食堂でオカンと呼ばれている僕が、服を買いに行く話
シャリテとの初めての依頼も終わり、かなり大きな臨時収入が入った。
僕としてはもう少し少なくても良かったのだが、カドリフォリエの皆さんがぜひ貰ってほしいと言う事で貰ってしまった。
そのため、今日は買い物をしようと思う。
もちろん買うのはシャリテの物だ。
ただ、私物は今買うわけにもいかないのと。
そういうのは、出た給料で買ったの方が良いだろう。
なら、何を買うかだが。
主に服になる。
「今日は服買うだけ?」
「そうだね。最低私服三着と、作業服も三着欲しいかな」
計六着を今日中には買いたい。作業服はパトリも買っているお店なので、あるとは思う。
しかし、女の子の私服は見ていなかったので、どんなのがあるかわからない。
それに、センスがあるわけではないので、似合ってるしか言えない自信がある。
別に、今着ている服でもよかったのだが、体の大きさの為か少しダボッとしてしまう。
だからこそ、早めに新調しておきたいのだ。
服屋につくと女性の店主が迎えてくれる。
「あれ? パトリちゃんじゃない」
「パトリちゃんはやめてよ、おばさん」
「お・ば・さ・ん?」
「お姉さんですはい」
三十歳と言っても、十四歳離れてるのだ。正直おばさんのほうがしっくりくる。
「それで、お姉さん。本題なんだけど、この子の作業着と私服三着ずつ欲しいんだけど」
「作業着って食堂の?」
「そうだね」
「あら、人雇った……犯罪はダメよパトリちゃん」
お姉さんは、シャリテを見ながら、パトリの肩に手をを置いてゆっくり優しく話す。
「ちょっと待って!? そんなことしてないよ!」
「なら奴隷でも買ったの? あんなかわいかったパトリちゃんの性癖が歪むなんて」
「ひどすぎでしょ! このおばさん!」
なんで、シャリテを雇ったのかなどを一から説明し、それを面白そうにお姉さんは聞いていた。
「なるほど、行き倒れね」
もちろん。魔族の部分は伏せて話しているので、ちょっと話に嘘を混ぜているが、仕方ない。
「それに、二年前の僕を見てるみたいで、ほっておけなかったんだ」
「それは……そうね。でも、まず大人を頼ってほしいわ。パトリちゃんはもう立派になったけど、心配してない人はこの街にはいないのよ」
「わかってるよ、お姉さん」
元々食堂は、パトリの両親が経営しているものだった。
しかし、二年前その両親が亡くなり、泣いているパトリを常連や町の人々は心配していた。
それは、今でもだ。
「でも、大丈夫だよ。僕も立派なパトリ食堂の店長だから」
「立派になったわね。おばさん涙腺脆くなっちゃって、泣きそうだよ」
「自分でおばさんいっちゃってる……」
「わかったわ! 新しい従業員のシャリテちゃんの服を用意するわ!」
打って変わって、明るい雰囲気で話し始めるお姉さん。
「確か、十歳ぐらいのサイズもあったはず」
そして、おもいっきりシャリテの年齢を間違えるお姉さん。
「すいません、お姉さん。シャリテ僕と同い年なんです」
「え!? 噓でしょ!」
「本当です。見てくださいシャリテの顔を」
シャリテはいっぱいの涙を貯めながら、頬を膨らませながら、ぷるぷると震えている。
「ご、ごめんね! 大丈夫よ、若く見える方が得するのよ。私なんてもうおばさんなのよぉ」
お姉さんは、お姉さんで嘆き始める始末。
ここが地獄かもしれない。
「作業服は、どうにかなるけど。私服はパトリちゃんに選んでもらいましょうか」
「え! なんでですか!」
「当たり前でしょー。女の子の似合う服を選ぶのは、男の宿命よ。勇者になったら魔王を倒すのと同じぐらいね!」
「意味わかりませんよ!」
そんなパトリの抵抗もむなしく、お店の裏側へ引きずり込まれる。
そして、一時間以上拘束され。ひどくやつれたパトリが、歩いているのを目撃されたとか。いないとか。
~シャリテの服選び~
姉「清楚系の服装。布面積多いけど、その中でたまに見える生足!」
パ「かわ……いい!」
シャ「恥ずかしぃ」
姉「ゴスロリ衣装! 乙女の秘密を黒い服で隠しちゃう!」
パ「かわっ!」
シャ「はずいぃ」
姉「製作者不明!らんどせると言うリュックに、黄色い帽子!」
パ「こ、これは犯罪の匂いがします!」
姉「合法よ! 安心しなさい!」
シャ「はじゅかしい」
姉「ふざけてるんじゃないの?」
パ「いや、よく考えてみてください。こんだけかわいいのなら何着てもかわいいでし ょ(真顔)」
姉「確かに(真顔)」
シャ「はじゅ……(赤面)」




