第四十三話 アダム(手未洗浄)vsヤクザ(手未洗浄)vs転生ショタジジイ
誤字の宝石箱やー!
メサイアちゃんは、アダムの体重が、自分に少しかかったことを、自分の首元に彼の鼓動と、両腕に彼の腕が覆い被さったのを見て、感じ取る。
ほっぺが真っ赤っかになってしまって、胸をドキドキさせながら、メサイアちゃんは、自分が言い出したことであると、胸の中で小さく呟き、前方のレバーに視線を落とす。
しかし、それであっても、メサイアちゃんのまっちろいおててには、アダムの少しゴツゴツして、数日前に握り続けたそれが、覆い被さってくるのだ。
メサイアの手は、まっちろく、モチモチとしていて、
爪も短く切り揃えられている。それに比べて、アダムくんの手は、骨が出張ってゴツゴツとしていて、爪はまだらであり、要約すると、汚かった。あと、手を洗っていないはずだ。
小便を先程、けつ丸出しで斉射したアダムくん。
手を、洗ってはいないはずだ。
………………。
ち○ち○触った手でメサイアちゃんの手に触れてるのだろうか。
しかし、その土遊びを終えたような子供の手を、そのまま大人として成長させたような手であっても、メサイアちゃんは、その温もりと自分の温もりが合わさるのを感じると、胸がキュンキュンする思いであった。
温もりと言っても、不衛生極まりない温もりである。
そして、制限時間はあっという間に過ぎてクレーンは、メサイアとアダムの挙動を待たずに、ぬいぐるみの下敷きとなったカラーボールの山に、その三本の鉤爪を埋まらせたのだ。
何をやってんだこいつらはさ。
「アダムくんが、モタモタしてるから、制限時間がきちゃったじゃん。プイッ!」
「ごめん、メサイアちゃんの手がもちもちすぎて。」
メサイアの言葉に続く、アダムであった。
手のもちもちの感想を呟く前に、手を洗うべきではないのだろうか。
『メサイアちゃん、髪の毛も良い匂いで、服からも女の子みたいな香りしてたなぁ。手もモチモチで艶々でぬふふふふふふふふふふふ。』
きもい。
アダムくんは、鼻毛の処理をされた鼻口をひくつかせ、メサイアちゃんの匂いを、未だ深奥に眠る鼻毛一杯に満たす。
「メサイアちゃん二回目行こっか!」
アダムが叫んだ時、トイレのあった方角から、とてつもない轟音と粗雑な怒声が響き渡った。
「あのやろぉ!!うんこを食えば、SDGSだと!?!?見つけて、叩き殺してやる!!」
「兄貴、絶対に殺してやりましょう!!」
「兄貴、絶対に殺してやりましょう!!」
アダムと便所で言葉のドッグファイト(一方的チクチク)を繰り広げたヤクザが、ようやっと、猫背でサングラスを被り、黒いジャンパーに身を包んだ姿を、クレーンゲームの隙間から露見させたところであった。
ヤクザ1と、ししとう2であった。
トイレの先でアダムとレスバをした男は、れっきとしたヤクザで、ししとうではなく唐辛子である。
「ちょっとあの人達怖いね。(小声)」
メサイアであった。頭の上のアダムを見上げ、レバーを共に持つために重ねた手を、唯一の頼りとしているような声音であった。
「世の中、変な人がいるもんだね。外であんな風に騒いでさ、チンピラかっての……」
「チンピラって聞こえたぞ!!この近くにいる!虱潰せ!!!」
『ライライサーー!!』
「ひいぃぃぃぃぃぃ!!!!」
ししとう二匹は、親玉のサングラスの叫びを聞いて、散開。トイレのドア越しでの籠った声でない、クリーンな本場の怒声を聞いたアダムは、メサイアの頭の前に絶叫した。
自分の行動に落とし前をつけられるのは、世の常である。自分の前には、常に雪の結晶の要領で、鏡が浮かんでいると思ったほうがいい。
アダムくんは、そんな鏡を意識しないから、鼻毛も出るし、手も洗わないんだろう。
アダムくんは、不安気なメサイアちゃんから体を離し、クレーンゲームの隅で、頭を抱えてしゃがみ込む。
「え、なにしてんの。」
メサイアちゃんの声は冷たく、アダムの背中に突き刺さる。
彼女のちょっと甘ったるさを交えたような声ではなく、ただ冷たかった。
『俺の、俺の苦心を知らないでさ!まるで、俺を情けない奴のように見下ろして!メサイアちゃん、やっぱり僕のこと、見下してんじゃないの!?』
まるで、見下されることがおかしいかのように騒ぐのはやめて欲しかった。
全てアダムくんの、小便欲望の暴走による自業自得であったが、そんなことはアダムくんの意識するところではない。そもそも、意識できない。手を洗えない人間だからだろう。
「おにーさん。どいてください。ユーフォーキャッチャーしたいです。」
小さな男の子の声がかけられ、アダムくんは顔を上げる。クレーンゲームの端で身を屈めるアダムくんの隣に、小さな男の子が五百円を手に握って立っていた。
「黙れよ!オラァ、今ヤクザに追われる身なんだぜ!
それを、どいてくださいだ!?人生の先輩に向かって、お前は言葉の前に、『お』をつけることすらできねぇのか!!」
さいあくだな、こいつ。
「アダムくん、サイテーすぎない。」
メサイアは、最早クレーンゲームから手を離し、アダムの横で泣き叫ぶ男の子の頭を撫でながら、呟く。
『ヤクザだぞ!?あの、ヤクザに追われているというのに、こいつらは呑気にさ!!』
全て、アダムくん自身が招いていることであった。
「お姉ちゃんーー!!」
その男の子は、途端自分の側に屈んで、頭を撫でるメサイアに抱きついた。
頬を擦り付け、胸に顔を埋めている。
…………これは、確信犯なのではないだろうか。
『この、クソエロガキが!』
地の文では、言えないことを言ってくれたので、溜飲が下がった思いである。
「よしよーーーし。」
『俺も、メサイアちゃんによしよしして欲しい……』
なら、ヤクザにドア越しとはいえ、喧嘩を売るのをやめて、手は洗うべきだろう。
「お姉ちゃん!!良い匂い!!クンクンッ!!」
なぜ、自分の作品にやってくる人間は、クズか、キモい人間ばかりなのだろう。このような子供でさえ、救いたいと思える要素を見せず、アダムのような最底辺クズ鼻ひくつかせ鼻毛丸出しの兆候を見せつけるのだ。
「よーしよし!!寂しかったんだねぇ。」
メサイアは、胸に顔を埋める子供を抱き寄せ、子供は
さらに興奮する。
寝取られではないのだろうか。そんな考えが頭によぎった時、胸がとても高鳴る思いであった。
『子供だったら、何やったっていいのかよ!けっ!』
主人公なら、何をしても良いと思ってるこいつも大概であった。
アダムくんは、光が消えた瞳でそれを見る。
ショタガキは、鼻をひくつかせながら顔を紅潮させて、メサイアの首や髪の毛にも顔を埋め始めていた。
『メサイアちゃん、早く叱ってやってくれ、先に俺に浴びせた、あの冷たい言葉をもって!!』
アダムくんは、相変わらず自分が受けた被害だけは、よく覚えている人間である。
おそらく、自分の前に広がる雪の結晶の要領の鏡を、
三面鏡にして、全て相手に向けているのだろう。
「うわぁ……!いたずら好きなんだね!」
「匂いがすきッッッッ!!」
続けてくれて、構わなかった。
『ヤクザ頼ろっかな。』
それはやめた方がいいと思う。
『クレーンゲームやろ。』
最早、ヤクザは蚊帳の外で、メサイアにめちゃくちゃ抱きついてクンカするクソガキを横目に、アダムくんはジェナちゃんフィギュアへ向かった。
「やっぱ、やっぱさ!俺を包んでくれるのは、アイドルだけだってばよ!!ジェナちゃん、僕の彼女兼、ママになってください!!!」
アダムは叫びながら、迷わずメサイアと、ぷりぷり探偵を取るためのジンバブエコインを、そのジェナちゃんフィギュアがディスプレイされた筐体にぶち込んだ。
橋渡し形式の、フィギュアお得意のあれであった。
ボタンを押し込み、真剣な面持ちでガラスの先の
箱を見つめる。
ボタンは二つ。右に向かうボタンと、奥へ向かっていくボタンであった。
『フィギュアは、全てあの特殊部隊を装ったカス共に奪われたから、このフィギュアを獲得して、ワンポイント攻撃しかない!!』
フィギュアにワンポイント攻撃とは、一体なんなのだろうか。そして、アダムはアームが降りてくる間に腕組みをして、展示されているジェナちゃん&ユナちゃんフィギュアを交互に見た。
『さて、ユナさんのパンツは青なのでしょうかねっ!』
アダムは、クレーンゲームのアームが降りているのに、景品を取るカバーに手を突っ込んで、景品獲得のフリをしながら、ユナちゃんフィギュアのパンツを覗き込んだ。
「アダムくん、なにしてんの。」
それを見下ろしながら、冷たい声音を放つのは、クンカされ終わったメサイアであった。
「パンツ見てんだ!フィギュアの!!」
アダムは、最早無敵の人であった。
ジト目になり、目の縁から涙を溢しかけてるメサイアを横目に、アダムはアームを見つめる。
二本の爪を持つアームは、ジェナちゃんフィギュアの外箱をソフトタッチで撫でて、ジンバブエコインを屑に変えた。
『手で取った方が早ぇだろ!』
当たり前だろ。
「アダムくん……もう行こうよ。ぐすん。」
「え?ショタにはもう吸われなくていいの?おわったの?男の子と交わる時間は、終わり?僕を差し置いて、これ見よがしにショタに、自分の髪やら首を吸わせる時間は、終わったのかと聞いている!!」
アダムは、学校に一人はいるネチネチ教師のような口調で、メサイアをネチネチと見つめる。
「おい!てめぇ!女泣かせんじゃねぇよ!!」
突如、ヤクザがアダムくんの胸を取り、クレーンゲームとディスプレイに叩きつけた。
正論すぎて、反論の余地なしと、この場の誰もが思ったものだ。ショタは、腕を震わせてそれを見つめていた。早く帰れと、メサイアを除いた、この場の誰もが思ったものだ。
「アッ!アッ!く、くぬぅ!く、くるぬっ!」
アダムの前に展開された、透明なバリアー型雪結晶三面鏡は、ヤクザの小指の中央から上がないゴツゴツした指によって、ぶちにぶち壊された。
彼が、トイレの個室で行っていたことは、まさしく大便であったが、無論手は洗っていない。
なぜ、揃いに揃って手を洗わないのか。
ちなみに、ウォッシュレットは使用したとこのことだった。肛門洗って、手洗わず。
「くぬるっ!ぬうっ!ぬおっ!くるぬっ!」
歌舞伎か。
「俺だって泣くぞ!そこの、ショタに好きな子を寝取られて!男だって、泣くんだぞ!!!」
アダムは、鼻水を垂らし、悔しみの涙を流した。
首を掴み上げるヤクザの腕にそれが伝って、手のウォッシングが始まった。
「え//////あ///////えへへ」
メサイアちゃん、好きと言われてめちゃくちゃ照れる。いや、えへへじゃないが。
「寝取られ?ショタ?」
先のショタであった。こんな、精神的スラムは見なくていいから、早く帰りなさい。
「お姉ちゃんの匂いが癖になって、抱きつくことが合法的に許されるこの体は、やはり素晴らしい。」
先のショタは、突然流暢に喋り出す。転生者であったらしい。中身は変態ロリコンジジイだろう。今すぐに始末しなければならない。
「このお姉ちゃん、ブロンドの髪を若干センターにしながら、おでこを少し見せているのが良いな。そして、肌は綺麗でハリがあって、純白で、瞳も大きい。しかし、大きすぎず、二重であるかそれもまた良い。そして、ブロンドの側頭部辺りの、髪も一部が丁寧に編み込まれ、後ろに流された髪の毛と、良くマッチしているな。そしてなにより、あの赤みを持ったほっぺ。産毛の一つまで除去されたまっちろい頬に、鼻を擦り付けてやりましたよ。それはもう、とても甘い匂いで、柔らかくて、鼻という鼻が幸せでしたわ!!鼻先が触れた時、頭にね、電撃がウビビビビってね!鼻筋もスッキリ、うん、とてつもない美人だな。これ、美人すぎないか。作者の寵愛受けすぎなんじゃないか。え!?作者さん、クストやジェナやユナ、ギランミ、エトセーラ、ヴィーナ、ロイヤリティ、ラッツェル、ルーラその他大勢がこのレベルだと!?い、陰キャの妄想やんけ!?いや、しかしこの女の子の匂いは味わい深かったなぁ。お花のような、柔軟剤のような、女の子本来の甘い匂いのような。くっふふふふふふふ!これを文字としてしか享受できん、作者、その他多勢の人々は、本当に気の毒だよ。私の下腹部も、ふふふ下品なんですがねぼっ………………」
地の文で言いたいことを、全て台詞で言ってくれるこの転生詐欺ショタには、感謝の二文字である。
そして、そんな有能な彼であるからこそ、次の転生先は、バイ○トン・ウェ○として、変態を司る性戦士でもやってもらおう。
「そして、お前はトカマ○のように死んでしまえ!!
この、このかす!お前は、転生をさも、セクハラのためだけのものと思っているかもしれないが、世の中というのは、甘い甘いでは続かんのだ!酸いも甘いもと言うように、必ず……くぬるっ!必ずだ!!今ある甘い経験の先に、全身に穴をあけるほどの酸が待っていると、ここで忠告しておくぞ!!この、カス転生者!!」
アダムは、ヤクザに胸ぐらを掴まれて、ガラスに叩きつけられた中で、ショタに向かって叫んだ。
地の文で言いたいことを言ってくれて、本当にありがたい。しかし、アダムくんに感謝はしたくないので、ここは無言を貫かせていただく。
無論、メサイアとヤクザには、転生者など分かるわけもなく、教える気がないので、アダムくんは完全なるキチガイと成った。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!お姉ちゃんーー!!」
詐欺は泣き叫び、メサイアのコートの下にあるスカートと、長いブーツの間の絶対領域である細めの太ももに顔の全てを押し付けた。パンツも目視したとの通信が、この管制室にも入る。
今すぐにでも、その情報は獲得したい。
「貴様がそうやって、泣き叫んで許されるのも、ガキのうちだけだぜ!!見た目の可愛さを失って、無精髭を生やし、夏場に豊満なすね毛を晒す男となれば、貴様が努力をしない限り、この世のクソのように扱われるんだ!」
アダムであった。
地の文で言いたいことを言ってくれて、どうも。
パンツの情報はまだなのだろうか。今年の夏は、まだ大した暑さもなく、ちょろいなと思っていた矢先の今日である。この暑さの中で楽しみを見出すのなら、メサイアのブラックボックスの中の、お股に食い込んだ純白の輝くおパンツの他無いのだが、その情報はまだなのだろうか。
光っているのか、光っていないのかだけでも、モールス信号なりを使って、早急に教えてもらいたい。
そもそも、コートにスカートはどうなのかという話なのだが、アレということにして頂きたい。あの、ベージュか白かなんかの、ピチピチのネックリブニットみたいな奴を着て、そこの下に同色のスカート、そこに黒いブーツをもって、太ももを挟む。これにより、絶対領域が生まれて、おパンツを覗く余白もあるというもの。
そもそも、ネックリブニットというのは、体のラインが良く出るものなんじゃないのか?メサイアの体は、控えめではあるが、そんなものを二分にしたコートから露見させるのであれば、覗かせる鎖骨と、見えそうな肩をもって、とてつもなくスケベじゃないか!!
メサイア、やるな!!
こうなると、首には黒いチョーカーなんかが欲しいな。シルバーをワンポイントに置いた奴。
アニメ的すぎないだろうか。ええぃ!ままよ!!
「…………?よしよし。」
メサイアは、再び足元に縋るショタの頭を撫で始めた。
「えへへへへへへへ!!!ままぁ!!」
「このショタジジイ!今すぐにでも殺してやる!
メサイアちゃんは、僕のママだ!!!」
「てめぇ、その叫び声、よく聞くとパセリ陰キャじゃないか!?!?お前は、俺の女にすると言っただろ!!」
「あちょ////////そんな強引に///////ブチュッ❤︎」
ゲーセンで突如繰り広げられる、ゴミの群像劇――
アダムとヤクザは、なぜか熱いキスを初めていて、
メサイアはそれを見て絶句し、詐欺は足元に縋り
顔を押し付けて、涎を垂らしていた。
★☆☆☆☆ 1.8
レビュー おすすめしません!
レビュー 全てにおいて、支離滅裂!
レビュー 展開が安っぽすぎるのと、ヤクザ役が大根すぎる。
レビュー キスシーンをもっと長くするべき
――12時
「お昼どうする?」
先の事変を終えて、ゲームセンターを飛び出したメサイアとアダムは、人の波に再び身を乗せながら、立ち並ぶビルの食堂やラーメン屋を、視線で物色し始めていた。
しかし、休日であるから、スーツを着たサラリーマンは少ないものの、やはり家族連れや中学生の集団が多い。
アダムは、自分を見上げてちょっとニコニコするメサイアと、コートの隙間から見える鎖骨と肩を見て、決心するのだ。
「コンビニで買って、地面に座って食べよっか。」
お前さ。
――続く




