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私立エルガー学園!!  作者: ぷりお
第一部
62/70

第五十九話 生徒会長クストさん

感じ→漢字

漢字が違っていたの漢字が違っていて、どうするんですかね。クストさん、隣で誤字報告してくれ!!



「じゃあ、このまま生徒指導室で15万文字反省文書くまで、帰っちゃダメですから。」


ラッツェルはジト目でアダムを見送り、ジーネンには丁寧に挨拶をして、教室の扉を閉めた。


「…………オワッチャッタ」


これは、アダムくんである。しかし、頭をわしゃりと触る手があった。


「なんとかなるわよ。とにかく、15万文字頑張って帰ってきなさい。」


そう言って笑うのは、死んでしまう系母親の髪型のジーネンであった。


「むふふ。むふっ!」


そう言って、アダム達の前で満足そうに息を漏らすのは、三者面談順番待ちのメサちゃんと、保護者役のフェスターであった。


「げっ!フェスター!!」


アダムである。


「えっ!この人達職場の!?」


そう驚くのはジーネンであった。


「そうです。お義母さま。メサイア・アルメイアです。いつもお世話になっております。」


メサちゃんは、アダムに相変わらず話しかけず、ジーネンにお辞儀をした。ジーネンも急いでそれに返事をして、また綺麗になってと付け足した。


「そして、私が父のフェスター・アルメイアであります。」


フェスターが椅子から立ち上がり、名刺を差し出した。

ジーネンは再び焦る、名刺など持ってきてないらだ。

しかも、その名刺には、バリバリフェスター・グリットとかいう矛盾だらけの名前があった。


「いや、あんた雑用だろ。」


そう言ってジト目で名刺を見つめるのは、アダムくん。


「てめっ!てめえっ!朝早速パワハラしようと思ったら、来てねぇじゃねぇか!ヴィーナさんに事情聞いたら、詮索しないでとか、顔赤くしてたし!あの、ヤニカス!」


フェスターは、アダムの胸ぐらを掴み、怒鳴り散らす。

そして、その勢いのまま、なぜかチューしてしまった。

本当にやめてほしい。


「むふふむふ。」


まだ笑ってるのはメサちゃんである。


「メサちゃん、いつもアダムと仲良くしてくれてありがとうね。嫌なこととかしてない?」


ジーネンは、メサちゃんを見つめて、そのちっさめな手を両手で握った。


「もう、いっつも気持ちを蔑ろにされて、不倫放題されてます!」


メサちゃんである。そんなに間違っていないのだ。


「アダム、家で話あっからよ。」


最早、女盗賊の長の風格である。


「お前!俺がどんだけこの日を待ち侘びてたか!プチュッ!ジュルルルルッ!ブチュルルルルルル!」


「ちょ、息が!息ができなっ!ブチュルルルルルル!」


「ブチュルルルルルル!!はあっ!はあっ!ジュルルル!おまえ、ミルクティー飲んだな!」


「そんなはずかしっ///////////ジュッポ!ジュッポ!」


「まてよ!にがさねぇぞ!ブチュルルルルルル!」


「い、いやっ!ジュルルルジュルルル!!」


「ブチュルルルルルル!」

「ジュッポ!ジュッポ!」


怒涛の8連撃やめろ。


「鼻も舐めてやる!!」


フェスターである。は、吐き気が………


「ねぇ、二人ともそれほんとにやめて。きつすぎるわ。」


今まで聞いたこともない、メサちゃんのガチトーンであった。ジーネンは、最早何も見てない体で、虚空を見つめていた。



「メサちゃん、そういえば次か。」

「……………………。」

「ねぇ、メサちゃん。」

「………………………。」

「ねぇ、なんで学校だとそんな頑なに喋らないの?」

「………………………………。」


メサちゃんは、ジーネンとフェスターとは会話をしたが、アダムとは一切会話をせず、ただ笑うのみである。


「お前、それ本当に忘れてるの?」


フェスターが、アダムに信じられないように言った。


「…………?すいません、よくわかりません。」


アダムは心底不思議そうにした。口の辺りがベタベタしていた。

もう、これ以上の描写は控えとく。


「ピキピキ!ムキっ!メチャクチャ、イライラ!!」


笑顔のままどんどんキレ始めるのは、メサちゃんである。眉間に筋が入り、血管が破裂しそうなほど肌に腕に浮き始めている。


「……………。」


フェスターはビビっていた。ジーネンも同様である。


「オマエガトリツケタヤクソク!!イライラ!!ナンデワスレル!!コノカス!!!イライラ!!」


メサちゃんのイライラオノマトペは継続中である。


「アルメイアさーん!どうぞーー!」


再びホクホクラッツェルが教室の扉から顔を出した。


「ン………?お前は早く生徒指導室だよ。」


そして、立ち尽くすアダムくんを見て、冷たく言い放ったのだ。



***



アダムくんは、ジーネンさんと別れ、一人生徒指導にやってきた。

リュックと重たい書類と、顔についたフェスターの唾液。


扉は、空いている。教室の後ろから入室すると、冬の寒気が窓から差し込んでいた。

しかし、アダムくんは暖房の不自然さを、吹き飛ばすこの寒気は好きである。


椅子を引いて、座席に腰掛ける。

時刻は十四時。


『1時間居眠りして、窓から脱走!ヨシ!!』


アダムの内心である。無理である。三階の教室なのである。現に、証明として枯れたてた木に、かろうじて一枚の葉っぱが吹き飛ばされまいと、必死に枝にしがみついていた。


「一人は気楽だな!!」


そう叫んだ時、扉がガラリと開いた。

しかも、黒板の近くの扉である。


「はい、こんちわー。」


その姿、桃色の髪色。いちごのパンツ(見えてない)そして、スカートとカーディガン。


そう、生徒会長のクスト・レギンさんが、アダムの反省文顧問として選ばれたのであった。


「帰ります。」

「ダメに決まってんだろ。」


アダムの宣言が始まる前に、クストが言葉を上乗せした。


そうして、地獄は始まった、


「くっそ!うわ、くっそ!何も書けねぇよ!反省することなど、無いほどに清らかに生きてしまっているからな!!」


アダムは机に突っ伏して、ペンを握りながら突如叫んだ。

監督官として、机で漫画を読んでいたクストは、ビクッと肩を揺らす。


「なんだぁ!?」


クストは驚いたように立ち上がり、アダムの白紙の山を見た。


「はぁ、なんだ。白紙か。」


確認すると、この人は監督官である。


アダムくんは、そんなクストさんをチラチラと見つめた。

ウトウトとしながら、必死にハッと目を覚まし、ほっぺをパンパンと叩いて、再び漫画に向き直って、三秒でウトウトする様は、非常にチャーミングである。


「んー?進んでるかー?」


クストであった。


「いえ、白紙です。」


正直なのは良いことだが、さっさと書けというのは、この場の総意であろう。


「はぁ、ねむ。ぶっしょーーーい!」


クストは、欠伸をした後、すぐにくしゃみをぶちかました。


「んぁ!?なんだぁ!?」


鼻提灯をその音で砕かれ、びっくりして飛び起きるのは、アダムである。いや、書けよ。



***



「1時間経ったぞー。書けたか、問題児くん。」


クストは手元の漫画を置いて、教壇からアダムの元へ向かう。しかし、もうその途中でアダムが机にうつ伏せになって寝ているのを見て、頭を引っ叩いた。


「ん!?!なんだぁ!?」


再びアダムくんである。ヨダレが用紙に張り付き、ダメになる。しかし、60万文字分の用紙があるので、一枚程度どうということはない。


「おまえ!?ちょ、おま、おまえ!おまえこれ白紙じゃねぇか!ばか!この、ばーか!おまえ、1時間一緒にいたんだぞ!?は、はくし!?それではくし!?なんではくし!?」


クストは机をバンバンと叩き始めて、アダムの体を揺さぶり始めた。アダムの鼻提灯が揺れて、クストのカーディガン越しのめちゃくちゃに良い匂いが、鼻腔へ触れた。

そうなのだ、布生地の服。特に冬物。それらの良い匂いの力は凄まじい。ちなみに、アダムくん曰く、ヴィーナさんはめちゃくちゃ良い匂いとタバコの煙さが混在してるらしい。


クストは柔軟剤と、お日様の匂いとのこと。


「僕はね。まともなんですよ。クストさん、本当に僕たちの旅の記憶を、無くしてしまったんですか。」


アダムくんは、ノンデリなので、メタメタするしタブーに抵触する。しかも、あくまで抵触だからと、ベタベタと触れる。例えるならば、試食を5周するカスと言ったところだろう。


「知らないよ。そんなの、三時だからおやつ食べよー!」


クストはそう言って、アダムの隣の席に座り、足をパタパタさせながら、ア○ロチョコの箱を取り出した。


『パンツ、チェーック!!』


アダムである。反省文のネタが一つ出来たのだが、彼の知るところではない。



『いちご!!』


最低。


『チョコもいちごで、パンツもいちご、ギロチンの刃もひかり、クストさんのパンツもひかる………

タシロオオオオオ!あとはお前一人でやってみなー!』


早く反省文書けよ。


しかし、アダムくん。冬の曇り空と寒気を背に、嬉しそうに隣でチョコを頬張るクストを見ると、心がほっこりして、青春を感じた。


『アホハルの呼吸、一の型・痴漢免罪』


なんでそっちなんだよ、卍解した方が似合うだろ、

痴漢免罪は。

アダムくんは、どうやら校長室での尋問を根に持っていたらしい。しかし、事実痴漢である。


『卍解!!架空妄想犯罪列挙電車・絶・痴漢免罪』


本当にしなくて良いし、ただの社会風刺もどきの偏見である。

これを反省文に書くというのはどうだろうか、おそらく隣の乙女にぶっ飛ばされるだろう。


「………ねぇ、書いてる?私プライベート潰して付き合ってやってんだけど。ペン回ってなくない……?」


クストはめちゃくちゃジト目で、未だ白紙の紙を見つめた。


「っさいよ!今書いてんだ!!おせっかいだよ!!」


アダムである。クストの視線を振り切り、ようやく紙をペンで叩く音が響いた!


「おっ、やっと書いたか!どれ、見せてみ!」


クストさんは、チョコを机に置いて、アダムくんの机に体を預けた。そして、アダムくんの左腕に、カーディガン越しの控えめなお胸が、ムネッとね。


そして、とてつもなく良い匂いと、サラサラの髪の毛が口と鼻に触れた。


『反省文に、この劣情を………!』


アダムの内心である。書いても良いが、最早ただの痴漢である。有害指定作文となるだろう。


クストは、瞳をキラキラさせて、その文章を見た。


「題名 私は女性達の免罪で、搾取された。」


クストはこの、深夜ドキュメンタリーじみた文章を見て、

アダムをぶん殴った。


「てめぇ!私の初めて(パンツ拝見)を奪っておきながら、なに被害者面してんだ!ぶっ殺すぞ!!」


クストである。ガチギレしたところを見たことなかったが、本気でキレるとこれである。良いお母さんになりそうだ。


ぶん殴られたアダムは、仕方なさそうにも取れるし、

やれやれと言ったようにも取れるし、また、暴力です、か。と言ったような諦観の表情で、椅子から転げ落ちた。



「あほ!もう知らない!!」


クストは叫び、教壇に戻ってチョコを頰一杯に頬張り、ブツブツと文句を言っていた。


別に、教室から出て行くことはせず、ただもしゃもしゃとチョコ食べて、椅子から転げ落ちたままのアダムを見ていた。


もしゃもしゃ。モチャモチャ。

もしゃもしゃ。……………モチャモチャ。

…………モチ。もちもち………。


「当たりどころ悪かったか……?」


クストは申し訳なさそうにして、アダムの側に寄ってきた。



『力よえーw』


アダムである。感想が、肩パンし合う19歳ヤンキーである。クストさんは、机を掻き分け、諦観で倒れ込んだアダムの元へ向かってきた。


「おい、本当に大丈夫……?」


そして、倒れたアダムの頬に触れ、しゃがみ込む。

アダムくん、それを受けて胸がキュンキュンし始めてしまったのだ。エ○ゲの主人公なのだろうか、こいつは。


『私、クストさんと婚約確定してるから、にいさ……アダムころす』


この物騒な内心は、どこかでテレパシーを送るもちもちイブちゃんのものである。


アダムは、自身の頬に添えられた手にそっと、腕を重ねた。女性特有の控えめな手には、確かな体温があり、

爪がスベスベ滑らか、肌もスベッスベでニベ○塗った匂いがして、めちゃくちゃ良い匂いでペタペタしてて!

とにかく興奮した。


「く、クストさん……。思い出して……僕たちの記憶を………」


ゲーム終盤のセリフなのだろうか、エ○ゲは音楽が良いものが多いので、メインテーマはおそらくここで流れるだろう。


ちなみに、アダムくんは部屋でそれ系のゲームをして、ジーネンの足音が近づいた時、某お姫様ブレードの必殺奥義、ママキタボタンを使用している。


説明すると、このママキタボタンとは、特定のコマンドを押せば、エ○画面から、テンプレrpgのマップに早替わりする、現代デジタルニンポウなのだ。


「お、覚えてないよ!そんなの!」


クストである。うそである。記憶は曖昧だが、因果地平のこの先の空間、覚えていない筈がないのだ。


「くすとふぁん…………(泣)」


アダムは涙を滲ませ、再びスカートに手をかけようとして、蹴り上げられた。


「ばか………!」


アダムくんは、早速その暴力の過程を反省文に書き込み、

クストにそれを引き裂かれた。


「まともな文章かけよ!」


アダムが座り直し、はぁとため息をついた頃、クストはアダムの隣に席を持ってきて、チョコンと座った。


「……………。」

「かきなよ。」

「…………。これは、エ○ゲ展開だな。」

「ラッツェル先生に録音してるから、全部言いふらすからね。」


アダムくんは、人権はないんですかと、反省文に書き綴った。五千文字ぐらい、この不平不満で埋まった気がする。

それ、ほぼネットで出回ってる、カミー○の反省文じゃん。


「あ!」


クストが、アダムの横から書類を見て、でかい声を出した。クストはちっちゃいので、頭がぴょこぴょことアダムの側で動いている。


アダムは、ちょっと髪の毛の匂いを嗅いだ。

はい、痴漢。そろそろ許されない段階である。


「お前、ここ漢字ちがうぞー。」


クストが、指を刺した先、確かに漢字が違っていた。

痴漢の文字である。この時点で文章で弁明してるのがわかる。


「あ、こりゃどうも。」


アダムはそう言いながら、消しゴムでその二文字を消した。まるで、それで自分の痴漢が消えるかのように。


『いや、消えないから。』


クストである。正解である。


「……………。」

「………………。」

「……………………。」

「…………………………。」



ただ、ペンがカタカタと机を駆ける音が暫くして、

二人の息遣いは共振し始めた。

クストが間違いを指摘し、アダムくんは直す。

時には、クストが消しゴムを持って、アダムくんの間違いを直す。二人寄り添ってのことである。


「クストさん……本当に、忘れちゃったんですか……?」


アダムは、もう一度だけ聞いた。これで最後とした。


それを受けたクストは、アダムの顔を見て、目を見開いていた。それは若干揺れ動いているが、動揺と照れである。


『テレテレしちゃって!』


おい。



「忘れるわけないじゃん……。覚えてるよ、みんなのこと。」


クストはニカっと笑った。そして、アダムくんもそれに応えた。


そして、覚えてるからこそ、レンタルビデオショップの店員のスタームにアタックしていると付け足された。



「………………………。」


アダムくんは、それを受けて沈黙した。

会話分岐、クストルート封鎖。


アダムは、寝取られの劣情を、反省文に14万文字書き続けた。それを横で訂正していくのは、クストちゃんである。

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