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私立エルガー学園!!  作者: ぷりお
第一部
53/70

第五十二話 しりません。




「……………。」

「………………。」

「//////////////////」

「///////////////////」


テレテレしちゃって!である。

スクリーンから退出した、アダムとメサイアは、二人とも顔を真っ赤にしながら、その改札みたいな、チケットを切られるところを出た。


再びポップコーンの匂いが二人を包むが、アダムは、メサちゃんの、おそらく唇を感じた頬を、何度も撫でていた。


「恥ずかしいから……あんま撫でないで。」


メサイアは、汗をピヨッピヨッさせながら、顔を赤くして呟いた。


あ、そういう感じなんだねと、地の文は書きながら思ったものだ。


『これは、もう付き合っているのでしょうか。』


アダムの内心であった。

認めたくはなかった。うちの可愛いメサイアちゃんを、この男に差し出すことは。しかし、アダムくんもアダムくんで、地の文の可愛い子供であったので、アダムくんも差し出したくなかった。


「さっきのは、チューでしょうか。」


アダムであった。普段は鈍感な癖に、こういう場面では直球でいくのが、主人公の座に手をかけながら、ファイト一発してる所以だろう。


「…………………ちがいます。」


メサイアの返事はちがいますであった。

メサイアが違うというので、違うのだろう。


「!?!???!!?!??!じ、じゃあなんですか。」


アダムくんは、心臓がバスバスであった。

殴られる、サンドバッグのようなオノマトペである。

この、焦ったい感じ、アダムくんは先の映画を思い出して、ドキドキしてくるのだ。


いや、ハマってるじゃん。


「……わかりません。」


メサちゃんの声は、とても震えていて、恥ずかしさが臨界しているのが、アダムにも分かった。

ここが、押す場面だと、アダムは思う。

先程まで、ユナに欲情していた男であるが、据え膳精神であるらしい。うちで、全愛情を注いで育てたメサイアを、据え膳扱いであるのだから、こいつはかすである。



「メサちゃんは、僕が好きなんでしょうか。」


時刻は15時12分。大勢の人がアダムとメサイアに向かって行ったり、逆に背中から追い越すようにして、映画館を出入りして行く。


アダムとメサイアは、映画館の自動ドアの先で、外のひんやりとした空気で肺を洗浄しながら、ポツリと立っていた。アダムくんの心臓は、破裂寸前であり、メサちゃんも顔を茹でタコにして、心臓の音が、外音の全てを塗り潰していた。


「………知りません。」


メサちゃんが言った。


「これは、お突きあい……あ、間違えた。お付き合いしているのでしょうか……。」


グイグイ行くのは良いことだが、アダムくんは、最低な言い間違いをして、瞬間で修正する。下心を充満させる男というのは、往々にして、頭に思ってることを、無意識に口に出してしまうのだ。

しかも「あ、間違えた」と言わなければ、バレない場面であった。


「…………。は………あ、間違えた。知りません。」


なぜ、間違えの修正をいちいち口に出すのだろうか、このポンコツ共は。

メサちゃんの返答は、さながら精度がカスのア○ネーターであった。


「知れる方法は、一体どうやったら知れるのでしょうか」


カスの英語翻訳のような文体であるが、中々良いクロスを入れるアダムくんである。


あとは、ヘディングで決めるだけである。メサちゃん。


「…………男の人が、言うことがありますから、知りません。」


メサちゃんのお返事であった。まさかの、クロスから入ったボールを競り合いながら、メサちゃんがヘディングで流し込むのかと思えば、突如、背後から抜け出してきたトップ下の選手に向けて、ボールを落とすメサイアであった。


何を言ってるんだろうか、本当に。

サッカーの話は、f○26の出来が最悪であったので、喋るのはやめて欲しかった。来年はおそらく買わない。


あとは、ゴール前でワンバウンドしたこのボールを、慎重に、小さなモーションで、ダイレクトで叩き込めば良いだけである。アダムくん。


「…………す、す、す…………」


ピロン!!突如、アダムのスマートフォンに、バナナトークの通知が鳴り響いた。


「やべ、門限か!?」


まだ、昼の3時であるのだが。

画面を開くと、ユナちゃんからの初メッセージであった。


『私に、色々任せてよ!!』


ユナちゃんからのメッセージは、これだけで、自身のデフォルメスタンプで、サムズアップスタンプも、共に送信されていた。


「え!え!?え!?う、浮気!?浮気、これ!これ、うわき!?」


突如、メサイアは狂ったように叫びは始める。

まさかの、ゼクシィ編達を飛び越え、7年後に予定されていた、山に男3人連れて浮気放題フェスティバル編開始のゴングであった。


「ちょっと、待って!呼吸して!浮気って、まだ僕達付き合ってないんだよね!!」


二人は、またイチャイチャし始める。そして、アダムくんは何を思ったのか、ユナちゃんも両捕りできるとでも、思ったのだろうか。カス発言をし始める。


「ほっぺにちゅーしたんだぞ!!!!!!!!!!!!」


メサちゃんのクソデカ声であった。税金で旅行に行ったのがバレて、問い詰められた議員のような問答しかしていなかったメサイアは、突如覚醒を始める。


「これが、若さか。いいな。」

「あぁ、いいな。」


突如、地の文の言いたいことを代行する、新訳っぽい

サングラスノースリーブと、聖人艦長が現れた。

帰ってください、著作権が心配なのだ。


「さっきのは、チューなんですね!!」

「はい!!!!!!!」

「じゃあ、僕達付き合ってるんですね!!」

「しりません。」


メサちゃんは、引かなかった。なんとしても、アダムの口から言わせなければ、満足出来ないらしい。

なぜなら、アダムはこの通り、若干浮気癖が見え隠れしている。血判など、血を紙に置いたもの、なんの証明になりましょう、なのだ。だから、アダムの方から、○○させて、言質を取り、メサちゃん幸せルート開拓なのだ。


「じゃあ、じゃあ!ユナちゃんと連絡する!現役アイドルと、連絡する!」


言い方きも。


「あっ!あっ!あっ!あっ!」


メサちゃんは、叫びながらアダムの両腕を揺らす。

なんなのだろうか、これは。


「揺らすのやめて!」


アダムは叫びながら、キーボードをタップする。

メサちゃんも全力で、アダムに抱きつき、文字入力の邪魔をした。指がスライドし、キーボードのさを上にスライドして、『す』が出た時、予測変換に『スケベしようや』という、カスの文章が入力される。


なぜ、このようなパ○活おじさんでも使わない言葉が、変換に出るのか。メサちゃんは、動きを止めて、めちゃくちゃジト目でそれを見つめた。

アダムくんの抵抗も、同時に止まった。

突如、尋問が始まる


「あ、あの。これは人に送ったものではありません。」

「じゃあ、なんなの。これ。」


お下劣セクハラカス精度のア○ネーター堕ちしたのは、アダムであった。メサイアの形成逆転である。


「何に送ったの、スケベしようやなんて。」

「…………………ブツブツブツブツ」

「ブツブツ言ってても、何もわからないから。はっきり喋ってよ。」


アダムは、自分の腕にほっぺを押し付けて、問い詰め続けるメサイアを見下ろして、滝のような汗を流し、服に取り付いていたノミが、その汗で滝修行を始めた頃。


「美少女アニメチャットゲームで送りました。」

「はい、浮気ポイント2。」


浮気ポイント2ということは、ギロチンである。


「試しに送ってみてよ。ほら、スケベしようやって、ユナさんに。送りたかったんでしょ?だから、予測変化に、こんなの出るんだよね。」


「いえ、メサちゃんに送りたいです。」


「今更、そんなの無理だから。誤魔化さなくて良いから、送りなって。スケベしようやって、現役アイドルに。」


メサちゃんの問い詰め方は、とても怖い。鬼嫁である。


「メサちゃん、好きです。付き合ってください。」


アダムくん、最後の賭けに出て、いとも容易く、そして気安く告白を行った。ショットガンのような、下○のような告白であった。例えが汚いし、多重比喩で最早何を比喩したいのかも、わからなかった。


メサちゃんは、それを受けて、一瞬頬をポッと赤くした。アダムくんは、いけるかと思ったが、メサちゃんは再び瞳からハイライトを消し、スンとする。

そして、再び頬がぽっと赤くなり、アダムは再びきたか!と叫んだ。しかし、2秒後には再びスンである。


「はいはい、大丈夫だから、こっちおいで。」


アダムくんは、ねこかわんこを宥めるように、メサイアを自分の体に抱き寄せた。


さっきから、アホみたいなことを入り口でしているせいで、注目を浴びるし、自動ドアが何度も開閉していた。


メサちゃんは、アダムくんの制服のタイに自分のほっぺがぎゅっされる。アダムは、メサちゃんの前髪から後ろの、髪の毛といい匂いを感じられて、二人とも満たされた。


しかし、メサちゃんは諦めない。

瞬間でアダムのスマホをスライドし、スケベしようやをユナに送りつけた。


「あちょ!あちょ!!」


アダムは叫びながら、送信取り消しを押し込む。

しかし、すでに既読がつけられていた。


――次の瞬間、ユナのトーク画面はエラーが起き、バナナトークを再起動すると、ユナが送ったメッセージとスタンプが残されて、「ユーザーが存在しません」と言う表記と、アイコンが初期アイコンになっていた。


3秒の出来事であったが、アダムはブロックされた。


「ブロックはえ。ブロックはえぇわ。ブロックはえ。」


アダムくんは、ショックで壊れたマシーンのように反芻する。


メサちゃんは、ムフーと、白い息を吐きながらアダムの腰に抱きついていた。

アダムくんは、大事なものを失った喪失感と、体に抱きつく爆美女の匂いに包まれて、なんかどうでも良くなってくる。


爆美女って言い方、きも。


「僕達、付き合ったってことでよろしいのでしょうか。」


アダムは、最早無敵の人であった。


「しりません。」


メサちゃんは、会見で追い詰められた議員であった。



――続く

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