第四十話 ギラエトあります。 在庫 ○ アダフェス 在庫 ×
『チューまだかな……』
『チューまだかな……』
メサイアとアダムは、抱き合ったは良いものを、唇を尖らせ、顔を近づけて、鼻息を掛け合うだけであった。
は!?!?!?!?!?!?
じゃあ、誰がチューしたんだよ!!
「ブチュブチュ、ユラ愛してるよぉ❤︎……!!」
「ブチュブチュ、私も、ナッド❤︎……!!」
駅の改札先で抱き合うメサイアとアダムの隣に、
めちゃくちゃブチュブチュしてる男女がいた。
白い息が溶け合ってるのは、この人達であった。
………………………くそ。
これって、叙述トリックですよね!?
いえ、フィッシング詐欺です。
『どうしよう、勢い任せにチューしようとか言っちゃって、ヒヨヒヨした結果、隣の人がチューおっぱじめてんですけど……』
メサイアであった。
『抱き合い続けてるの恥ずかしいな。チューはしたいけど、なんでこのタイミングでおっぱじめるのかな。
あと、チューって舌噛んだらどうすんだろ。
口臭いかな、そういえば歯磨いてないな。
鼻毛出てないかな、そういえば鼻毛一週間ぐらい
切ってないぞ』
アダムであった。
汚ねぇな色々と。あと、お前はフェスターとキスしてんだから気にすんなよもう。
アダムは自分より結構小さいメサイアを、身を屈めるように抱きつき、メサイアは屈んだアダムの丁度肩ぐらいのところに、小さな顔を預けていた。
こういうので良いのよ!!
『アダムくん、よく見ると鼻毛出てる……』
こういうのは、要らんのよ。
『あと、なんで制服なんだろう……
私、オシャレしてきたつもりだけど、合わせて制服に
するべきだったかな。』
メサイアちゃん良い子すぎないか……!?
『メサイアちゃんの服可愛いな。同じような格好すれば良かったかな……』
アダムであった。
メサイアちゃんの服を自分も真似たいってことですかね。気遣いでもなんでもなく、ただの女装だよ。
フェスターとチューして目覚めてんじゃないの?
メサイアちゃんの体は細く、色々控えめなので抱きつくにはとてもフィットしていました。
ただ、アダムくんは、抱きつく相手がユナちゃんであれば、自分に押し付けられる、デカい谷のお山二つが必ずあると確信すると、それはそれで物欲しくなりました。
『まぁ、贅沢はいうまいよ。』
お前上から目線だけど、まだ好きとも言ってないし、
カップルでもないからね?メサイアと。
作者が独り身なんだから、
成就など、させてたまるかよ!!
リア充嫉妬界隈のハル○みたいで笑う
『フェスターさんも、抱いた時細かったしな。』
比較対象になってねぇんだよ。なんで、メサイアと
フェスターを同一視するんだよ。
『なんか、ユナさんってアイドルなのに、普通の友達みたいに接してくれて、しかも出るとこ出てるんだよねぇフヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ……………!!』
アダムであった。きしょ。
ただでさえ、見てくれる人少ないのに、主人公のセクハラ発言でさらに減っちゃうからやめてね。
『なんか、ああいう身近な人がテレビとか出てて、
色んな男の人達の前でファンサービスしてるのに、僕にしか見せない顔があるって、この背徳感たまらねーー!!くぅぅぅぅぅぅ!!』
きも。ほんとにきも。
ヴィーナの架空犯罪列挙的中してますね。
もう、デート編やめて、プリズン編行こっか。
あと、アダム達にしか見せない顔って、暴力の側面だけだからね。暴力で全て解決しようとしてる側面だけだけどね。
『…………アダムくん、鼻毛2本ぐらい出てるよ……。
これ、言わないとかな。店員さんとお話しする時、
あら、この人鼻毛が出てるわ。なんて思われたくないしな。うーん、でもここで鼻毛出てるよって言ったら傷ついちゃうかな。あ、やばい見るとめちゃくちゃ気になる。やばい、顔好きなのに、鼻毛にしか目がいかねぇ。なんか、鼻の下も伸び始めてない……。蛙化……。
いや、まだまだよ!』
メサイアちゃん、アダムの肩から顔を離し、もう一度正対。やはり、アダムの右鼻口には、クソ長い鼻毛が飛び出していた。
『はなげなげーーー。』
鼻毛見すぎてIQ下がってるんだよメサイアちゃん。
「……そろそろいこっか。」
アダムくん、自分の中で一番カッコいい声音のつもりで、メサイアちゃんに話しかける。
ビューーーーン!!
冬なので、風が強い!!!
『鼻毛が靡いてんですけど………』
メサイア、瞳から光を失い、ただ風に流される
鯉のぼりのように長い鼻毛を見つめる。
『ゲコりそう…………。』
鼻毛で恋愛破綻は作者も流石に………
アダム、突然人混みをかき分けて、歓声を上げられる影に肩を叩かれる。
「旦那様……」
ちっちゃいハサミを手に持った、エトセーラであった。サングラスをかけ、めちゃくちゃファッションショーみたいな服装して、めちゃくちゃ良い匂いであった。
「え、エトセーラさん……」
顔をガッ!と掴まれ、鼻にそのハサミを挿入されるアダムくん。
シュッ!シュッ!シュッ!
アダムくんの鼻の中を空気が走る音がして、
次の瞬間には、エトセーラはそのハサミをハンカチで拭っていた。
「では、行きましょうか。」
エトセーラ、そのままアダムくんの腕に体を絡めた。
エトセーラにも、あの二つの谷のお山が押し付けられるムギュムギュ感は感じられなかった。
セクハラ地の文やめてね。
「エトセーラ、ダメに決まってるでしょ。」
メサイアが、風に靡かれながらジトっと呟いた。
「…………でも、離したくもないですよ。」
エトセーラであった。
後ろから、もう一つズンズン近寄る影があるんですけど!?その人も、人混みかき分けると女性の歓声が
すごいんですけど!?!?宝塚ですか!?
サインくだはい!!
スーツ姿のギランミであった。
サインいらないっす。
「………!?ギランミ、私は貴方が大嫌いなんだから、邪魔しないでください!!」
ギランミ、エトセーラを羽交締めにして、ズルズルと
引き摺る。
「私達は裏で警備なんだから、お前がしゃしゃりでたらダメなんだよ!!」
ギランミ叫びながら、エトセーラをずっと引き摺っていく。その内、エトセーラは腕を振り払い、自力でギランミの跡をつけていった。
「来ないでって言ったのに!!チューできないじゃん!!」
メサイアが、人混みに閉じられていく背中に叫ぶ。
駅でそんなこと叫ぶなよ。あと、チューしないじゃん。
「じゃあ、いきまふか!!」
アダムであった。噛んでるやん。
『あ、やっぱ顔好き❤︎』
メサイアであった。なんだこいつら。
***
――公園のベンチ側
「ギランミさん……今後触るのは控えて頂きます。
この服はもう廃棄ね。」
エトセーラ呟き、めちゃくちゃ高そうな服の両肩を払うようにした。
「私、なんでそんな嫌われてるんだよ。お前とも仲良くしたいのに……」
ギランミ呟き、エトセーラがベンチに座るのを待って、自分もその隣に腰掛けた。
「隣に来ないで。」
「ちょっとは仲良くしない……?」
エトセーラはあからさまにスペースを空けて、ギランミを避ける。ギランミはほっぺを掻きながら、公園でサッカーをするおチビ達を見つめた。
「……なんか悪いことしちゃったことある?」
ギランミであった。
「本編を見ればわかるでしょ。」
フィッシング詐欺の誘導ですかね。
「だから、本編で2人とも死んだから、仲良くしようって……」
おいネタバレやめろ。
メタメタしそうだぞ。嫌がる人もいそうだぞ。
まぁ、いいか。こいつらが勝手に喋ってんだし。
「月の生まれのあなたと仲良くなんて、出来るか!
……あ、ちょっ」
エトセーラのサングラスが揺れて、地面に落ちる。
「拾うよ。」
「すいません。」
ギランミがベンチを立ち、砂まみれのサングラスを拾う。情けないな。
「ふぅ。」
サングラスを受け取り、再び装着するエトセーラ。
もう一回かけるんかい。
「もう一回かけるんかい。」
ギランミであった。思っても口に出すなよ。
「はぁ、なんかアダムくん羨ましいよ。君に好かれてて。」
ギランミがため息を吐き、寂しそうに俯く。
職場同士で仲悪いって最悪だからね。
「私と仲良くしたいなら、それなりのメリットがないとですよ。」
エトセーラ鼻息ふんす。
「そのサングラス、よく見たらかっこいいね。」
雑すぎないか、ギランミさん。
「そう////ありがと////」
ちょろ。
「エトセーラって、まつ毛長いよな。」
ギランミがベンチの隙間を埋めて、エトセーラの顔を覗き込む。
ギランミさんは、作者の中で、最推し爆美女ラッツェルさんと同等なので、エトセーラさん、めちゃくちゃドキドキ。まぁ、作者にとって、自分が作った女の子キャラはみんな爆爆爆美女ですよー!!ガハハ!!!
男はクズばかりです。
爆美女って言い方きも。
すいません………………………………………………………。
「あなたも、綺麗よ…………」
エトセーラ顔を真っ赤にしながら呟く。
なにこれ。
「ありがと!私、エトセーラとちょっと仲良くなりたいよ。メリットとか、生まれとか気にせず接せるのが友達だから、エトセーラともそうなりたい。」
ギランミ、めちゃくちゃニカーッて感じの笑顔で、
エトセーラに微笑みかける。
「本編で、実利だけ求めた結果がアレだからな!
仕事だけの関係で、死んでいくのはもうやだよ。」
めちゃくちゃネタバレとメタ台詞だな。
まぁ良いんだけど。
その途端、サッカーボールがこっちにくるーーッッッ!ターゲットはエトセーラー!
「え………」
ギランミちゃん、エトセーラの肩を掴み、自分の胸元へ抱き寄せたーーーッッッ!!
き、きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
エトセーラが座ってた背もたれにサッカーボール
バチーーーーん!!ボールの弾痕が、赤茶色の背もたれに刻まれていた。
「❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎」
エトセーラドキドキドキドキドキドキドキドキ。
ギランミのお山二つが、エトセーラの頭の辺りに当たる。
『旦那様ごめんなさい。この人…………すき』
いやちょろ。
「わはは!ボールが飛んでくるなんて、ベタすぎ!!」
ギランミが笑う。お前が言うんかい。
「す、すいませーーん!!」
おチビが謝りながらギランミ達に近寄る。
いや、べたすぎ。
「わはは!気をつけろよ!!」
ギランミであった。いや、べたすぎ。
「ちょっと、早く離して……///」
エトセーラ、顔を真っ赤にして呟く。
しかし、ギランミは腕をエトセーラの肩から離し、
完全に解放していた。
逆に、エトセーラが腰に両手を回し、ギランミのお腹に顔をギュウギュウと押し付けていた。
「離してるけど。」
「嘘よ!なんて、力よ!!同じ女性なの!?」
エトセーラ、自分の抱きつく力が強すぎて、サングラスが落ちる。鼻息もすごい荒かった。
「………痛いんだけど。サングラス落ちてるけど。」
ギランミ、ジトっとまた砂に包まれたサングラスを見つめる。
「あーー、良い匂い!!くっ、早く離してっ!
す、好きになりそう!どこ触ってるの!!」
ギュウギュウギチギチ。
ずっとエトセーラが勝手に張り付いていた。
「あのお姉ちゃん達なにしてんのーーー!」
母親に抱かれた女の子が、遠くのベンチに座るギランミ達を指差す。
「あれこそ、人のあるべき姿よ。野蛮な男の時代は終わり、女性同士で繁栄する時代が到来したのよ。」
「……………?」
お母さんとんでもない思想してますね。
概ね賛成です。
―続く―




