第三十六話 独り身、空を駆ける
ーー午前10時半
「私って、わがままね。」
メサイアは、暖かな湯船に身を包みながら呟く。
その声は、お風呂場なのでよく反響した。
メサイアちゃん、蛙化したのに、ヴィーナが惚れてるのを見た途端、デートの約束を取り付けたことや今までのドキドキが全部無駄になった気がきて、仕方なくなったのだ。
カロッ○さん、自分こういうセリフは全て自分から捻ってるんですよね。ははは。
『萎えること言うのはやめろぉ!!』
脳波コントロールしとけよ!機械が喋ることかよ!!
「姫様ーー。タオルと着替え置いておきますー。」
大浴場の扉の先からする声は、ギランミの声であった。
お風呂を上がってさっぱりーー!!
「ぶっほーーーーーいっ!」
メサイア、洋服を着る途中でくしゃみ。
早く暖かいココア飲んでお布団入りなね。
大浴場の扉バン!!
「姫様ーーー!髪乾かしてあげますーーー!!」
ロイヤリティであった。
「自分でやるわ。」
メサイア、ニコッと笑いながらパンツを履く。
………………………………………ふーーん。
『脳波コントロールいくか?』
くっふ!くっふっふ!くっふ!くぅぅぅぅ!!
『いや、泣き方きも。』
「いーから!!!」
がき。
ロイヤリティはメサイアの若干長めの髪を、丁寧に櫛でとかしながら乾かす。
お姉ちゃんやん。
なんかね!なんかメサのみんなが普通に暮らしてるだけでね私はそれで良いんですよ!!
寝取られしてたやん。
「このあと、お部屋にご飯持っていきますね!!」
「お部屋に、ご飯」
………………………………。
***
部屋の扉を開くと、部屋全体が木造で作られたアンティークなこぢんまりとしたお部屋がある。
ここが、メサイアちゃんのお部屋でーす。
女の子のお部屋なので、描写は控えますよー。プライバシーですからね!
ベッドに入ると、自分の左上にはカーテンに包まれた窓がある。
それを覗くと、雪が降り注いで、先の庭やホビーオ○がそれに包まれていた。
「お家と布団って暖かいわ。」
メサイア呟く。作者も眠いので、ふわふわ回にしまふよ。
ドアコンコンコンコンコンコン!!!!
「ご飯ですよーーーー!」
ロイヤリティが叫び、扉を開く。
ご飯は、リゾットとフルーツ盛り合わせであった。
ロイヤリティから見て、メサイアは風邪気味特有の顔の赤さがあった。
「ロイヤリティありがとう。」
メサイアが呟き、ロイヤリティはベッドへ寝そべるメサイアの横に椅子を用意して座る。
「ロイヤリティ……なにを!」
ロイヤリティが手を伸ばし、髪をかき上げてメサイアのおでこをさわる。
「やっぱ熱いなー。熱ありますよ。」
ロイヤリティ呟き、ご飯の用意をする。
「確かに、体がクラクラするわ。」
メサイア呟き、枕に頭を埋めて、布団に潜り込んでしまった。
「ふーーー!ふーーーーー!」
風圧すごそう。
ロイヤリティがリゾットをスプーンに乗せてフーフーしてた。立派なお姉ちゃんだね。
『こういうので良いんだよ。』
コスモ・バビロニアおじさんは、そろそろ寝れば?
「はい!あーーーーーん!!!」
布団から顔だけ出したメサイアに、ロイヤリティがスプーンを差し出す。
メサイアちゃん、ちっちゃいお口を開けてもぐもぐ。
「んめぇ。」
なんで、江戸っ子なんだよ。
もう一度扉がガチャリ。アダムか!?!?
ギランミであった。
「ギランミさん、エトセーラとヴィーナは?」
「縛り上げてる。暴れるから。」
ギランミは呟き、ロイヤリティが空けた席に腰掛ける。
「メサイア様、じゃあ私は行きますから!ちゅ!」
きたかあぁぁぁぁぁぁ!カロッ○!!!起きろ!!
『なんとおおおおおおおおおおお!!!』
お前それシーブッ○のセリフや。
ロイヤリティが、布団に潜って顔だけ出すメサイアのほっぺにチューして去っていく。
アダム、女性同士の間に入るな!!
「むふふ」
ギランミ笑う。こいつロイヤリティとメサイア好きなんだな。
「ふぃー。ふぃー。」
風圧が足りてないだろ。
ギランミのフーフーであった。
「はい、姫様。」
メサイアパクリ。
「あちぃけど、んめぇ。」
江戸っ子なんだよな。
「ギランミ、私本編関係なく、アダムくん好きだわ!!」
「それを本人の前で言うんですよ。」
い、言ったぞーーー!!
『質量を持った残像なんじゃないか!?!?』
眠いからツッコむのやめるね。
ドアが二回ノック!!
「失礼しまふ↑アダムでふ↑」
絶対ラッツェルのせいでドアノックの回数間違えてるだろ。
「入ってくれ。では、姫様。」
ギランミ呟き、メサイアの頭を撫で撫で。
こいつ愛されすぎだろ!ちなみに本編でもこうだったらしいです!!なんで仲間割れしたんだよ!!
扉を開くと、アダムくんが気まずそうに立っていて、
横をギランミが通り過ぎる時、コショコショ話していた。
「プイッ!!」
メサイアそっぽをむき、寝返りを打つ。
足音が近づき、自分のベッドの隣に近づいているのがわかった。ドキドキドキドキ!!
お前やっぱアダム好きなんかい。
『そりゃ、当たり前でしょうがよー。』
カロッ○もうただのジジイやん。
アダム君座ると、布団からはみ出す髪の毛とあっちを向く頭があった。それと、リゾットとココア。
「おかあさーーーん、雪ぃーーーーー!!」
母親に抱っこされた女の子が雪ではしゃぐ声が聞こえる。
……………………………………ゴクリ。
『……………………………………』
「…………………………………………。」
静寂の中、聞こえるのはメサイアがシーツを擦る音であった。アダムにとっては、この沈黙を破る外の少女の無邪気な声と、このシーツの音は救いにも思えた。
「蛙化……。本気じゃなかったみたい。」
先に口を開くのはメサイアであった。
アダムは、それを先に言って欲しかったが、今その言葉を聞けたのが嬉しかった。
ただ、お前はヴィーナとエトセーラにも目をつけられている。
これは、実質的な告白であるとも取れるのだが、アダムには鈍感デバフレベル100がかかっているので、
到底そうには思えなかった。作者は、ここでデバフを解くかとも思ったが、この深夜の勢いでそれをすれば、明日の朝には一過性の行動による報復がやってくるとわかったので、ただ蕁麻疹を出した。
「プイッ!!」
あ、ほらーー!!気付かないから!!
『なにやってんのもーー!』
「なんか、俺この世界で生きづらいらしい。ごめん。」
アダム、両手をいじいじしながら呟く。
再びシーツが鳴る音がして、メサイアの蒼瞳は震えながらアダムを見つめていた。ピンクと赤の合わさった唇は、緊張からか歪み、純白の肌は紅みをもって、布団から少し顔を出す指は震えていた。
…………これ、好きって言うんじゃね。
『言ったらどうなる。』
この作品は完結だ。
「そのモジモジしてる片腕、私のと合わせたら、良いんじゃない……。」
メサイアは頬から下を布に隠すように呟いた。瞳が大きく揺れ、鼻根の根本から左右に赤く染まり切っていた。
『好きと言ってないか!?』
焦りすぎだ、揶揄っただけだ。
アダムくんは、俯いた顔を上げ、布団のメサイアを見つめる。視線が合致した時、それは一直線ではなく、
交わりながらメサイアへ伝っていく感覚を覚えた。
そして、それに合わせて胸の辺りがゾクっと毛立つ感覚があったのだ。
「でも、手洗ってないし。」
きったねぇな、洗えよいい加減。
「寒いから……握ってよ。」
ウッッッッ!!明日の朝はきちいぜ!
『黙れよ!いいとこだろ!!』
仮面ジジイ!!!
メサイアは、布から純白の腕の一つを完全に外に晒した。
外の空気はやはりヒンヤリとしていて、それが、先の曇天と雪に降り注がれながら、1人で涙を流して帰路についた感覚を思い出させる。
そして、そんな気持ちは、人の温もりをさらに欲するのだとわかった。
『ほんとにわかってんの?』
わかるわけないだろ、独り身なんだから。
アダムもそれに合わせて、右手を伸ばすために、
手の位置を段々と上げる。
「ここで待ってまーーす。」
メサイアは呟き、自分の顔の側で手を動かすのをやめてしまった。
くぅぅぅ!うっくうっくぅ!!!
『蕁麻疹か!!』
ムヒを塗ってる!!!
アダムの手が、若干温かみのある配色の照明に照らされる時、自分の寝そべらせた手には影があった。
メサイアは、その時に心臓の鼓動の早まりを感じて、
どれだけ粗野なものでも良いからと、アダムの手を欲したのだ。胸がキュンキュンしちゃうのだ。
………………………………ごくり。
『……………………………………………』
手が初めて触れる時、アダムとメサイアの間には、
パチっと衝撃が走った。おそらく、帯電が起こしたことであったろうが、メサイアとアダムには、それは、自分達の心同士の蟠りやら、無意識に人に対して作ってしまう壁やらを、破ったものに感じられたのだ。
『どういうことだ!!』
ATフィールドが破られたから、セック○をした人間達同士の感応といえる!
『御し難いな!!!!!!!』
ナディアを思い出すのは後にしろ!!
アダムは、自分のこの気恥ずかしさと胸が一杯になるような感覚は、気持ちが良いものに感じられた。
それは、とても気恥ずかしいことであったが、この感覚を純粋に享受することは、自身の成長にも繋がると思えた。
メサイアは、その葛藤の過程を持たずに、それを幸せだと感じた。女性が男性より、遥かに感受性豊かで、母性を見出させるのは、この葛藤がないからだろう。
『本当か!?』
個人差があります!!
アダムの腕と、メサイアの腕が重なり、メサイアは
そのアダムの手の冷たさを感じて、自分が包み込んであげなければと感じる。
「手……あったかいんだ。」
メサイアが呟いた。実際の感覚ではなく、これから自分が温めるという意味合いも込めたそれであった。
「……………?」
アダムは鈍感であったから、全くよくわからなかった。
ふざけんなよ。
『ふざけんなよ。』
メサイアの手は小さく、それでいて触り心地がとても良いものであったから、アダムはそれに触れ続けていたいという感覚はあった。
馬鹿はそれに従えばいい!!そうすれば、気づいた時には、男と女になっている!
『そうだそうだ!!』
「家族と、ギランミ達以外とこんなことは、したことなかったし、こんな気持ちにはならなかった。」
メサイアは呟き、重なった掌を眺める。
アダムの手が自分に覆い被さり、それを翻すと、
次はアダムの手がシーツに押し付けられ、メサイアの手が上となった。
『セック○か!』
全年齢だから違うが、そのつもりだ!!
「アダムの手って、ゴツゴツしてるけど、内側はやっぱりそうじゃない。」
メサイア呟き、2人の交わった手に顔を近づける。
メサイアの吐息が、2人を包むが、アダムはそれを避けたいとは思わなかった。
「血のつながりのない人間と、こうし逢えるって奇跡よ。人って、こんな簡単にわかり合えるものじゃないんだから。」
メサイアは呟き、アダムに微笑みかけた。
アダムもメサイアを愛しく感じ始めていて、
それに逆らいたいとはやはり、到底思えなかった。
『独り身がいうと説得力が違うな。』
当たり前だ、私はそのために寝取られ主義者となったのだ。
「指、絡めてもいいよ。」
メサイアが呟き、アダムを見上げていたずらっぽく笑って見せる。メサイアは横に寝ていたから、ブロンドの髪が横に流れ、より大人らしい雰囲気をもっていた。
白い肌の首筋が見えて、アダムはそこに顔を充ててみたい欲求に駆られる。
『きもいのか……?』
当然の欲求だろ!本当はわたすがこうしたいんだよ!!
『ははは!!独り身は怖かろう!!』
指が交差する時、メサイアはさらに一度強い鼓動を感じて、目頭と鼻根の辺りがジンワリとしみながら、滲むのを覚えた。
口の下に若干の皺を作り、流れ落ちた涙が鼻筋を通り越して、頬をつたい、やがてシーツを濡らすシミとなる。自分の寂しが報われ、心が温かさで一杯になる嬉しさからであった。
蛙化したから寂しさが生まれたんじゃね……………?
『だまれ!!!』
アダムは、それに合わせてメサイアの首筋へ顔を埋めるようにした。メサイアもそれに合わせて、枕に髪を擦るようなしながら、くすぐる感覚を味わい、小さく笑いながら体を捻る。
シーツを重ねる音が二つになった。
片方の手を繋いだまま。ベッドに仰向けになるのは、
メサイアで、それを見下ろすのはアダムであった。
アダムは、メサイアに覆い被さり、メサイアも頬を紅潮させながら、自分の首筋や頭髪に顔を埋めるアダムの、背中や首裏を両腕で包み込んだ。
――おっぱじまる。
「アダムくん、すっ………素っ裸よ。」
変なところで恥ずかしがんな。
我々は、そろそろ退場致しましょう。
カロッ○。
『セック○は!?セック○はしたのか!?』
えー、本編だとこの流れをマシーンの内部で行って、
そのままうまぴょいなのですが、この作品は
全年齢なので、おそらくしてないでしょう。
多分、してないはず………………
『いやー!御し難いわーーー!!』
――Fin.




