【推定構造完全性:87.6%。】
【警告:複数の内部システムが依然として制限付き権限下にあります。】
サルゴンの表情は変わらなかった。
漆黒の瞳には回転する設計図が映し出され、その瞳孔の奥に浮かぶ小さな銀河が、計算されたかのようにゆっくりと螺旋を描いていた。
「カエレン」
彼は静かに呼びかけた。
航行コンソールの隣には、強化装甲に覆われた筋骨隆々の一等航海士が立っていた。彼は周囲を取り囲む巨大な施設を観察しながら、手をシミターの近くに置いていた。
「はい、君主様」
「船を止めろ」
カエレンは即座に手動操作装置を調整した。
ダークマター・エンジンの出力が低下し、アル・メラージュ号はほぼ完全に静止した。残っていた慣性も濃密な液体の中で失われ、巡洋艦は中央製造回廊の前に宙吊りとなった。
かすかな振動が船体を通り抜けた。
そして、再びすべてが静止した。
サルゴンはメイン・ビューポートへ視線を向けた。
ガラスの向こうには、暗闇の中へと伸びる広大な大通りがあった。古代のレールが海底に沿って走り、巨大なアーチの下へと消えている。いくつもの停止した建造プラットフォームが床の上方に浮かんでおり、その一つ一つが惑星級戦闘巡洋艦を組み立てられるほどの大きさを誇っていた。
最大のプラットフォームの中央には、巨大な金属製の心臓を思わせる構造体が鎮座していた。
それは、星金属コア・マトリクスだった。
遠く離れた場所からでさえ、その密度は周囲の水を歪めていた。液体の流れはそれへと引き寄せられ、暗い銀色の表面の周囲にゆっくりとした螺旋を形成していた。
カエレンの視線が鋭くなった。
「ありました。生のコア・マトリクスです」
「まだだ」
サルゴンは答えた。
カエレンが彼へ振り向く。
「我が君?」
「我々が発見したのは素材だ。誰にも守られていないかどうかは、まだ確認できていない」
サルゴンは左手を伸ばした。
指にはめられた液体星金属の指輪が一度回転した。細い紫色の脈動が指令室を通り抜け、船のシステムの中へと消えていった。
ホログラフィック・マップが変化した。
造船所の設計図が薄れていき、代わりに構造情報の層が表示された。圧力場、エネルギー・チャネル、休眠回路、そして重力アンカーが施設全体にわたって浮かび上がった。
最初、マトリクスは孤立しているように見えた。
しかし、サルゴンはその下に伸びる線に気づいた。
七本の巨大な導管がコア・マトリクスから周囲の床へと伸びていた。それらは電力ケーブルではなかった。それよりも古く、より原始的なものだった。
まるで根のようだった。
導管は製造プラットフォームの下を進み、造船所の中央構造体へと接続されていた。
サルゴンの目がわずかに細められた。
「コア・マトリクスは、ここに保管されているのではない」
カエレンは眉をひそめた。
「目の前にあるではありませんか」
「施設と接続されている」
「では、造船所の主動力システムの一部なのですか?」
「可能性はある」
サルゴンの視線が、ホログラフィック・ブループリントの最深部に刻まれた黒い紋章へと移った。
「あるいは、封印だ」
低い機械音が船長室に響き渡った。
ゴォォォォォン……。
古代の造船所が反応した。
ビューポートの遥か彼方で、床に刻まれたかすかな紫色の線が次々と輝き始めた。
一つ、また一つと幾何学的な紋様が建造回廊に沿って広がり、星金属コア・マトリクスを取り囲む巨大な円形のパターンを形成していく。
カエレンは即座にシミターを握り締めた。
「君主様、施設が起動し始めています」
「落ち着け」
紋様は輝き続けた。
警報は鳴らなかった。
兵器システムも起動しなかった。
その代わりに、船の通信アレイから低く響く声が現れた。
それはコア・スピリットの声ではなかった。
それよりも古く。
それよりも冷たく。
そして、ほとんどあり得ないほど遠い場所から響いているような声だった。
「認証されていない船舶を検知」
その言葉は音波を発生させることなく水中を伝わった。
それは現代のあらゆるインターフェースを迂回し、アル・メラージュ号の通信システム内部に直接現れた。
「外部識別情報:未登録」
「構造特性:第一時代派生型」
「権限特性:不完全」
「魂特性:存在せず」
カエレンの表情が変わった。
最後の一行が、ホログラフィック・ディスプレイ上に残り続けていた。
魂特性:存在せず。
一瞬だけ、船長室は完全な静寂に包まれた。
サルゴンの表情は変わらなかった。
ただ、彼の瞳の中に浮かぶ小さな銀河の動きだけが遅くなった。
古代のシステムは、現代の天界においてほとんど誰も理解していないものを識別したのだ。
彼の名前ではない。
真の正体でもない。
だが、彼を定義する「不在」そのものを。
カエレンはサルゴンへ視線を向けた。
「君主様……」
「邪魔をするな」
サルゴンが言った。
古代の声は続いた。
「空白を検知」
「歴史的相関:禁忌」
「原初権限パターン:不安定」
「祖先認証を開始」
星金属コア・マトリクスを取り囲む円形の紋様が、さらに強く輝いた。
七本の根のような導管が、順番に脈動し始めた。
一つ。
二つ。
三つ。
四つ。
五つ。
六つ。
七つ。
突然、強烈な圧力波が造船所全体を駆け抜けた。
周囲の液体が重くなり、アル・メラージュ号の船体が低く軋んだ。
船のセンサーが局所重力の急激な上昇を検知した。
【警告:外部重力圧が上昇しています。】
【現在圧力:300%。】
【現在圧力:500%。】
【現在圧力:800%。】
カエレンが航行コンソールへ駆け寄った。
「区画全体が圧縮されています!」
サルゴンは片手を上げた。
圧力の上昇が止まった。
彼の指先から薄い不可視のフィールドが広がり、アル・メラージュ号全体を包み込んだ。
フィールドの外側では周囲の重力が上昇し続けていた。
しかし、船そのものは完全に安定していた。
【現在適用中:概念上書き――質量制御。】
【局所的外部抵抗を94%軽減しました。】
サルゴンは中央プラットフォームを見つめた。
星金属コア・マトリクスが開き始めていた。
その外殻が七つの巨大な区画へと分離し、内部からゆっくりと流動する銀色の光に満たされた暗黒の空間が露わになった。
その中心には、閉じた瞳のような小さな幾何学的物体が浮かんでいた。
それは兵器ではなかった。
エンジンでもなかった。
それは――鍵だった。
カエレンは増していく不安を抑えながら、それを見つめた。
「何です、あれは?」
「認証装置だ」
サルゴンが答えた。
「我々を試しているのですか?」
「違う」
サルゴンの瞳が、その幾何学的な瞳へと集中した。
「私を試している」
物体が回転した。
その中心から細い淡い光線が放たれ、アル・メラージュ号へ向かって真っ直ぐに伸びていった。
光線は黒曜石の装甲を傷つけることなく船体を通過した。
そして指令層を抜け、下部デッキを通過し、エンジン区画を横切り、最後にはサルゴンの船長室へと到達した。
光線は、彼の胸の前で停止した。
造船所へ入ってから初めて、サルゴンは自らの器の内部に何かが触れるのを感じた。
肉体ではない。
エネルギーでもない。
もっと深い何かだった。
システム・インターフェースが明滅した。
【警告:外部認証システムが内部存在の解析を試みています。】
【警告:未知の権限が器の起源を特定しようとしています。】
【制限:魂を基盤とする解析は無効です。】
【結果:解析失敗。】
サルゴンの表情は穏やかなままだった。
目の前の光線が震えた。
そして、古代のシステムが再び語り始めた。
「器は不完全」
「権限は封印されている」
「君主は本来の場所から逸脱している」
「通常の存在構造を介した認証は不可能」
サルゴンの左手に淡い紫色の光が形成された。
君主の印:ニヒルが、古代の機構に反応した。
その内部に存在する小さな銀河が、逆方向へと回転を始めた。
カエレンがその変化に気づいた。
「我が君、指輪が――」
「分かっている」
サルゴンはゆっくりと、光線へ向けて手を上げた。
彼はソヴリン・ヴォイドを解放しなかった。
機構を消去しようともしなかった。
その代わりに、制御された自身の権限の一部を認証フィールドへ触れさせた。
接触した瞬間――
造船所全体が激しく震えた。
星金属コア・マトリクスの上空に、巨大なホログラフィック・フィギュアが出現した。
それは人型をしていた。
だが、その身体は幾重にも重なった星金属の装甲と、宙に浮かぶ幾何学的なプレートによって構成されていた。
その顔は滑らかな仮面によって覆われており、その表面には、先ほどと同じ七本線の紋章が刻まれていた。
その存在はアル・メラージュ号へ視線を向けた。
「祖先の権限を認証」
カエレンの目が見開かれた。
ホログラムはゆっくりと頭を下げた。
「継承プロトコルを開始」
造船所の中央に刻まれていた黒い紋章が開いた。
製造プラットフォームの下に巨大な円形の扉が出現し、その奥には、淡い銀色の光に満たされた深い縦穴が姿を現した。
同時に、星金属コア・マトリクスが動き始めた。
七つの外殻部分が内側へと折り畳まれ、巨大だった構造体が、より小さく、より高密度な形態へと圧縮されていく。
金属の心臓は、ゆっくりと開かれた縦穴へ向かって下降していった。
カエレンが一歩前へ出た。
「君主様、マトリクスが離れていきます!」
「行かせろ」
「しかし、あれが縦穴の中へ入れば――」
「我々を真の遺産へ導いている」
ホログラフィック・ガーディアンが片手を上げた。
「目に見えるコアは、外殻にすぎない」
「祖先の遺産は、その下に存在する」
「アクセスには権限の証明が必要」
カエレンはサルゴンへ視線を向けた。
「どのような証明ですか?」
ガーディアンの仮面がわずかに動いた。
「三つの確認」
ホログラフィック・ディスプレイが変化した。
三つの紋章が空中に浮かび上がった。
王冠。
閉じた瞳。
そして、空虚な円。
「第一:支配なき権限」
「第二:魂なき存在」
「第三:破壊なき虚無」
三つの紋章がゆっくりと回転した。
サルゴンは何も言わず、それらを見つめた。
第一の条件は、**《権威の支配者》**と結びついていた。
第二の条件は、彼自身の存在そのものを示していた。
そして第三の条件が、最も危険だった。
**《ソヴリン・ヴォイド》**は、単なる破壊の力ではない。
それは、定義されたあらゆる存在の「不在」を意味する。
もし不用意に使用すれば、彼自身が継承しようとしている構造そのものを消し去る可能性があった。
ガーディアンは続けた。
「失敗した場合、祖先防衛機構が起動する」
周囲の造船所が変化した。
巨大な機械構造体が暗闇の中から展開していく。
古代の砲台が壁面から姿を現した。
その砲身は、細長い黒い結晶のような形状をしていた。
防衛プラットフォームが海底からせり上がり、装甲表面の下に眠っていたコアが姿を現した。
カエレンはシミターを抜いた。
「数は?」
サルゴンはホログラフィック・ディスプレイ全体を一瞥した。
「十分だ」
砲台がチャージを開始した。
爆発的なエネルギーが集まることはなかった。
明るい警告灯も点灯しなかった。
兵器はただ、静かな精密さをもってアル・メラージュ号へ照準を合わせた。
サルゴンは完全に静止したままだった。
「攻撃するな」
彼は命じた。
カエレンは武器を握る手に力を込めた。
「我が君、奴らはこちらを狙っています」
「まだ攻撃していない」
最初の砲台が細い光線を放った。
サルゴンは二本の指を上げた。
光線が空中で停止した。
消滅したわけではない。
ただ、その勢いと質量、そして進み続ける能力を失ったのだ。
銀色の細い糸のように、光線は空中に静止していた。
【概念上書き――質量制御。】
【対象:飛来中の祖先認証弾。】
【適用効果:慣性質量をゼロへ変更。】
他の砲台も発射した。
サルゴンは同じ処理を繰り返した。
一つ、また一つと、光線は船へ到達する前に凍りついた。
船長室は反射された銀色の光で満たされた。
しかし、アル・メラージュ号には傷一つつかなかった。
カエレンは空中に静止した攻撃を見つめた。
「破壊せずに無力化している……」
「破壊する必要はない」
ガーディアンは無言でその光景を見つめていた。
やがて、最初の紋章――王冠が輝き始めた。
「第一の確認:支配なき権限」
星金属コア・マトリクスの下にある縦穴から、小さな金属製のプラットフォームがせり上がった。
その上には、円形の制御紋章が置かれていた。
「遺産を命令せよ」
サルゴンは制御紋章を見つめた。
古代の機構は、力による命令を求めていた。
通常ならば、君主はシステムに権限を押しつけ、その命令に従わせるだろう。
だが、それこそが、この試練が拒絶しているものだった。
サルゴンは手を伸ばした。
彼は造船所に服従を命じなかった。
防衛プロトコルを力ずくで破壊することもしなかった。
その代わりに、自らの権限を施設がすでに持つ論理へと接続し、そこに自らの意思を認識させた。
「お前たちの服従は必要ない」
サルゴンは静かに言った。
「必要なのは、お前たちの機能だ」
王冠の紋章が閃光を放った。
防衛砲台が停止した。
第一の確認――完了。
二つ目の紋章――閉じた瞳――が輝き始めた。
「第二の確認:魂なき存在」
認証ビームが再び現れた。
しかし、今度はサルゴンの肉体を解析しようとはしなかった。
それは、彼の魂を探し始めた。
光線がサルゴンの身体を通過した。
何も起こらなかった。
魂は現れない。
霊的な核も反応しない。
隠されたエネルギーの痕跡すら現れなかった。
古代のシステムは再び探索した。
そして、もう一度。
そのたびに、結果は失敗に終わった。
「魂――存在せず」
「霊的基盤――存在せず」
「現世存在――不完全」
サルゴンは沈黙したままだった。
やがて、光線がゆっくりと後退した。
閉じた瞳の紋章が白く染まった。
「空白――確認」
三つ目の紋章は、まだ暗いままだった。
空虚な円。
最後の試練。
ガーディアンの声が、さらに低くなった。
「第三の確認:破壊なき虚無」
星金属コア・マトリクスの小さな断片が縦穴から浮かび上がり、サルゴンの前へと漂った。
その表面は周囲の闇を映し出し、あらゆる光の痕跡を吸収していた。
ガーディアンは続けた。
「境界を取り除け」
「対象そのものを消去してはならない」
「遺産を破壊することなく、虚無を開け」
サルゴンの目が細められた。
これは単純な力の試験ではない。
精密さの試験だった。
ソヴリン・ヴォイドならば、この物体を瞬時に消去できる。
だが、この試練が求めているのは、対象の存在そのものと「境界」という概念を切り離すことだった。
サルゴンは浮遊する断片へ手のひらを当てた。
指にはめられた指輪が回転した。
金属の中心に、小さな黒い点が現れた。
周囲の光が、その一点へ向かって歪んだ。
サルゴンは自身の権限を、一本の制御された糸へと集中させた。
彼は星金属コア・マトリクスを消去しなかった。
内部構造へのアクセスを妨げていた「境界」だけを消去した。
外殻が崩壊した。
塵になることもなく。
破片になることもなく。
純粋な「不在」へと変わった。
内部のコアだけが残った。
闇の中から眩い銀色の格子構造が現れ、何百万もの相互接続された星金属の経路が姿を現した。
空虚な円の紋章が燃え上がった。
「第三の確認――承認」
造船所全体が目覚めた。
水没した巨大区画全体に古代の照明が灯った。
製造プラットフォームが海底から浮上した。
巨大な組立アームが壁面から展開していく。
長きにわたって死んでいたシステムが、一つ、また一つと再起動した。
青と紫の静かな光の波が施設全体を流れていった。
【通知:祖先認証――完了。】
【遺産へのアクセス――許可。】
【主要資産を解放:第一時代・星金属コア・マトリクス。】
【副次資産を検出:アヌンナキ造船所・指揮権限。】
【警告:完全指揮権限は依然として封印されています。】
【必要条件:失われた三つの指揮紋章を回収してください。】
サルゴンは手を引いた。
星金属コア・マトリクスはアル・メラージュ号へ向かって浮遊し、船の前方船体の前で停止した。
その銀色の格子構造が無数の細い糸へと分離し始めた。
それらは黒曜石の船体全体へ広がっていった。
だが、すぐに接続することはなかった。
まるで船そのものの構造を測定しているかのようだった。
アル・メラージュ号のシステムが反応した。
【解析:互換性のある第一時代建造構造を検出。】
【潜在的アップグレード経路を確認。】
【船体強化。】
【ステルス絶縁。】
【防御障壁再構築。】
【ダークマター・エンジン安定化。】
【時間帆強化。】
カエレンは驚愕しながら表示された情報を見つめた。
「君主様、この素材ならアル・メラージュ号を変えることができます」
サルゴンは目覚めた造船所へ視線を向けた。
「違う」
彼は静かに言った。
カエレンが彼へ振り向いた。
サルゴンの虚無の瞳には、巨大な銀色の格子構造が映し出されていた。
「これは船を変えるだけではない」
中央プラットフォームの下に、古代の指令室への入口が開いた。
その奥には、さらに深い闇へと続く巨大な階段が姿を現した。
階段の最下部に、三つの遠い光が浮かび上がった。
一つは赤。
一つは紫。
そして一つは金。
サルゴンはゆっくりと玉座から離れた。
造船所は彼にアクセス権を与えた。
だが、それだけですべてを与えたわけではない。
真の遺産は、まだその下に存在していた。
「カエレン」
サルゴンが言った。
「はい、君主様」
「下層探索艇を準備しろ」
カエレンは頭を下げた。
「御意のままに、君主様」
サルゴンはもう一度、造船所の下に浮かぶ三つの光を見つめた。
現代の諸神殿は、第一時代はすでに滅び去ったと信じていた。
その武器は消え去り、その知識は失われ、その末裔もまた、忘れ去られた歴史の中へ消えていったのだと。
だが、太陽なき星海の底で、古き遺産は再び目覚め始めていた。
そして、古代施設の深奥のどこかで――
何かが、自らの君主の帰還を待っていた。




