4/10
緑
緑は何も言わない
風が吹けば揺れて
雨が降れば受け止めて
それだけのことをずっと続けている
気がついたら景色のまんなかにいる
呼んでいないのになくてはならない
緑に触れるとほっとする
理由を聞かれても
うまく答えられないけれど
確かにそうなる
笑うと場が和むそういうものがある
何か特別なことをしているわけじゃない
ただそこにいるだけで空気がやわらかくなる
しなやかさというのは
曲がることを恐れないことだ
折れないのではなく折れ方を知っている
春に芽吹いて
夏に茂って
秋に色を変えて
冬に静かに待つ
どの季節も緑は緑のまま
無理をしていない
そういう緑が隣にあると
どんな色も少し息がしやすくなる
何も言わないまま
いちばん大切なことを伝えている




