3/10
赤
赤はいちばん前にいる
風をいちばん受けるのが
先頭だと分かっていてもそこを選ぶ
炎が燃えるのは自分のためじゃない
あたりを照らすために
あたりをあたためるために
ただ燃えている
情熱というのは叫ぶことじゃない
消えないことだ
どんな夜も
どんな嵐の朝も
赤だけは冷めない
太陽が赤いのは昇るときだけじゃない
沈むときもその間ずっと
赤く燃えている
引っ張るんじゃなくて
前にいることで
後ろが迷わずついていける
そういう赤がいる
声を荒げなくても
その存在だけで場の空気が変わる
散るとき
いちばん美しい花も赤い
燃え尽きることを怖がらないから
赤はいつも本物だ




